君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

湖北の要衝・米原駅 集う車両たちと思いがけぬ混雑

このブログで何度か、東京~大阪の移動の際に寄り道をしていることを書いていますが、今回の寄り道はこちら、JR西日本が新快速電車で新しく始めた有料サービス「Aシート」になります。

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大阪へ向かう際、ひかり503号で米原で下車。

在来線でAシート連結列車の始発駅となる野洲へ向かい、そこからAシートを体験しました。

そのAシートについては記事を改めるとして、まずは米原駅の風景からご紹介します。

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米原駅に到着したのは9時44分。数分後、乗り換えのために通った新幹線と在来線の狭い連絡通路はなぜか激しく混雑していました。

後で推測した感じでは、同じ時間に在来線列車の到着が集中していたためではないかと思いました。

実際、この記事を書く際に時刻表で確認してみると、こんな感じでした。

米原駅は、東からJR東海東海道本線、西からJR西日本琵琶湖線(大阪方面)、北からJR西日本琵琶湖線北陸本線が集まる在来線の要衝。

在来線同士の乗り継ぎも考慮して、こうして到着が集中するダイヤになっているのでしょうが、おまけにひかり号(9:52発新大阪行き、9:57発東京行き)の発車もあるとなれば、乗り換え客が殺到するのも無理はありません。

米原駅は列車の乗り継ぎのために何度か利用しましたが、構内の広さや周囲の静かさもあり、時折起こる乗り換えダッシュを除けば、どちらかといえば長閑なイメージを持っていました。こんな一面もあるのだということは初めて目の当たりにしました。

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9:51 名古屋に向けて出発したしらさぎ4号。

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9:56に発車予定のしらさぎ3号金沢行き。

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回送として発車したJR西日本の223系12連。

今まで、適当にスナップとして撮っていたのですが、この時から「編成写真として構図ぐらいちゃんとしよう」ということをできるだけ意識しています。

具体的に言うとこんなあたりです。

  • なるべく重心を低くする
  • 床下もおろそかにしない
  • 編成全体が収まる画角にする
  • 編成に対して、上下左右の余白をバランスよく取る

特に立ったまま普通に撮ると重心が高くなってしまうので、しゃがんで撮ったりしています。まるで撮り鉄みたいですね。

カメラの性能とか、レンズについてる細かい傷とか、天候とか場所の選択とか言い出せばきりがないのでしょうが、せめて構図ぐらいはまともに取れるようにしたいなあ、と思っています。

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9:56発予定の大垣行き普通列車JR東海311系3連。

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近江鉄道米原駅。拠点は彦根駅の方になるため、こちらは簡素なホームです。列車には出会うことができませんでした。

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JR西日本の駅だと感じさせられる、線路側を向かないように配置が変更されたベンチ。酔客が線路に転落するのを防ぐのに効果的として、他の鉄道でも徐々に浸透していっているようです。

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奥の方の新幹線ホームでは、東京行きのひかり514号が発車していきました。

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野洲へ向かうのに乗車した、9:59発の普通加古川行き。

琵琶湖線は、ほぼすべての列車が大阪方面と直通する221系・223系・225系での運転で、転換クロスシートなので各駅停車といっても全然快適です。

琵琶湖線と言っても、琵琶湖が車窓から見えるのは長浜~米原間ぐらいで、米原から南は車窓から琵琶湖が直接見えることはありません。ただ、琵琶湖側の車窓を見ていると、手前側の山並みと遠い奥の方の山並み、その間にきっと琵琶湖があるんだろうなあ、ということを感じたりはします。

そうこうしているうちに野洲に到着。野洲駅については記事を改めることにします。

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日本三大車窓・姨捨の夜景

※本記事の写真は2014年8月のものです。

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姨捨駅からの善光寺平の夜景

日本三大車窓として知られる姨捨には、以前、「昼も夜も行くべき」と言われて、実際これまで両方見たことがあります。

今回の記事は夜景の方。カメラがヘボいので、撮影後に明るさを上げるだけ上げてこの程度なのですが、実際に見た時の眼下に広がる街灯りの雄大さはこの比ではないです。

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姨捨駅の駅名標

スイッチバックの線形を意識したデザインになっていますが、できれば「冠着」の表示は稲荷山からの延長線上にある方が適切でしょうね。

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ホーム上のベンチ。線路側ではなく、展望用に反対を向いているのが当時は物珍しかったのでした。

姨捨駅で降りて時間を取ったのは確かこの時が初めてで、物珍しくていろいろと見て回ったのですが、夜ということもあってかろくな写真が残っておらず。

姨捨に関しては他にも記事を書きましたので、よろしければご覧ください。

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手軽に富士山を楽しむ! 須走口五合目から20分 小富士の絶景

※本記事は2017年6月の記録になります。

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富士山の側火山、「小富士」からの眺望

吉田口五合目からの眺望が残念だったので、その翌週、リベンジのために(御殿場線乗りつぶしも兼ねて)別方向から富士山へ向かうことにしました。

その残念だった吉田口五合目を含む訪問記は下記になります。

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御殿場へ向かう

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東海道線から国府津御殿場線へ乗り換え。ちょうど編成の解放をしていたところでした。

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富士の裾野を走る路線なので、沿線から見える富士山もなかなか見事です。

山頂付近に雲がかかっていてちょっと嫌な予感……。

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御殿場駅前の商店街。そのゲートの上にも富士の威容が。

駅前でバスを待っていると、御殿場線の歴史が記された掲示があり、ここがもともとは東海道本線だったこと、「天下の険」箱根を貫くルートができたことで、本線がそちらに移ったことを初めて知りました。

御殿場駅からは、「御殿場口新五合目」と「須走(すばしり)口五合目」に向かう路線バスが発着していますが、今回は須走口へ向かいます。所要時間は60分です。

fujisan-climb.jp

上のサイトを見ていただければわかる通り、須走口とは、富士山の4つの登山ルートのうち、東側からのルートになります。

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須走口五合目バス停付近からの眺め。

ここでは木々に遮られて眺めはよくありませんが、今日は下界の眺めは期待できそうです。

須走口五合目から小富士へ

須走口五合目は、吉田口のように賑やかではなく、素朴な山荘(宿泊・売店・食事兼用)が2つあるだけの静かな登山口です。

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この日は、20人ほどの団体客が訪れていましたが、目立つのはそれくらいです。

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この須走口五合目付近にはいくつかの見どころがありますが、今回は「小富士」と呼ばれる場所へ向かいます。

これは富士山の中腹にある側火山で、標高は1,979m。山頂付近が木々に覆われていないため、そこからの眺望がすばらしい場所とのことです。

高低差はほとんどありませんが、転落防止のロープが張ってある程度でそれほど整備された道ではないので、転倒したり足を滑らしたりしないよう慎重に進んでいきます。まあ、特別な装備は不要で、歩ける格好をしていれば問題はないと思います。

そして小富士の山頂まで来ました。

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富士の山頂は、今日もご機嫌斜め。

しかしながら眼下の眺めは、来てよかったと思える素晴らしいものでした。

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正面に見える三日月状の湖は山中湖になります。

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山中湖から左側は富士吉田市方面。

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湖から右側は御殿場方面。

他にも数人の方が眺望を楽しんでいました。

動画を撮っていたのでこちらもご覧ください(風の音が入りますのでご注意を)。

 

ひとしきり眺望を楽しんだのち、昼食をとるために五合目へ戻ります。

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コカ・コーラで埋め尽くされた自販機。500mlサイズは300円、280mlサイズは200円。輸送費や維持コストを考えれば致し方ない価格。

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トイレは有料です。これはここに限らず、高山では普通にみられるものです。

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いただいたのは東富士山荘のきのこうどん。野菜の天ぷら入りは春の季節限定らしいです。山麓で育てたという各種きのこの風味と、サクッと揚げた野菜の食感が楽しめる美味しいうどんでした。

他にもきのこ鍋やきのこパスタなど、きのこにこだわりがあるようです。

そのうち、帰りのバスの時間が来たので御殿場駅に戻り、その後は御殿場線で沼津へ、さらに岳南鉄道も往復して帰りました。

登山は大変だし手軽に山上からの眺望を楽しみたい!という方には、小富士はかなりおすすめだと思います。天気が良い時を狙って行ってみてはいかがでしょうか。

手軽に富士山を楽しむ! 吉田口五合目・四合目と富岳風穴

※本記事は2017年5月の記録になります。

富士山というと登山、というイメージですが、頑張って山頂まで登山をしなくても、富士山を楽しむ方法はいろいろとあります。

そのうち、山梨県側から日帰りで訪問した日のことを書いておきたいと思います。

麓の河口湖駅へはJRと富士急行を利用。河口湖駅での記録は下記記事をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

 

吉田口五合目へ

河口湖駅から路線バスに乗り、吉田口五合目を目指します。富士山駅を経由し、麓から五合目まで整備された「富士スバルライン」を通っていきます。所要時間は65分。

この日は、一応「晴れ」というべき天気でしたが雲が多く、道中で雲に突っ込んでいく形となりました。

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基本的な話になりますが、富士山にはいくつかの登山ルートがあります。分類は諸説あるようですが、オフィシャルな紹介としては北から向かう「吉田ルート」、東から向かう「須走(すばしり)ルート」、東南から向かう「御殿場ルート」、南から向かう「富士宮ルート」の4つがあります。

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それぞれのルートの五合目、2000mを超えたあたりまでは車で行くことができますが、そこから先は自力での登山。概ね一合ごとに小屋が設けられています。

 

最近話題になっているのは、このうち吉田ルートの五合目まで登山鉄道を敷設しよう、という話ですね。

www.sankei.com

 「富士山登山鉄道」構想がいよいよ発車 霊峰の麓から5合目

 富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道」構想が再び動き出した。1月の知事選で初当選した長崎幸太郎知事の「検討する」という公約を受けて、県は有識者による勉強会を開き、6月補正予算案に基本構想策定費として約4175万円を盛り込んだ。2年後をめどに基本構想をまとめる方針だ。

この記事には、「関係者によると、今回の構想検討は首相官邸筋から長崎氏に依頼があったという。」という記述もあり、にわかにきな臭くなってきた感もありますが。

この件についてはどこかで論じる機会もあるかもしれませんが、とりあえず、そんなに夢のようにうまくいくとは思えないです、ということだけ書いておきたいと思います。

 

富士山への登山道は、どこもサイクリングロードにもなっているようです。歩道などない路側を数多くの自転車が登っていきます。中には、疲れてふらついている人もいます。

路線バスは、左側のそんなサイクリストを避けつつ、右側の対向車に注意しつつ、時折急カーブが連続する道を進んでいきます。運転手にしてみれば慣れたものかもしれませんが、私から見れば神業級です。

五合目が近くなると観光バスなどが駐車場にだいぶ停まっていましたが、駐車渋滞というようなことはなく、終着の「富士スバルライン五合目」バス停に無事到着。

広場は、団体客などひしめき合って大混雑していました。

麓よりはちょっと寒い(日によって寒さ加減が変わるかもしれませんが)ので、羽織れるものは必要です。また、手軽に行けると言っても2000mを超える高所になり、高山病のおそれもないわけではないので、体調には要注意ですね。

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別に人混みを見に来たわけではなく、ここから見える眺望などを楽しみにしていたので、レストランに入って2階に上がります。

そこでいろんな注意書きを見て初めて知るのですが、ここには水道も電気もガスも通っておらず、水や発電用の燃料やガスは麓から毎日輸送してくるそうです。

上に書いた鉄道構想に関して、架空線集電だと架線柱を立てる必要があり、気動車だと環境問題への懸念があるので「充電式の車両にしたらどうか」という意見も見られるのですが、そもそも五合目側には充電に使えるような物資はなく、それも麓から輸送しないといけないということは考慮が必要になりそうです。

食事をとった後、テラスから外を眺めていると、ガスが濃くなったり薄くなったり、刻一刻と状況が変わっていきます。

下の2枚は山頂側を見たもの。

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ひどい時になると、すぐ下にある広場すらまともに見えません。

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麓にいると上空に浮かんでいる雲ですが、今、我々はその雲の真っただ中にいるんだ、ということを実感させられます。

残念ながらまともな眺望はなかったのですが、こういう状況を体験できたということだけでも有意義だったと思います。

少し下って四合目へ

さて、路線バスで少し下の「四合目大沢展望台」へ向かいます。展望台ということでどんな眺望があるのか楽しみだったのですが、五合目のこの様子では期待薄でしょうか。

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バス停近くには、こじんまりとした休憩所と小さな駐車場があります。

訪れる人はほとんどなく、休憩所には軽食や飲み物もあるので、五合目の人混みとはうって変わってのんびりと休憩できる場所です。

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これも山頂側。五合目ほどではないにしろ、やはりガスが覆っていて視界は望めません。麓側を撮った写真がないということは、きっと推して知るべしな状況だったのでしょう。

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ただ、時間がたつにつれてこうして視界が開けることもあり、時折山頂が顔を出していました。

木がない場所は雪崩のルート。ここを雪崩が襲い、休憩所が損壊したこともあったそうです。付近には雪崩で木々がなぎ倒された痕跡も残されていました。

そのうち、下山するバスがやってきたので河口湖駅へ戻りました。

河口湖・西湖の湖畔と富岳風穴

次に向かったのが、河口湖駅から西側にある富岳風穴

富岳風穴 | 富士山の洞窟 天然記念物 富岳風穴・鳴沢氷穴 | 富士山・河口湖 洞窟 観光スポット

 

基本的には近くにある鳴沢氷穴とセットなのですが、この時はそちらは見送りました。

河口湖駅から、河口湖・西湖の湖畔を進むバスに乗ります。

美しい山並みと湖岸の風景が展開し、見飽きることがありません。

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そして、富岳風穴バス停で下車し、風穴へ向かいます。

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ここにもいろいろな案内があり、やはり富士山の山麓ならではの造形もあったりするのでした。

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RPGの樹林のダンジョンとして出てきそうな風景。

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こうして歩くこと10分ほど。

入口手前で入場券を買い、先に進みます。

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入口には小さな社があります。

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入ってすぐのところにある氷柱。風穴の中は夏でも涼しく、氷が解けることがないそうです。

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ライトアップされた幻想的な美しさ。

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縄状溶岩と呼ばれる形状。先に流れ出した溶岩の流れが遅いところに、後から次々押し寄せてきた溶岩が盛り上がることで形成されたそうです。

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奥の方は天然の冷蔵庫として、種子などの保存に活用されていたそうです。

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手書きの毛筆の文字に時代を感じます。

一通り見て風穴を出た後、バス停近くにある売店富士宮焼きそばをいただいて、河口湖駅へ帰りました。

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帰りのバスの車中、富士山を覆っていた雲がだんだんと取れてきていることに気づきました。

河口湖駅の記事にも貼りましたが、駅に戻ってみるとこんな素晴らしい絵が見えたのでした。

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この日、五合目・四合目からの眺望はあいにくでしたが、そのもどかしさもまた新鮮でした。

湖畔の風景や神秘的な風穴も堪能でき、とても楽しかったので、この時回れなかったところも含めて、いつかまた訪れたいと思っています。

眺望についてはリベンジのために翌週、御殿場から須走口へ向かったので、改めて別の記事にしたいと思います。下記をご覧ください。

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富士急行河口湖駅 車両たちと富士山の威容

※本記事の写真は2017年5月のものです。

富士山の吉田口五合目や、麓の富岳風穴に日帰りで行った時の記録です。

当時はE351系で運転していたスーパーあずさ1号に新宿から乗車。乗車直前に指定席を取ろうとしたら、通路側が辛うじて空いていたという状態で、車内はほぼ満席で西へ向かいます。

大月で下車し、接続するフジサン特急に乗り換えます。その場で切符を買うために窓口に並んでいる人が多く、どうなることかと思いましたが無事間に合いました。

途中、富士山駅で方向転換し、終点の河口湖駅で下車。

構内にはいろいろな車両が停車していたので一通り撮影していました。

フジサン特急

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大月から乗車してきたフジサン特急。富士山をモチーフにしたいろんな絵が描かれた賑やかな車両です。こちらは3号車。

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こちらは展望席・指定席となる1号車。前面の絵の表情が3号車と違います。

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センスが凄いなあ、と思って撮っていました。

このイラスト誰が描いたんだろう、と思っていたのですが、記事を書く時に調べてみると、下記のイベントで募集していたようです。多くの人の愛着が詰まった特急車なのでした。

www.fujikyu-railway.jp

富士登山電車

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着席券(200円)で利用できる、外観から内装まで見るからに水戸岡鋭治流でリニューアルされた車両。快速電車として運転されています。

水戸岡テンプレートに慣れた人には目新しい要素はないかもしれませんが、私としては乗ってみたくなる車両です。

富士山ビュー特急

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こちらはスイーツプランを楽しめる特別車と、一般の自由席車で構成された特急車。大人4,000円(小人3,000円)ということで、車内で飲食を楽しめるタイプの列車としては比較的手軽な設定です。

普通列車

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リバイバルカラーの1000形車両。

この時には、元JR205系の6000系車両の姿は見えませんでした。

JR東日本 E257系

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帰りに乗車した、当時、JRと直通運転していた臨時快速列車。

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ホーム端から撮ろうと思ったのですが、ホームの長さが5両編成ぎりぎりでこれが限界でした。

今の「富士回遊」は3両編成なので余裕がありそうですね。

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奥には205系の中間車が1両だけ留置されていました。6000系に改造された余りの車両なのでしょうか。

河口湖駅

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ゆとりと落ち着き、山小屋のような木のぬくもりを感じる駅舎。ゴールデンウィークでも登山シーズンでもないただの土日なのに、とにかく観光客、特に外国人観光客が多かったです。

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駅舎全体の外観。これは朝、到着した時に撮ったもので、優雅な外観を見て喜んでいたのです。上空にかかる雲が、富士山を覆い隠していたとも知らずに……

ひとしきり観光して戻ってくると、雲が取れて奥に富士山が見えていました。

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再び駅舎全体の外観を撮ってみました。

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なにこれ最高かよ、という優雅な駅舎と富士山のコントラスト。一日、富士山を堪能した最後に、思わぬプレゼントをもらえたのでした。

駅から先の記録については下記の記事をご覧ください。

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寄り道の途中で 豊橋&近鉄名古屋

※本記事の写真は2018年1月のものです。

豊橋鉄道など他の記事でも時々言及していますが、家の事情で東京-大阪を移動することが多く、毎回単純に新幹線で往復するだけではつまらないので、時間を見つけて寄り道をするようにしています。

 

この時は、豊橋から名鉄、名古屋から近鉄と乗り継いで大阪へ移動しました。

名鉄自体そんなに乗る機会がないのですが、豊橋からは初めてです。

豊橋駅はJR在来線のホームの中に間借りするように1線だけあり、対面には飯田線のホームがあって明確に区切ることができません。

そんなわけで、下のような形で、JRと名鉄を乗り継ぐためのICカードリーダーが置かれていました。

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8:15発の岐阜行き特急。特別車でゆったりと名古屋へ向かいました。

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この時に対面にいたのが飯田線の213系電車。8:10発の中部天竜行き。

豊橋を出てしばらくは飯田線の駅を通過していくのが、話には聞いていましたが面白い風景です。

名古屋で近鉄に乗り換え。帰省等の他、伊勢神宮へ初詣に行く人も多くごった返していました。

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9:25発賢島行き特急の伊勢志摩ライナー

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乗車した9:30発大阪難波行き特急の名古屋側。リニューアル後の塗装になっていました。

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同じ列車の難波側。リニューアル後の塗り分けはすごく好きですが、こちらも近鉄の汎用特急車の象徴といった感じで、味があって捨てがたいです。

今のところ(2019年6月時点)小田原~豊橋間はほとんどクリアしたものの、名鉄の支線級の路線がまだほとんど乗れていない他、JR東海武豊線太多線美濃赤坂支線、東海交通事業あおなみ線愛知環状鉄道、そして樽見鉄道養老鉄道長良川鉄道と、まだ見ぬ路線が山のようにあるので、しばらくは寄り道は続きそうな感じです。

阪急電車の失敗 文脈から切り離された言葉の危うさ

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阪急神戸線の特急電車。梅田駅にて

6月1日~30日の予定で行っていた「ハタコトレイン」企画が、その内容に批判が殺到して10日で打ち切りになった件。阪急にしては珍しい、お粗末な顛末でしたね。

www.prdx.co.jp

【はたらく言葉たち×阪急電鉄】「ハタコトレイン」が6月1日から走ります!

パラドックスが年に一冊発行している、誇りを持ってはたらく人々の思いを紡いだ言葉集「はたらく言葉たち」が、阪急電鉄とコラボレーションすることになりました!

(中略)

梅田を起点に神戸・宝塚・京都の3線に延びる阪急電車
各線1編成(8両)の車内空間を「はたらく言葉たち」がジャックし、
その名を「ハタコトレイン」として運行します!

 

そうして掲載された車内広告が不愉快だということで問題視されたのでした。

特に注目を浴びたのは以下の文。

毎月50万円もらって毎日生きがいのない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。

研究機関研究者 80代

そもそも30万ももらってねーよ、という批判が集まっていました。

でも、80代の研究者であれば、その長い人生でいろいろあっただろうし、個人的な経験を踏まえた言葉だという文脈を考慮すれば、特におかしい話でもないんですよね。

上の文のうち、「50万」「30万」という具体的な数字さえ外せば、もう少し受け入れられやすかったのではないかと思います。

 

今回の広告のもととなった「はたらく言葉たち」のサイトを見てみました。

www.hatakoto.jp

いろんな「はたらく言葉」が掲載されています。

見た感想として、車内広告以前に、この言葉の切り取り方自体がすでに危ういものがあるなあ、と思いました。

 

当該企業が行っているコンサルティングの中で聞いたというこれらの1つ1つの言葉は、それぞれの個人の経験や実感に基づくものとして、それなりの価値はあると思うのです。

ただ、それはやはり個々の経験に根差すものであって、経験という文脈から切り離して最も刺激的な部分だけ取り出してみても、それが読み手に正しく伝わるとは思えません。

 

書籍なら、読む人が自ら手に取るわけですから、切り取られた言葉を読んで、自分なりに引き取っていろいろと考えたりすることもあるでしょう。

でも、車内広告は自ら選び取るのではなく、別に見る気もないのに見せられることになるわけです。

しかも、1両1か所ならともかく、車両のどこを見てもこの手の広告で埋め尽くされているとなると、文脈から切り離された言葉だけを押し付けられ、それを消化することを強いられるわけですから、こんなものを車内で見せるなと思う人がいても不思議ではありません。

残念ながら、書籍と車内広告というステージの違いについて、あまり考慮がされていなかったのではないかという感じがします。

 

※2019/6/12追記

通常、こういった広告は出稿者が制作し、受け入れる側(今回は阪急)は、よほど法令や倫理に触れるようなものでなければ通すでしょうから、「阪急の失敗」と言えるのかは難しいところがあります。

ただ、今回は以下の毎日新聞の記事で、広告の制作自体に阪急側が関与していることが窺えるため、「阪急電車の失敗」というタイトルとしています。

mainichi.jp

阪急電鉄「働き方啓蒙」中づり広告「月50万円」に「不愉快だ」など批判、掲示とりやめ

 問題視された広告は、阪急電鉄神戸線など3線で各1編成の車両を「はたらく言葉たち」という書籍から抜粋したメッセージ広告で埋めた「ハタコトレイン」。阪急電鉄と、同著を発行したコンサルティング会社・パラドックスの共同広告事業だ。

(中略)

 広告に関し、阪急電鉄は「通勤や通学利用が多く、働く人々を応援したいという意図で企画した。社内で掲載文を選ぶ過程で、不愉快な思いをさせてしまうかもしれないという指摘や懸念はまったくなかった」と説明。30日までの掲載予定だったが、前倒しで広告の中止を決定し、「配慮が足りず、結果として不適切な表現があり、申し訳なく思っている」と話している。(注:強調は引用者による)

 ※2019/6/17 冒頭の画像を変更しました。

「山手線にスシローつくろーぜ!」ラッピング列車

何度か見ていたラッピングですが、寿司の絵の背景がレーンになっているのに気づきました。

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天竜浜名湖鉄道 奥浜名湖の風景と活性化の取り組み

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天竜浜名湖鉄道の車両たち。天竜二俣駅にて

平成最後のゴールデンウィーク。前日に大井川鐡道を堪能し、朝一番で掛川城を見た後、この日は天竜浜名湖鉄道、そして遠州鉄道に乗りに行きました。

掛川城掛川城公園)を見た話についてはこちらをご覧ください。

a-train.hateblo.jp

掛川駅にて

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天竜浜名湖鉄道掛川駅は、JRの掛川駅の隣にあるこじんまりとした駅舎。正式名称は「天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線」ですが、いかんせん長いので「天浜線」となっています。この記事でも以後、面倒な時には「天浜線」と書くことにします。

尖った三角屋根が特徴的ですが、三角屋根という意味ではJRの駅とも共通点があるのでした。

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天竜浜名湖鉄道掛川駅と並んで建つJR掛川駅の在来線駅舎

窓口で1日フリーきっぷを買うと、「天浜線サポーターズクラブ会員オススメ! 天浜線どうまいグルメガイド」という冊子を一緒にいただきました。

もう1冊、ポタリングマップと選択でき、その時々で興味があるものをいただくのがいいかと思います。

www.tenhama.co.jp

上の記事では「御朱印めぐり」のガイドブックもあるようなのですが、当日は気づきませんでした。

私がいかにも興味がなさそうにみられたせいかもしれません(実際御朱印には興味がないのですが)。もしくは、平成最後の時期ということで、御朱印を求める人が増えることを予想して配布を控えていたとかでしょうか。まあ、よくわかりませんがあまり気にすることでもありません。

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掛川駅の改札口。その先、時刻表の下に「今度の列車は」という案内があります。矢印部分のカバーを左右にスライドさせることで、どちらから発車するかを表示できるもののようです。

この表示を見て左側の1番線で待ちます。

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向かいはJR東海掛川駅のホーム。点字ブロックもあり、かつては向こう側からも乗降できたのかもしれませんが、今ではすっかり柵で遮られてしまっています。第3セクター鉄道によくある、JRと縁が切れた感がちょっと切ないです。

そして、列車がやってきたのは残念ながら2番線でした。上の写真は、列車が入線してきたらそれを撮るつもりで待機していて、あてが外れてあわてて撮ったというのは秘密です。

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狙ったわけではないですが、今の天浜線では観光向け列車に属する「スローライフトレイン」がたまたまやってきました。

www.tenhama.co.jp

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レトロというよりは、こういうのなんていうんでしょうね。ポップというかファンシーというかエレガントというか。そういったあたりの表現が同居したような車内空間です。

掛川新所原天竜二俣 1.5往復乗り通す

列車は定刻通り掛川駅を出発。各ボックスに1~2人ずつといった乗客数です。

掛川市の市街地を出ると、田園風景の中を進んでいきます。

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車内の運賃表。出発してしばらくは「掛川」のままだったのですが、数駅進んで運転士さんが修正していました。

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可愛らしい駅名表示が立てられています。

途中の主要駅・天竜二俣駅では、多くの人が乗り込んできて一気に満席となります。

当初の予定ではここで下車して、名物の転車台や扇型車庫などを見学しつつ、昼食にできればと思っていました。

しかし、フリーきっぷと一緒にいただいたグルメガイドを見ているうち、行きたい店が出てきたのでこのまま乗り通します。到着するのはおそらく13時前。これより前だと混んでいる可能性が高いし、これよりあまり遅くなると店が閉まってしまう心配をしないといけない、というような時間です。

天竜二俣を出ると、西鹿島での遠州鉄道との乗り継ぎ、フルーツパークではままつフルーツパーク時之栖へ向かう人、地元の学生さんなどいろいろな乗り降りがあり、気賀駅を過ぎると奥浜名湖の湖岸へ出ます。

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その奥浜名湖エリアの主要駅と言えそうな三ヶ日駅。道中何度目かの列車交換です。

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自撮りのカメラに向かってしゃべっている方。リアルタイムなのか録画なのか、クローズドなのかオープンな配信なのかわかりませんが。遠州鉄道からの乗り継ぎで西鹿島駅から女性と一緒に乗ってきて、車内でカメラに向かって「ただいま、天竜浜名湖鉄道に乗車しています」などと話していました。

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列車はさらに湖岸を進みます。

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尾奈駅にある、籠に捕らえられたうなぎのオブジェ……と思ったら、これはトイレなんだそうです。

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波田駅北側にある橋梁。列車が通った時に撮れればよかったのですが。

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歯科医院が併設された知波田駅。ここにお目当てのうなぎ屋があったので一度下車し、後続の列車に乗り継ぎました。

そのうなぎ屋「五條」の記事は下記をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

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そして終点の新所原駅に到着。

ここの駅のうなぎ弁当もよく知られているようです。

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ホームから見える店の案内。

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改札を出た駅舎内の受付。弁当だけではなく、白焼きなども売っていました。

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天浜線の隣にあるJRの新所原駅の駅舎。格子を利用してリッチな感じに見せています。

さて、ここではそれほど時間を取る予定ではなく、来た列車でそのまま折り返して天竜二俣駅へ向かいました。

天竜二俣駅付近を歩く

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一番左、1番線の車両が新所原から乗車してきた掛川行き。

右側の島式ホームは、2番線が掛川発の天竜二俣行き、3番線が天竜二俣始発の新所原行きになります。

3番線の車両は、国鉄湘南色を再現した「Re+」というラッピング列車。もっとも、もはや東海道本線にもそんな列車は走っていませんが……。

www.tenhama.co.jp

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ホーム側から見た駅舎。天浜線にはこのように古い駅舎や施設をそのまま利用している駅が多く、有形登録文化財として登録されている施設が数多くあるそうです。

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駅から新所原方に留置されている、朽ちかけているように見える車両。気動車と客車でしょうか?

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長年使いこまれた感じが伝わる待合スペース。この駅の所在地は浜松市天竜区ですが、合併以前は天竜市であり、林業が主要産業でした。今でも、駅周辺には木材を扱う店も見られます。

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以下、駅付近をぐるっと時計回りに歩いてみました。主目的は、駅から遠くに見える転車台や扇型車庫を近くで見れないか、ということでした。

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天竜二俣駅の入口と、併設されているレストラン「ホームラン軒」。ランチ営業のみで、この時間はもう閉まっていました。やはり駅名看板にとても味があります。

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天竜浜名湖鉄道の本社。この看板は当然3セク化の時かそれ以降にできたものだと思いますが、それでも昔から使い込まれたかのような味わいを出しています。

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駅前にあるうなぎ屋。当初の予定通りここで途中下車していたら、ホームラン軒とどちらかで立ち寄ろうと考えていた店でした。

tabelog.com

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うなぎ屋の隣ぐらいにある公園と、そこに保存されているC58蒸気機関車

駅のホームのような上屋がついて保護されているものの、かなり荒れた見た目となっています。たまたま塗り直す直前だった、とかだといいのですが。

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線路沿いの駐車場から車庫方面。何両か留置されているのが見えます。

もう少し近寄れないかと進んでみましたが、私有地だったり鉄道用地だったりでなかなか線路沿いに近づくことができません。

東側にある道路橋を渡ってみることにしました。

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橋の上から、かすかに転車台と、扇型車庫の背面が見えました。留置されている車両は、主に団体列車用であるTH9200形のようです。

結果的にこれが唯一、目的の場所が見えたシーンでした。

橋を渡ったところにさらに高台に向かう道があり、よく見えるのではと思ったらそこは企業の敷地(上の地図でいうとROKIグローバル本社)。

駅の裏側に回っても、線路沿いはずっと住宅が建て込んでいて、結局近寄ることはできませんでした。

間近で転車台や扇型車庫が見たいときは、天浜線が見学ツアーをやっているので、それを申し込むべきですね。

www.tenhama.co.jp

駅の裏側を歩き、踏切を渡ってまた表側に出ます。

そこで気になる建物を見つけました。

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「TEPIA」という、ショッピングセンターのように見える建物。しかし、看板はもはや消えかけ、その下側も黒く汚れています。

もはや営業していないのかな?と思いつつ、近づいて確かめてみることにしました。

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道路側に向いた看板はまだ鮮やかに見えます。

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正面入り口へ。どうみてもやはり廃墟なのでした。

この記事を書く時に調べて見ると、できた最初は賑わっていたらしいのです。ただ、大型店が付近にいくつもでき、客が分散した結果衰退し、2012年に閉鎖となったようです。

跡地の一部は福祉施設になる予定だとか……。

さて、駅ホームから見たボロボロの車両ですが。

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まさに塗り直しをしているところでした。そのまま朽ち果てるとか廃車するとかではなかったようです。

塗り直した後、どういった用途で使うのかわかりませんが、将来この車両に関するニュースが出た時に、「あ、あの時塗り直してた車両!」と気づくのが楽しみです。

駅に戻るとちょうど雨が降ってきたので、改札口横にある小さな売店で転車台マドレーヌを買っておやつにしたりして、まったりと待機。

やがて、この駅が始発の16:34発新所原行き列車が入線してきました。

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この時間になるとほとんど乗客はいません。

やがて、掛川からの列車が到着して乗り継ぐ人が増えましたが、それでもまだまだガラガラです。

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西鹿島駅遠州鉄道に乗り換え。

駅舎としては一体化しており、両者の時刻表・発車案内が仲良く並んでいました。

この後乗った遠州鉄道については下記の記事をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

路線の活性化のために

さて、天竜浜名湖鉄道ですが、乗っていて、駅舎に併設した店舗が多い、ということに気づきました。

文中で紹介した天竜二俣駅のホームラン軒、知波田駅の歯医者、新所原駅のうなぎ弁当屋の他、都田駅にもカフェがありましたし、記事を書く際に調べて見ると、遠江一宮駅には蕎麦屋豊岡駅には商工会事務所、金指駅にはピザ店、気賀駅には中華食堂、西気賀駅にはフレンチレストラン、浜名湖佐久米駅には軽食喫茶、都築駅にはパン屋、三ヶ日駅にはカフェ、と多くの駅で店舗などが併設されているようです。

こうして、駅が地域の人の動線に組み入れられれば、そこからすぐに列車に乗れるわけですから、どこかに行く時に列車を利用しよう、という人も増えるかもしれません。

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天竜浜名湖鉄道の運行ルート。Googleマイマップにて作成

天竜浜名湖鉄道は、天竜下流域から遠州灘にかけての平野部の北縁をなぞるように進んでいきます。軍からの要請もあって東海道本線のバイパス線として建設されることになり、実際に戦時中にはバイパスとして機能したこともあったそうです。

もともと国鉄時代は「二俣線」だったという路線名が示す通り、今の天竜二俣駅(上の図でいうと中央部のもっとも北側になる付近)を経由する目的だったこと、西側は浜名湖の北岸を経由するしかないこと、などもあってこういうルートになっているのですが、それにしてもかなりマゾい路線だと思います。平地の端過ぎて利用客は見込めないし、とはいえ平野部を走るので、浜名湖岸を除いて特に風光明媚と言える景色もありません。

その浜名湖にしても、天浜線沿線は奥浜名湖と呼ばれ、浜名湖観光のメインとなる浜松駅を拠点としたルートに対して裏側的な位置づけです。

そんな中で、駅に人を呼べるものがないなら店を設けよう、というのは一つの手段だと思います。

あまり資源に恵まれないローカル鉄道が、いかに活性化に取り組んでいるかという事例を、この鉄道で見たように思いました。