君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

気仙沼線BRT・大船渡線BRTを追った半年間 (1)1/9以上を三陸で過ごした日々

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松岩駅付近の気仙沼線BRT専用道を行くバス。2020年1月1日撮影

新型コロナウイルスに対する緊急事態措置のため、旅行に出ることはできなくなりました。

今の蔓延状況を考えると、首都圏に住む私が、他地方に旅行に出ることができる機会はおそらくすぐには訪れないと思います。

一番楽観的に見ても今年の夏。それより先になる可能性も高いと思います。

そしてそれ以前の話として、この状況の中で、なんとか生き延びていかなくてはいけません。

 

さて、このブログをご覧の方、twitterでフォローしていただいている方はご存知かと思いますが、この半年ほど、頻繁に三陸方面を訪ねていました。

その主な目的は、東日本大震災で被災した太平洋沿岸各線の中で、BRT(Bus Rapid Transitバス高速輸送システム)として復旧した気仙沼線BRT・大船渡線BRTの姿を記録しつつ、沿線を訪ねて海の幸を堪能したり、復興の状況を見たりすることでした。

それもしばらくは中断になりますので、いったんこれまでの活動(?)を振り返りつつ、いくつかの観点から書いていきたいと思っています。

今回は、気仙沼線BRT・大船渡線BRTとの最初の出会いと、昨年10月以降に何をしていたかについてまとめてみます。

最初の出会い

2019年5月2日

元号が令和に変わったゴールデンウィーク。その最初の旅行は、東日本大震災と改めて向き合う機会にしたい、と思いました。

以前に常磐線から仙石線石巻線で女川まで、ざっと訪ねたことはあったので、この時はさらに北を目指し、気仙沼線大船渡線三陸鉄道八戸線と一気に乗り通す行程でした。

一ノ関から大船渡線に乗り、気仙沼駅に到着したのは夕方。

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鉄道とBRTが対面で乗り継げる島式の2~4番線ホーム。駅舎のある1番線とも横断帯で平面移動できるようになっています。

これはいい、と思いました。鉄道駅ならわざわざ跨線橋を渡る必要があるところです。バスだからと言っておろそかにせず、使いやすさをちゃんと考えて作られている。そこに感心したのでした。

この日は駅付近にある安波山を少しだけ訪ねた後、内湾地区で夕食をとってホテルへ。

2019年5月3日

翌日は、いくつか震災遺構などを見つつ、気仙沼線大船渡線をほぼ全線乗り通すなかなかハードな行程でした。

まだ県道上にあった南気仙沼駅から、まずはBRTと鉄道で前谷地駅へ。鉄道で柳津へ折り返し、BRTに乗り継いで陸前階上駅で下車し、「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」(被災した高校の校舎を展示した震災伝承施設)へ。

さらに気仙沼駅から大船渡線BRTに乗り継ぎ、途中、奇跡の一本松を見て大船渡駅で下車、というものでした。

この日、ほぼ全線を乗り通したBRTの体験が深く印象に残り、その後につながっていったのでした。

2019年5月4日

この日は三陸鉄道に乗車するため、大船渡から盛へBRTで移動。BRTになって枝分かれした区間は乗れていませんが、これで気仙沼~盛間を乗り通したことになりました。

2019年5月19日

「JR気仙沼線BRTルート図」「JR大船渡線BRTルート図」を公開。

a-train.hateblo.jp

a-train.hateblo.jp

旅行記をブログで書くにあたってやっておきたかったのは、「BRTがどこをどう走っているのかを明確にしておく」ということでした。

鉄道は地図に明確に描かれているのに、それを道路に置き換えてバスに変えたら、途端に地図にはまったく載らなくなってしまう。なんだか理不尽な話だと思います。Googleマップは、駅の位置が載っているだけまだ良心的ですが、その位置もなんだか適当でした(一般道から専用道への移行などの更新が追い付いていないため)。

当時は気仙沼線BRTも一般道の区間が多く、鉄道のルートとの差異がどこにあるのか、どの部分が専用道でどの部分が一般道なのか。そういったこともまとめておくと、資料的にも意味があるだろうし、ブログを見ていただく際にもわかりやすくなるのではないかと思いました。

このルート図は、大きな変更があるたびに適宜更新を行っています。

1/9以上を三陸で過ごした日々

2019年10月19日~22日(4日間)

およそ半年ぶりの再訪。少し前から機は窺っていたのですが、3連休の時期に東北地方の天気がよくなかったりしてこの日程になりました。

「BRTを鉄道写真っぽく道路脇から撮ってみる」というのが主題で(この辺の思いはまた改めてまとめたいと思います)、他に、9月にオープンした高田松原津波復興祈念公園を訪ねたり、前回は行けなかった大船渡線BRTの上鹿折駅や陸前矢作方面にも足を延ばしたりしました。

撮れた写真としては、今から見れば大した成果はないのですが(いわゆる「取れ高が少ない」ということ)、基本的に居心地がいい場所だったということや、震災復興が進む地域として、他の旅行先では得難い経験をしたことなどもあり、今後も訪れたいと思うようになりました。

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BRTと震災遺構。左は南三陸町防災対策庁舎。右は陸前高田市の気仙中学校校舎。
2019年11月2日~4日(3日間)

前回の経験をもとにさらに沿線を調べ、南三陸町の「鎮魂の森」や「海の見える命の森」、陸前高田市内の高台移転地区からの俯瞰、大船渡市内巡りなど、いろいろな見どころが見つかった3日間でした。

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南三陸町の「鎮魂の森」と「海の見える命の森」。いずれも震災後に造られた場所。
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左は陸前高田市の高台移転地区からの俯瞰。右は大船渡湾口付近(細浦~大船渡丸森間)
2019年12月28日~2020年1月1日(5日間)

この辺になると、撮影のために動き回るというより、都会を離れて沿線でのんびりしたいという感じが出てきます。歌津駅前の「ハマーレ歌津」や志津川駅前の「南三陸さんさん商店街」でまったり過ごしたり、南三陸町で仮オープンした震災復興祈念公園を訪ねたり、また元旦には松岩駅前の八幡神社に撮影のついでに初詣に行ったり。

ただ、日の短いこの時期ならではの活動として、日の出を撮るのは結構頑張ってみました。初日の出はどこが晴れるかよくわからない天気でしたが、志津川湾で撮ることができました。

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「南三陸さんさん商店街」のモアイ像と、歌津駅前「鎮魂の森」の日の出
2020年1月11日~13日(3日間)

事前に天気予報を見ていると3日間ともよくない天気だったのですが、前日の10日になって、晴れの日もある予報に変わったので急遽準備をして訪問。

11日は、釜石線から三陸鉄道経由で大船渡へ。2020年の目標として、気仙沼線大船渡線の範囲にこだわり過ぎず、より広い範囲を見ていきたいということがありました。

12日は、この時の最大の目的だった大船渡湾の日の出の撮影へ。感動的な朝焼けでした。

あとは陸前高田市内の震災伝承施設「いわてTSUNAMIメモリアル」を見学したり、気仙沼市内を巡るついでに工事中の新線区間(松岩~不動の沢)を見てきたり。

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大船渡湾口の朝焼けと、工事中の南気仙沼駅。
2020年2月22日~24日(3日間)

何か大きな目的があったというよりは、半ば習慣化したかのような訪問。

日の出とBRTを撮れる最後の時期ということがありましたが、あとは、3月14日のダイヤ改正に向けた工事状況を見に行ったりしていました。

ただ、全体的に荒れた天気で、23日は屋外活動をあきらめて気仙沼市の「リアス・アーク美術館」で震災の記録の展示を見たりしていました。

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松岩駅付近の日の出と、リアス・アーク美術館の展示写真。
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工事中の南気仙沼駅と田茂山駅。
2020年3月20日~23日(4日間)

当初は22日までの予定で、三陸鉄道の全線運転再開と、22日の三陸鉄道釜石線の「復興の火」イベントが主目的だったのですが、20日は暴風のため三陸鉄道までたどりつけず、そこで出鼻を挫かれたこともあって22日は気分が乗らずにいずれも断念。23日の予定が変わったこともあり、4日間ともBRT沿線で過ごすことになりました。

20日気仙沼線の新線区間(赤岩港駅・南気仙沼駅)へ。21日、22日は花が咲いた沿線風景とともに撮りたいと思い、大船渡線内各地を移動。23日は、14日から始まった大船渡線BRT・気仙沼線BRTの直通運転と、大船渡駅前で行われた「復興の火」イベントを見てきました。

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南気仙沼駅付近の新しい専用道と、大船渡魚市場駅付近。
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鹿折唐桑駅付近の回送バスと、大船渡駅前の「復興の火」の様子。

以上が訪問記録になりますが、昨年10月以降、半年で計22日。月単位で見てこの間の日数が183日(10/1~3/31)ですから、1/9以上の日は三陸で過ごしたことになります。やり過ぎですね。

なぜそこまで執着することになったのかについては、また別の記事で書きたいと思います。

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