君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

E4系と吾妻線と大前駅

先日、日帰りで草津温泉へ行ってきたのですが、今回はその手前の記録になります。

先行き短いE4系

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時期は明確になっていないものの、上越新幹線E7系を投入することで徐々に撤退することが明らかになっているE4系(Max)。

東京から高崎まではこれで移動です。

高崎ぐらい在来線で行けば? という指摘はあるでしょうし、とてもごもっともなのですが、単純に言って、寝坊しました。

目が覚めたら5分後に家を出ないと間に合わない、とかちょっと無理ゲー。

 

ただ、そのおかげで、あまり経験がなかったE4系に乗ることができたので、それはそれでよしなのです。

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他の新幹線車両と異なり、まるでそびえ立つ壁のように見えます。

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確保したのは2階の指定席。遠くに赤城山がとても綺麗に見えたのですが、この写真に映る手前の防音壁の高さを考えると、普通の車両では見えないんですかね。機会があれば比較して確認してみたいです。

上越新幹線(新潟行き)に初めて乗ったのは冬の朝1番の列車だったのですが、その時は、大宮を過ぎてから日が昇ってくるのがはっきりと見えて、とても美しかったのでした。

この大宮~高崎間は、一面の平野に低層の住宅や工場が広がる中を高架線で突っ切っていく北関東らしい風景で、見どころが乏しいともいえるのですが、その眺望の良さは時に思いがけない絶景を提供してくれることがあります。

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高崎駅。隣にいた回送列車(写真の右の編成)もE4系でした。

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新幹線ホームから降りると、こんなだるまが無造作に置いてありました。

朝は食べてしまったので、おぎのやの峠の釜めしを買いたい衝動を我慢しつつ、在来線ホームへ。

吾妻線で大前へ

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この案内板を見るにつけ、ホームごとの運用があまり固定されていない、地方都市らしい感じが伺えます。

ところで、今回の旅行の目的の1つは吾妻線乗りつぶしです。

なので、何はともあれ終着駅の大前まで行かないといけません。

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途中の長野原草津口や1駅手前の万座・鹿沢口で折り返す列車が多く、大前まで行く列車が限られているのが吾妻線の特徴です。

その限られたうちの1本に乗ります。

以前は、日中に大前駅に行くとしたら12:30ごろ着、折り返し列車は14:00ごろ発で、1時間30分もどうやって時間を潰したらいいのか悩ましかったのですが、今は10:38着・11:00発と、かなり手ごろなダイヤになっています。

高崎では立ち客が出るほどの乗車率でしたが、新前橋・渋川と進むにつれて減っていき、そして吾妻線内でも、沿線の行楽地に向かう人が少しずつ降りていきます。

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川原湯温泉駅で、対向列車との交換があります。

ローカル線の駅としては、南側(写真右側)にそびえ立つコンクリートの壁がかなり特徴的です。

この駅は以前は吾妻川の川沿いにあったそうですが、そこは今は、八ッ場ダムに沈めるための工事中。

1つ手前の岩島駅から、次の長野原草津口駅までの区間は、川沿いの線路から、南側の山の中を長大トンネルで突っ切る線路に付け替えられました。

以前、「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズとともに、八ッ場ダムの建設を進めるべきかどうか、政権レベルで問題視されたこともありましたが、良くも悪くも、まさにその「コンクリート」を象徴しているようにも思いました。

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駅から北側の風景。

もう少ししたら、たぶんもっと美しい紅葉の風景になるのでしょう(ちょうど今日あたりかな?)。

 

そして、長野原草津口を華麗にスルーし、万座・鹿沢口を通り過ぎて大前駅へ。

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この駅で降りた人は10人ほど。大半は私と同じ目的のようです。

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駅の先に少し延びる線路。

以前、今は長野原草津口止まりとなっている特急が万座・鹿沢口まで運転されていた頃には、その万座・鹿沢口駅棒線駅ということもあり、ここまで引き上げていたこともあったようです。

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駅ノートがありました。

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そんなに記念になるような駅とは思っていなかったのでちょっとびっくりです。

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駅ノートのレベルを超越した力作。

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当然ながら無人駅で、発券機能もありません。

折り返しの時は長野原草津口で、大前からの乗車だと告げて運賃を払いました。

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駅前の風景。手前の工事はなにかというと…

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川の中央に立つ真新しい橋脚らしいものを見るに、新しい橋を架けようとしているようですね。

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吾妻川にかかる現在の橋。橋脚は4本あります。

治水の基本の1つが、橋の橋脚を減らすということ。

今年の豪雨災害の中でも、上流から流されてきたものが橋にひっかかり、そのために水流の圧力で橋が流されたり、流れがせき止められて氾濫につながった、ということがありました。

A列車で行こう9」のバージョン5で、鉄道模型のようなミニ鉄橋が実装されましたが、これを使うと橋脚がたくさん立ち並ぶことになり、治水という観点で見ればかなりの悪手ということができます。まあ、シムシティのような災害イベントはないので、別に水害が起こるわけではないのですが。

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注意を喚起する幟がありましたが、その上を見ても何もない、雲一つない青空でした。

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が、その傍らにはこんなケーブルが。

かつて上空に架かっていたものを巻き取ったのか、必要に応じて使用するものなのかはわかりませんが……。

そうしていろいろと見ていると発車時間が来たので、折り返しの列車で長野原草津口へ向かいます。

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この駅も、大前方面に線路が延びているのは1線だけで、もう1線は行き止まりなのですね。

直後には、上野からの特急「草津31号」がやってきて、この折り返し線に入っていました。

この続きは別記事で!

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JR西日本の新快速に有料座席「Aシート」設定

www.westjr.co.jp

以前から噂されていた話が、ついに現実になりました。

関西における有料座席サービスは、おそらく各社がそれぞれ出方をうかがっていて、南海の「泉北ライナー」や京阪の「プレミアムカー」「ライナー」がそれぞれ導入後に増発するなど、おそらく好調に見えることから、JRも踏み切ったという感じに見えます。

仕様に関しては上記ページや各種報道を見ていただくとして、ここでは、どの列車が対象になるのかを予想してみたいと思います。

発表では「上下4本」、つまり片道2本であり、有料座席車は223系1000番代4両編成2本の各1両を改造する形となっています。

ダイヤ等は決まり次第発表するとされていますが、本数を提示しているということは、もう内々ではほとんどダイヤは決まっているのでしょう。

ネットメディアの報道(といっても、要はプレスリリースを書き写したような程度の記事)には記載されていませんが、新聞社等の記事では、おそらくは同日の社長会見で得たと思われる情報から「朝夕のラッシュ時を想定」と記載されているものがあります。

JR西、新快速に有料座席導入へ 19年春から東海道線で : 京都新聞

運転区間は、東海道線琵琶湖線(長浜-京都)、京都線(京都-大阪)、神戸線(大阪-姫路)の一部。ダイヤは朝夕のラッシュ時を想定し、1日上下4本から始める。通勤・通学客のほか高齢者や訪日観光客などのニーズを見込む。

 

以上の情報から、来年春のダイヤ改正において、以下の改正があるのではないか、と予想してみます。

朝ラッシュ時
夕方ラッシュ時
  • 下りは、大阪駅始発の8両編成の新快速のうち、網干行き(18:22発もしくは18:52発)にAシート編成を増結し12両化
  • 上りは、大阪駅始発の8両編成の新快速のうち、野洲行き(18:37発もしくは18:52発)にAシート編成を増結し12両化

おそらく、「Aシートの設定によって普通車が減った」という批判を避けるために、いきなりそういう設定はしないのではないかと思います。

なので、夕方は8両編成を12両に増やす形になるのではないかと予想します。

それを軸に考えると、朝の段階でAシート編成は大阪に来ていないといけない(回送する手もないわけではないですが)。現状、始発~朝ラッシュにかけて大阪止まりの列車はないので、新たに設定する形になるのではないかと思います。

「ラッシュ時ピーク前の列車を増発する」というのは、通勤ラッシュ対策としての首都圏的な考え方なのでちょっと怪しいですが、最近はJR西日本も増発・増車の傾向があることを考えると、あり得ないわけではないと考えています。

毎日休みなく運用するわけにもいかないはずなので、Aシート車が増備されるまでは、土曜・休日ダイヤの設定はないのではないかと思います。

 

※2019/6/23追記

上記の予想は大ハズレとなりました。

実際の乗車記は下記記事に書きましたのでご覧ください。

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ニコ鉄11周年動画から

たぶん、Island Railroadで登場している島の集落の歴史をきちんと作り込むと、きっとこんな感じになるんでしょう。

実は、まだIsland Railroadの動画に登場していない部分で、あ、なんか似たようなことをやりそう、みたいな感じもあったり。

そんなわけで結構親近感があったりします。

 

個人的な好みと言うしかないのですが、ここまでディテールを作り込むと、町の周囲が空白地というのが気になってしまうのです。その時点でディテール台無しだろ、って感じで。

自分の動画で開発途中の状態を出さないのは、そういうことを考えていたりするからです。

 

ここから始まる直通遊戯。

それ自体はまあ、いつもの……という感じではあるのですが、一つびっくりしたのは、最初の方で現実の新幹線のような車端部の案内パネルがあるんだなあ、と思っていたら、Sec.2、Sec.3…と追っていくと、実はそれは細長い液晶ディスプレイに表示された画像であることが判明する、ということでしょうか(…そして、会社ごとに異なるデザインで表示させている、と考えないと合理的に説明がつかない)。

ニコニコ鉄道11周年、だそうで。

年をカウントするイベントがあると、それをきっかけに流れる歳月を感じさせられたりしますね。

私も、数はわずかですがニコ鉄の動画を作ったことがあるのです。

完コピとはいかなかった部分も多々あるのですが、9年前のニコ鉄動画の雰囲気を、まとめて味わうにもよいのではないでしょうか。

ICカードと大都市近郊区間

diamond.jp

この記事を読んで気になったこと。

記事の中に、JRの大都市近郊区間の制度について説明した後、以下の記述があります。

ここまでは便利な制度だが、年々この範囲が広まってきた。その原因は、IC系交通カードの拡大にある。ICカードは「途中下車」という概念がなく、自動改札機からの「入場」と「出場」だけであり、入場の有効期間が「当日」のみであるためだ。

ところが、JR東日本Suicaの普及を背景に、利用エリアを徐々に拡大、2014(平成26年)年4月に中央本線の松本まで利用できるようになった。これにより、中央線の「松本」から常磐線の「いわき」、宇都宮線「黒磯」、上越線「水上」、房総地区の「安房鴨川」までが、東京近郊区間扱いになってしまった。

東京近郊区間でエリア内相互発着の場合は、前述したように「途中下車はできない」というルールが適用されるため、「松本~いわき」間は約451kmあるのにもかかわらず、普通乗車券の有効日数は当日限りで途中下車もできない。鉄道事業者からすれば、「Suicaの利便性を考えた」という言い分であろうが、おかしなことである。

これ、当然のように受け入れる人も多いかと思いますが、実は、この説明が通用するのは「JR東日本だけ」ということに注意する必要があります。

他のJR各社は、大都市近郊区間以外であっても普通にICカードが使えます。

JR西日本は、富山県から山口県までを一つのICOCAエリアに統合し、代わりに200kmの距離制限を基本とした駅別のエリア設定を導入しました。

JR東日本が大都市近郊区間の中にICカードエリアが含まれるようにし、整合性をとろうとしているとしたら、他の各社はどういう風に整合性をとっているんだろう、と思いました。

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交通系ICカードの全国相互利用開始記念ICOCA

例えば、JR西日本の姫路~岡山間は山陽本線経由と赤穂線経由の2つの経路があり、大都市近郊区間内でも、「特定区間の運賃計算(経路にかかわらず常に短い側の距離で計算する)」の適用区間でもないので、本来は乗車した経路に応じた運賃となるはずです。

でも、ICカードで姫路駅で入場して岡山駅で出場すれば、例え赤穂線周り(運賃計算キロ91.1キロ)で乗車しても、山陽本線経由(営業キロ88.6km)で運賃が計算されてチャージから減額されるはずです。

これは、大型時刻表の「ピンクのページ」に載っているような規則では導くことができません。

では、何を根拠にしているのか、ということでWikipediaを見てみると、「ICカード乗車券取扱約款」(http://www.jr-odekake.net/icoca/pdf/covenant_iccard.pdf)があるようで、その中にこのような条文があります。

第19条 2(前略)減額する片道普通旅客運賃の運賃計算経路は、(中略)片道普通旅客運賃が最も低廉となる経路とします。ただし、最も低廉となる経路が複数ある場合は、営業キロ(幹線と地方交通線を連続して乗車する経路の場合は運賃計算キロ)が短い経路とします。 

第20条 
(3) (中略)乗車区間の経路については、当該乗車区間に対する片道普通旅客運賃の運賃計算経路にかかわらず、利用エリア内に限り他の経路を乗車することができます。
(4) 途中下車の取扱いはしません。
(5) 入場後は、当日に限り有効とします。

つまり、別に大都市近郊区間の制度を準用しなくても、別にICカード用の規定を定めることで対応できるようなのです。

とすれば、冒頭のJR東日本に関する説明は常識的なことではなく、むしろJR各社の中では例外的な扱いだと言えます。

ならば、「なぜJR東日本だけがこんなにおかしな制度なのか」という主張も、あってもよいと思うのです。

 

それはともかく、鉄道について書かれる記事の中には、JR東日本のあり方を前提に、それを世の中の常識であるかのように書く記事が結構見受けられます。

時として「JR東日本の常識は世間の非常識」というケースがあることを気に留めておくと、記事にツッコミを入れられたり、こうしてブログのネタにしたり、いろいろと楽しいのではないか、という風に思います。

滝川→室蘭 特急を乗り継いで

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上記の記事からの続きになります。

2018/10/6 札幌→新十津川→室蘭→宇都宮(3)

函館本線根室本線が接続する滝川駅。外観からは想像つかなかった小さな改札口でした。

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次に来るオホーツク2号は数分しか時間がなかったので見送って、その次のライラック16号で札幌へ戻ることに。

帰るルートを決めていなかったので、珍しく特急券も乗車券も買っていませんでした。みどりの窓口で指定券を買うと、「もう窓側は空いてないです」とのこと。

「これはもしかしたら、自由席の方が空いているパターンなのでは……」という疑念を持ったりもしましたが、列車が到着してみれば、さすが札幌~旭川間の都市間特急。自由席も含めてだいたい席が埋まっていて、納得の結果でした。

まあ、これは車窓目当ての乗車ではないので、特に気にはなりません。

さて、話を戻して。

改札前に待合室があり、発車10分ほど前に改札の案内があるという、昔ながらの駅の姿ではありましたが、でもそこにあるのは自動改札機。改札があろうがなかろうが通りたい放題です。

ホームへ出て、風景を眺めます。

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こちらは駅舎側。

 

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こちらは反対側。

この風景を見て「札沼線の車窓に似てる…」と思ったのですが、考えてみれば、札沼線の車窓から遠くに見えていた景色を、今は近くに寄って見ている、ということになるんでしょうね。たぶん。

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岩見沢行きの普通。721系3連。

今調べてみたら、前面に「F-1」と書かれているので、F-1編成、つまり721系最古の編成のようですね。

721系も初期車はそろそろ廃車が始まるという話が出てきていますが、製造初年度が1988年であれば30年選手なので、確かにそういう時期なのかもしれません。

ライラック16号 滝川 10:32 → 札幌 11:25

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今回乗車したライラック16号。もともとは津軽海峡線用の特急電車として製造され、北海道新幹線にその座を譲って新天地へやってきた車両。

昔、キハ281系のフォルムが好きで、A列車でもよく使っていたのですが、それと似たこの前面フォルムはやはりカッコいいと思う。

そして札幌へ到着。到着したはいいのですが、この先数時間の行程が全く決まっていません。

本来は、14:45発のスーパー北斗16号で出発し、新函館北斗で新幹線に乗り継いで北海道を出る予定でした。なので、それまで札幌で何かしようと思っていたのですが。

思考に作用したのは、今後天気が下り坂に向かうという予報であり、実際に雲がどんどん厚くなってきている、ということでした。もはや雨が降り出すのも時間の問題でした。

それなら、雨が降る前に少しでも南に向かっておきたい。

そして、間にちょうど室蘭までの盲腸線があり、もしかしたら乗りつぶせる時間があるんじゃないか。

時刻表をめくってみると、案の定、室蘭に1時間以上滞在できるダイヤになっていました。

 

そうと決まれば、すぐにみどりの窓口で指定席の取り直しです。

スーパー北斗16号の指定席を東室蘭からに変更し、札幌~東室蘭間は12:16発のスーパー北斗12号の指定席を確保。

ついでに、東室蘭~室蘭間の往復乗車券も買っておきます。

残りの時間、おみやげを物色していたら発車時間が近づいてきました。

スーパー北斗12号 札幌 12:16 → 東室蘭 13:39

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それなりに時間は取っていたのに、結局何もできなかった札幌からおさらばです。

千歳線をグングン走り抜けて、高架の千歳駅を過ぎると南千歳に停車。

この駅では、新千歳空港に向かう単線に向かって、空港行きは右側の島式ホームに入り、札幌方面行きは左側のホームに入る(一般的な左側通行とは逆になる)。そうすることで、函館・帯広方面←→新千歳空港の乗り継ぎが同一ホームでできる、という運用になっています。

初めて北海道に来た時に、これを見てとても感心したのを覚えています。

そしてしばらくして、新千歳空港が車窓から見えてきました。

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この辺から、ぽつぽつと、雨が降ったりやんだりといった天気になってきます。

この頃、胆振東部地震からの復旧作業のため、南千歳~沼ノ端間は徐行運転をしていました。

車内放送でも、15分から20分程度の遅れが見込まれるとのことで、苫小牧から先の到着時刻は20分遅れとして案内されていました。

定刻だと、東室蘭での室蘭行きへの接続は14分しか時間がありません。まず大丈夫だろうと思いますが、念のために通りかかった車掌に、接続は取れることを確認しておきます。

 

列車同士の接続ということで印象深かったのは、2度目に北海道に行った時のこと。

大阪から特急白鳥→青森で急行はまなすに乗り継いで、さっぽろ雪まつりとオホーツクの流氷を見て、そして同じルートで帰ってくる、という、何かいろいろなものを度外視した企画でした。

しかし、その日は日本海側が大雪に見舞われており、大阪を発車する時点で約20分の遅れ。その後、遅れは徐々に積み重なっていき、青森に着いた時点では2時間近い遅れになっていました。

通常ダイヤでピッタリ乗り継げることになっている急行はまなすへの乗り継ぎは、さすがに無理だろうと思っていました。

もし乗り継げなかった場合はどうしよう。青森に泊まってさらに北を目指すのか、青函連絡船なら行けたりするのか、それとも諦めて戻るのか。そんなことを考えていました。

ところが、青森で降りてみれば目の前に急行はまなすの客車が待っていて、とても驚きました。

盛岡からの特急から乗り継いだお客さんは、もうすっかりお休みモード。そんな中、どうにか座席を確保して予定通り札幌に向かうことができました。

その時の経験もあって、JR北海道は「待つべき時は待つ」はずで、通常ダイヤで乗り継げることになっている列車の乗り継ぎについては、ダイヤが乱れてもあまり心配する必要はない、と思っています。

(※もちろん、列車本数が少なく、乗り継ぎできなかった場合の影響が大きい、ということもあると思いますが)

 

列車は速度を落として慎重に進んでいきます。おかげで、車窓をじっくり眺めることができました。

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今は信号場となった、旧美々駅

 

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植苗駅
ホームの駅名標が見えないので、「あれ?廃止になったんだっけ?」と思ったのですが、たぶん「しかし こっちは うらがわ。 書いてある文字が 読めない。」というやつなのでしょう。

この区間は駅付近以外は原野を走る部分も多く、途中、線路わきにエゾシカが佇んでいるのが見えたりしました。徐行運転のおかげでした。

沼ノ端を過ぎるとぐんぐんスピードを上げ苫小牧へ。

その先は、時折古めかしい巨大な工場が姿を現しつつ、中央競馬でよく聞くような地名が続々と登場します。この区間は単線だと思い込んでいたのですが、実は複線だったのですね。

 

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一瞬見えた牧場を撮ったつもりが失敗。

 

そして登別あたりまで来ると、左手は太平洋、右手は登別の山々という、晴れていれば絶景だっただろうという風景になってきました。

東室蘭 13:53→14:05 室蘭

見出しの時刻は定刻で記載しています。実際の発着時刻まで記録していなかったので。

東室蘭でそそくさと普通列車に乗り換えて室蘭へ。写真を撮る暇がなかったので、室蘭に着いてから撮りました。

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乗ってみて気付いたこととして、東室蘭~室蘭間は、札幌圏以外では珍しい「市内電車」なのですね。

いや、乗ったのはディーゼルカーなのですが、電化されてるし札幌と直通する電車も走るので……。

駅を出たら町が終わる、という車窓が多い中、この区間は線路沿いに幹線道路が走り、それに沿ってずっと町並みが展開している。

本州では別になんてことのない車窓ですが、北海道ではかなり珍しいと思いました。また、特急すずらんが、この区間では普通列車として各駅に停車するのも納得できるような気がしました。

 

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室蘭駅はもうすっかり雨でした。

 

下記の記事へ続きます。

 

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まったりマツタリ

他人のことは言えませんが、こちらも4年ぶりなのですね。

マツさんの動画は、Island Railroadのシリーズを始める前にいろいろと見直して、風景のつくり方を勉強し直したりしました。

なので、また今後も見れるとしたらとても楽しみです。

 

あえて言うなら、左下の場内信号機、その置き方では機能的にあまり意味がないような気がします。

いや、手前の分岐器に対する信号なのかな……。現実ではたぶん見ないだけで、それならそれでありなのかもしれない。

まあ、信号機の置き方は、私もあまり他人のことを言えた義理でもないですが。

二次創作じゃないストーリー仕立て

ちょっと粗削りというか、表現がこなれてない感じはあるけど、なかなか面白くて追いかけてみたいと思いました。

二次創作モノや、何らかの元ネタに依存したシリーズは、「それらを知っていないと楽しめない」という時点でまず壁があって、なかなかその中に入り込むことができないのですが(強引に中に引っ張り込んでくれるほどの吸引力がある作品はそう多くない)、その壁がないストーリー仕立ての動画は安心して見れます。

 

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映像として気に入ったのはこちら。

運転士の喚呼吹き出しで出す、というのは今更ながら目新しい表現だと思いました。

1日1本のアトラクション 札沼線(学園都市線)で新十津川へ

2018/10/6 札幌→新十津川→室蘭→宇都宮(1)

札幌 6:39 → 石狩当別 7:18

多くの人にとっての3連休の初日。雲は多めながらもまだ晴れ間がのぞくような札幌の朝でした。

2日目はまず、北部の廃線が事実上決まった札沼線学園都市線)へ。

JR西日本JR宝塚線嵯峨野線のようなイメージで、北海道医療大学までが「学園都市線」だと思い込んでいたのですが、実は終点の新十津川までが「学園都市線」なのでした。

札幌からは、1本後の6:58発の列車でも、新十津川行きに乗り継ぐことはできます。

ただ、石狩当別での乗り継ぎはわずか7分。今の新十津川行きの状況を考えれば、席を取れるかも怪しいと考えざるを得ません。

そういうこともあって、普段から、こういう10分以内の乗り継ぎは極力避けるようにしています。

もう1つは、朝一番の場合、万一寝坊しても1本後に乗れれば何とか旅程として成り立つ、という冗長化でもあります。

 

札幌駅の10番線にやってきたのは、予想外だった721系6両編成。快速エアポートでも運用されている、uシート付の編成でした。

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昨日の小樽発の快速エアポートと同じ構図ですが、使い回しじゃないです。その証拠に、こちらは慌てて撮ったせいでピントが酷いことになっています。

 

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普通列車として運行される場合、指定席料金は不要。たぶんロングシート車が来るんだろうと思っていたので、これは嬉しい誤算です。

ただ、別の旅行記では、同じ列車が731系のロングシート車になっていました。なので運用が固定されているわけではなく、6連の電車ならなんでもいいという感じなのかもしれません。

 

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札幌を出て西へ。確か桑園を出て、函館本線と離れるあたり。

車窓を見ていると、札幌の街のすぐ南にはもう山々が連なっている、ということを改めて感じさせられます。

それからはずっと、ひたすら住宅1~8、たまにマンション・団地系や低層雑居ビル(A9的表現)といった車窓が続いていたのですが、石狩川を越えると景色は一変し、広大な田畑が広がる車窓となります。

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街を出てもなんとなく谷筋に沿って家並みが細々と続いていく本州の景色と異なり、街が終われば田園地帯だったり原野だったり、きっぱりと景色が一変するのも北海道の大きな特徴だろうと思います。

 

やがて石狩当別駅に到着。

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到着したばかりの721系の列車。

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721系の行き先表示幕。

先発の札幌行きとして待ち構えていたのは、最新鋭の733系でした。

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新十津川行きは、対照的にキハ40形の1両編成。

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ボックスシートは、国鉄時代そのままの濃い青のモケットでした。

そうこうしているうちに、1本後の列車が石狩当別駅に到着。この列車も、uシート付の721系6連でした。

この乗り換え客で、だいたい座席定員ちょうどぐらい。ただ、相席を嫌って立っている人も結構いました。

石狩当別 7:45 → 新十津川 9:28

そして、1日1本の新十津川行きが発車。

ひとつひとつ駅に停車していき(駅間は、昨日の「山線」ほど長くない感じ)、石狩月形へ。

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ここでは22分の停車時間があり、また対向列車との行き違いがあるということで、「新十津川行き列車」というアトラクションの途中にある、大きなイベントになっているようです。

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今乗車中の、新十津川行き列車。

多くの人が車外へ出て、写真を撮ったり付近を見て回ったりしています。 

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今回の旅行の中で目に付いたのが、鉄道用の標識の類にことごとく巻き付けられたピンクのリボン。これは例えば積雪の中でも存在を目立たせるためのものなのでしょうか。

 

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北へ向かってまっすぐに延びる線路。

対向列車が来た時にこの角度で撮るのが定番のようですが、そういう定番の写真はきっと世の中にありふれていることでしょう。

ちなみに、この写真は構内踏切近くで撮っていますが、最近は、列車が近づいてきた時は構内踏切近くの撮影は禁止で、ホーム上から撮影してくださいとのこと。これから乗車する方はご注意ください。

やがて対向列車が到着し、石狩月形駅を後にします。

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線路だけではなく、道路もひたすらまっすぐに延びる。

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ススキも美しい秋の車窓。

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札比内駅

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駅舎が古いのはともかく、「学園都市線」と愛称が記された、それほど古くないはずの駅名標も、朽ちゆくままに放置されている感が少し切ない。

 

広大な田園地帯の向こう、霞の上に山並みが浮かび上がる幻想的な風景。

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その構図は基本的に変わらないまま、手前の風景が次々と移り変わり、変化を生み出していきます。

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はるか遠くに見える工場が、勢いよく白煙を立ち上らせていました。

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 「ふれあいステーション」と一体となった浦臼駅の駅舎。

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実りの秋。

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昨日の噴火湾沿いとは別の趣があり、飽きもせずずっと見ていたくなる、という車窓でした。

 

長い年月を経てすっかり焼け切った、という感じの於札内駅駅名標

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南下徳富のローマ字表記が、「MINAMISHIMOTOOPU」=みなみしもとーぷ になってました。

ちなみに、南下徳富駅自体の駅名標は正しいローマ字でした。

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間に2つハイフンが入るのですね。


かなり余談ですが、駅名にハイフンが入る場合、それに続く文字はこのように小文字であるべきだと思っています。

ハイフンは「前後をつなげて1語として扱う」という意味であり、また、「固有名詞は最初の文字を大文字にする」というルールを踏まえると、ハイフンの後、つまり語の途中の文字を大文字にするのはおかしいはずなのです。

ただ、大手の鉄道会社ではハイフンの後を大文字で記載しているところが多く(JR東日本JR東海JR西日本等)、むしろそちらの方が一般的になっちゃっている感じもしますね。

その対立から超越した立場にいるのが南海で、「大阪狭山市」「林間田園都市」といった長い駅名ですらハイフンを使わない、という独自路線を取っていたりします。正確には林間田園都市は「RINKANDEN-ENTOSHI」なのですが、これは「DENEN」を「でねん」と読まれるのを避けるためのハイフンなので、用法が違います。

 

……どうでもいい余談が過ぎました。

 

まもなく終点の新十津川駅

手前の踏切近くには撮り鉄が何人かいました。

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撮り鉄を撮る撮り鉄

せめて一度、その車を置いて列車に乗ってあげてください、と言いたいのですが、一度乗ってしまうともう戻ってこれない罠。

……いや、滝川駅から戻ってくることはできるのですが。

 

新十津川駅は静かにたたずむ終着駅で……と思っていたら、全然違っていました。

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3連休ということもあってか、駅前には鉄道グッズや「駅弁」や軽食、飲み物などを売る出店がいくつも並んでいました。

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ホームから駅前を撮影。「1/2 76」の標識は……?

後で時刻表を見てみると、桑園-新十津川間の営業キロが76.5キロなので、関係ありそうな気がします。

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新十津川駅前にある空知中央病院。

駅前だからというより、おそらく町役場に近く、街道に近いというのがここにある理由なのでしょう。

 

なお、これとは別に、駅前から少し離れたところでも、他のイベントをやっていたようです。

せっかくなので「駅弁」を買うことにしました。

後で捨てる前に撮った写真ですが、掛け紙はこんな感じ。ちゃんと日付が入っているのがチャームポイントですね。

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ちなみに、中身はよくできた幕の内弁当で、十分満足できる内容でした。

 

新十津川駅とキハ40形。

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駅舎の片隅にあった、毎日の乗車人数を記録したカレンダー。誰がつけているのでしょうか。

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さて、車窓が相当気に入ったので、帰りも学園都市線にしようかな、と思って乗り込んだのですが、すでに窓側の席は埋まっていたのであえなく退散。滝川経由で札幌へ戻ることにしました。

 

下記の記事へ続きます。

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※2019/6/7 改題、および写真・本文を追加しました。