君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

JR大船渡線BRTルート図(2024年3月現在)

陸前矢作~竹駒間、延伸されたBRT専用道を進むバス(2024年4月)

JR気仙沼線、JR大船渡線の鉄道線・BRT・旧鉄道線のルートや駅の位置を、「Googleマイマップ」を利用して1つのマップにまとめたものを作成しています。

本記事はJR大船渡線BRTのまとめになります。気仙沼線BRT(2024年3月時点)は下記の記事をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

前回作成したのは2022年3月でしたが、2024年3月16日のJRグループダイヤ改正の内容などを踏まえ、以下の点を更新しています。

  • 陸前矢作~竹駒間の専用道延伸(気仙川橋梁とその前後)を反映
  • 栃ヶ沢公園~陸前高田間の経路変更を反映
  • その他、周辺道路の改良等に伴う迂回路の更新

また、区間ごとの詳細図では、現時点で私が確認できている限り(2019年以降に経由していることを確認)の迂回路を記載しました。

はじめに

ルート図は以下の前提でご覧ください。

  • 2024年3月16日現在のルートです。迂回運行によってルートが変わることがあるため、ご覧になった時点とは異なっている可能性があります。
  • ルートは訪問時の記憶や記録、googleマップの地図や航空写真、JRや自治体が発表している情報、一般に公開されている乗車記・訪問記などをもとに作成しています。ただし推定を含み、実際と一致しない可能性があります。

凡例は下の画像をご覧ください。

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全体概要図

大船渡線BRT 全体概要図(2024年3月14日時点)

まずは路線の全体概要図になります。

BRT区間の全体的な特徴としては、

  • 気仙沼陸前高田間、鉄道が山間部を通っていたのに対し、海岸を走る一般道を経由する形に変更したため、ルートが大きく乖離している。
  • 上鹿折駅はBRTのメインルートから外れたため、並行するミヤコーバス鹿折金山線を大船渡線BRTとして活用している。
  • 沿線の気仙沼市陸前高田市・大船渡市の要望や復興事業の進展にあわせて新駅が数多く設置されている。
  • 陸前高田市では、陸前矢作陸前高田間が支線的な位置づけになっている他、陸前今泉経由、高田病院経由といった異経路があり、中心部を網羅するような路線となっている。
  • 陸前高田市中心部を抜けると、終点の盛まで全区間でBRT専用道が整備されている。

といったことがあります。

気仙沼駅前~鹿折唐桑駅前~上鹿折駅前(ミヤコーバス)

ミヤコーバス鹿折金山線 気仙沼駅前~上鹿折駅前

まず、一部区間大船渡線BRTとして運行しているミヤコーバス鹿折金山線から紹介します。この路線は気仙沼駅の西側(気仙沼市立病院、不動の沢など)から上鹿折駅の北側(鹿折金山)へ延びていますが、大船渡線BRTとして運行するのは上図の区間になります。

大船渡線BRTのメインルートが上鹿折駅を通らなくなったため、並行バス路線を利用してフォローするものです。

大船渡線BRTとして運行する」というのは主に以下の点にあります。

いろいろ制約はあるものの、大船渡線BRTとして運行している以上、考えようによってはこれだけ一挙にBRTの駅が増えたとも言えます。

気仙沼駅前~鹿折唐桑駅前~鹿折住宅団地前

ミヤコーバス鹿折金山線 気仙沼駅前~鹿折住宅団地

ミヤコーバス路線は2つに分けて紹介します。

まずは市の中心部を通る気仙沼駅前~鹿折唐桑駅前~鹿折住宅団地間。

市役所前は文字通り市役所に面する他、高速バスや市内循環バスなど、多くのバス路線の結節点となっており、乗り継ぎにも便利な場所です。また、内湾入口(八日町)駅にも近接していますが、盛方面と上鹿折方面を乗り継ぐのであれば鹿折唐桑駅で乗り換えればよく、ここで乗り換えをする必要はありません。

隣の魚町一丁目は、内湾地区に隣接しており観光面で重宝します。また、気仙沼を経由する高速バス(仙台-宮古線、仙台-釜石線)の停留所「気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ」の最寄りとなります。

その他、浮見堂や恵比寿像を見に行くなら坂口、コの字岸壁なら浜町、というように目的地に応じてバス停を使い分けることができます。

鹿折唐桑駅前~上鹿折駅前

ミヤコーバス鹿折金山線 鹿折唐桑駅前~上鹿折駅前

鹿折唐桑駅前を出て、盛方面と別れを告げると、大橋から一旦鹿折住宅団地前まで進み、折り返して大橋から上鹿折駅方面へ向かいます。

大橋から北はフリー乗降区間となっています。

気仙沼~八幡大橋(東陵高校

大船渡線BRT 気仙沼~八幡大橋(東陵高校

ここからはJRが運行している気仙沼~盛間になります。

気仙沼鹿折唐桑間は専用道、そこから先は一般道となります。

2022年3月に、市役所の裏手に内湾入口(八日町)駅が開業しました。

先に紹介した上鹿折方面のバス路線が通る「市役所前」バス停と近いのですが、あくまで別経路という扱いになっているようです。

www.jreast-timetable.jp

上記のページを見ると、上鹿折駅方面の時刻表が掲載されていません。

www.jreast-timetable.jp

鹿折唐桑駅の場合、上鹿折駅方面の時刻表も掲載されており、この駅を経由する路線という扱いだとみなすことができます。

八幡大橋(東陵高校)は2017年4月に開業した駅です。

鹿折唐桑~唐桑大沢

大船渡線BRT 鹿折唐桑~唐桑大沢

八幡大橋(東陵高校)からはいったん南に下り、気仙沼鹿折ICから唐桑小原木ICまでは三陸沿岸道路を経由します。

三陸道を経由する区間は、国道45号の一般道を経由することも可能です(細い赤線の経路)。三陸道が工事や事故で通行止めの場合はこの経路で運行されているようです。

唐桑大沢~陸前高田

大船渡線BRT 唐桑大沢~陸前高田

国道45号の一般道を北上する区間です。

途中、陸前今泉を経由する便は国道から外れ、気仙川西側の高台を進みます。

迂回路として記載した細い赤線は、BRTの旧ルートや、三陸花火大会・三陸花火競技大会による交通規制として使われる経路を記載しています。

迂回路にある工事中マークは、近隣の駅の代替停留所を示します。

花火大会による交通規制の範囲は変化してきており、以前は陸前高田駅付近も規制範囲に含まれていたことがありましたが、2022年以降の大会では陸前高田駅の位置はそのままとなっています。花火大会当日は、陸前高田駅の駅舎の前でも駅弁などの販売が行われていたりします。

陸前矢作陸前高田

大船渡線BRT 陸前矢作陸前高田

鉄道線と異なり、上鹿折陸前矢作間が途切れたことで支線的な扱いとなった区間

2024年3月のダイヤ改正にあわせて、気仙川を渡る部分が専用道になるなど、経路が大きく変化しました。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

陸前高田~小友

大船渡線BRT 陸前高田~小友

陸前高田駅から東側、米崎町にかけての区間

高田高校前・高田病院に停車するのは、気仙沼~盛間の一部の便(普通)と、陸前矢作~盛間の全便です。

脇ノ沢駅は、鉄道駅から大きく離れた場所に設けられました。もとの鉄道区間は海岸沿いであり、移転促進区域とされていることが理由ではないかと思います。

高田病院~脇ノ沢間は、両地点を直結する高田米崎間道路が2021年7月に完成し、2022年3月のダイヤ改正でルート変更が行われました。いったん南下する旧ルートは迂回路として記載しています。

西下駅は、2019年3月のJRダイヤ改正に合わせて開業した新駅になります。

脇ノ沢~下船渡

大船渡線BRT 脇ノ沢~下船渡

小友駅の西側から専用道に入り、終点の盛までが専用道区間となります。

碁石海岸口は2013年9月、大船渡丸森は2020年3月に開業しました。

以前は大船渡市内で迂回運行する場合、小友駅東側から迂回する必要がありました。そして、碁石海岸口駅付近でカーブと勾配が連続する峠越えがあるため、5分前後の遅れが発生していました。

確認した限りでは2023年2月頃に、細浦駅の北側で一般道と接続する出入口が設けられ、迂回区間を細浦駅から北側に短縮できるようになりました。これにより峠越えの区間を回避できるようになっています。

細浦駅付近の迂回経路

下船渡~盛

大船渡線BRT 下船渡~盛

大船渡市街地を南北に貫く区間

2015年12月に大船渡魚市場前駅が新設され、2020年3月14日には大船渡~盛間に地ノ森・田茂山の2駅が開業しました。

BRT沿線の他の自治体では、病院経由に経路を変更したり、一部の便が迂回しているのですが、ここでは大船渡病院への迂回は行われていません。

JR東日本がBRTでの本復旧にあたって地元に示したメリットの中に、「終着駅からさらに学校近くまで運行区間を延長可能」というものがあります。これは、おそらく盛駅から北側、大船渡高校などへの延長を示唆しているのではないかと思われるのですが、これは実現されていません。

これまで、地元の方からどのぐらいニーズがあったのかはわかりませんが、運行業務を担う岩手県交通がバスドライバーの確保に苦労し、各地で減便を行っている状況では、BRTの運行規模をこれ以上拡大するのもハードルが高いのではないかと思います。