君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

1日1本のアトラクション 札沼線(学園都市線)で新十津川へ

2018/10/6 札幌→新十津川→室蘭→宇都宮(1)

札幌 6:39 → 石狩当別 7:18

多くの人にとっての3連休の初日。雲は多めながらもまだ晴れ間がのぞくような札幌の朝でした。

2日目はまず、北部の廃線が事実上決まった札沼線学園都市線)へ。

JR西日本JR宝塚線嵯峨野線のようなイメージで、北海道医療大学までが「学園都市線」だと思い込んでいたのですが、実は終点の新十津川までが「学園都市線」なのでした。

札幌からは、1本後の6:58発の列車でも、新十津川行きに乗り継ぐことはできます。

ただ、石狩当別での乗り継ぎはわずか7分。今の新十津川行きの状況を考えれば、席を取れるかも怪しいと考えざるを得ません。

そういうこともあって、普段から、こういう10分以内の乗り継ぎは極力避けるようにしています。

もう1つは、朝一番の場合、万一寝坊しても1本後に乗れれば何とか旅程として成り立つ、という冗長化でもあります。

 

札幌駅の10番線にやってきたのは、予想外だった721系6両編成。快速エアポートでも運用されている、uシート付の編成でした。

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昨日の小樽発の快速エアポートと同じ構図ですが、使い回しじゃないです。その証拠に、こちらは慌てて撮ったせいでピントが酷いことになっています。

 

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普通列車として運行される場合、指定席料金は不要。たぶんロングシート車が来るんだろうと思っていたので、これは嬉しい誤算です。

ただ、別の旅行記では、同じ列車が731系のロングシート車になっていました。なので運用が固定されているわけではなく、6連の電車ならなんでもいいという感じなのかもしれません。

 

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札幌を出て西へ。確か桑園を出て、函館本線と離れるあたり。

車窓を見ていると、札幌の街のすぐ南にはもう山々が連なっている、ということを改めて感じさせられます。

それからはずっと、ひたすら住宅1~8、たまにマンション・団地系や低層雑居ビル(A9的表現)といった車窓が続いていたのですが、石狩川を越えると景色は一変し、広大な田畑が広がる車窓となります。

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街を出てもなんとなく谷筋に沿って家並みが細々と続いていく本州の景色と異なり、街が終われば田園地帯だったり原野だったり、きっぱりと景色が一変するのも北海道の大きな特徴だろうと思います。

 

やがて石狩当別駅に到着。

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到着したばかりの721系の列車。

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721系の行き先表示幕。

先発の札幌行きとして待ち構えていたのは、最新鋭の733系でした。

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新十津川行きは、対照的にキハ40形の1両編成。

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ボックスシートは、国鉄時代そのままの濃い青のモケットでした。

そうこうしているうちに、1本後の列車が石狩当別駅に到着。この列車も、uシート付の721系6連でした。

この乗り換え客で、だいたい座席定員ちょうどぐらい。ただ、相席を嫌って立っている人も結構いました。

石狩当別 7:45 → 新十津川 9:28

そして、1日1本の新十津川行きが発車。

ひとつひとつ駅に停車していき(駅間は、昨日の「山線」ほど長くない感じ)、石狩月形へ。

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ここでは22分の停車時間があり、また対向列車との行き違いがあるということで、「新十津川行き列車」というアトラクションの途中にある、大きなイベントになっているようです。

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今乗車中の、新十津川行き列車。

多くの人が車外へ出て、写真を撮ったり付近を見て回ったりしています。 

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今回の旅行の中で目に付いたのが、鉄道用の標識の類にことごとく巻き付けられたピンクのリボン。これは例えば積雪の中でも存在を目立たせるためのものなのでしょうか。

 

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北へ向かってまっすぐに延びる線路。

対向列車が来た時にこの角度で撮るのが定番のようですが、そういう定番の写真はきっと世の中にありふれていることでしょう。

ちなみに、この写真は構内踏切近くで撮っていますが、最近は、列車が近づいてきた時は構内踏切近くの撮影は禁止で、ホーム上から撮影してくださいとのこと。これから乗車する方はご注意ください。

やがて対向列車が到着し、石狩月形駅を後にします。

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線路だけではなく、道路もひたすらまっすぐに延びる。

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ススキも美しい秋の車窓。

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札比内駅

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駅舎が古いのはともかく、「学園都市線」と愛称が記された、それほど古くないはずの駅名標も、朽ちゆくままに放置されている感が少し切ない。

 

広大な田園地帯の向こう、霞の上に山並みが浮かび上がる幻想的な風景。

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その構図は基本的に変わらないまま、手前の風景が次々と移り変わり、変化を生み出していきます。

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はるか遠くに見える工場が、勢いよく白煙を立ち上らせていました。

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 「ふれあいステーション」と一体となった浦臼駅の駅舎。

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実りの秋。

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昨日の噴火湾沿いとは別の趣があり、飽きもせずずっと見ていたくなる、という車窓でした。

 

長い年月を経てすっかり焼け切った、という感じの於札内駅駅名標

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南下徳富のローマ字表記が、「MINAMISHIMOTOOPU」=みなみしもとーぷ になってました。

ちなみに、南下徳富駅自体の駅名標は正しいローマ字でした。

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間に2つハイフンが入るのですね。


かなり余談ですが、駅名にハイフンが入る場合、それに続く文字はこのように小文字であるべきだと思っています。

ハイフンは「前後をつなげて1語として扱う」という意味であり、また、「固有名詞は最初の文字を大文字にする」というルールを踏まえると、ハイフンの後、つまり語の途中の文字を大文字にするのはおかしいはずなのです。

ただ、大手の鉄道会社ではハイフンの後を大文字で記載しているところが多く(JR東日本JR東海JR西日本等)、むしろそちらの方が一般的になっちゃっている感じもしますね。

その対立から超越した立場にいるのが南海で、「大阪狭山市」「林間田園都市」といった長い駅名ですらハイフンを使わない、という独自路線を取っていたりします。正確には林間田園都市は「RINKANDEN-ENTOSHI」なのですが、これは「DENEN」を「でねん」と読まれるのを避けるためのハイフンなので、用法が違います。

 

……どうでもいい余談が過ぎました。

 

まもなく終点の新十津川駅

手前の踏切近くには撮り鉄が何人かいました。

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撮り鉄を撮る撮り鉄

せめて一度、その車を置いて列車に乗ってあげてください、と言いたいのですが、一度乗ってしまうともう戻ってこれない罠。

……いや、滝川駅から戻ってくることはできるのですが。

 

新十津川駅は静かにたたずむ終着駅で……と思っていたら、全然違っていました。

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3連休ということもあってか、駅前には鉄道グッズや「駅弁」や軽食、飲み物などを売る出店がいくつも並んでいました。

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ホームから駅前を撮影。「1/2 76」の標識は……?

後で時刻表を見てみると、桑園-新十津川間の営業キロが76.5キロなので、関係ありそうな気がします。

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新十津川駅前にある空知中央病院。

駅前だからというより、おそらく町役場に近く、街道に近いというのがここにある理由なのでしょう。

 

なお、これとは別に、駅前から少し離れたところでも、他のイベントをやっていたようです。

せっかくなので「駅弁」を買うことにしました。

後で捨てる前に撮った写真ですが、掛け紙はこんな感じ。ちゃんと日付が入っているのがチャームポイントですね。

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ちなみに、中身はよくできた幕の内弁当で、十分満足できる内容でした。

 

新十津川駅とキハ40形。

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駅舎の片隅にあった、毎日の乗車人数を記録したカレンダー。誰がつけているのでしょうか。

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さて、車窓が相当気に入ったので、帰りも学園都市線にしようかな、と思って乗り込んだのですが、すでに窓側の席は埋まっていたのであえなく退散。滝川経由で札幌へ戻ることにしました。

 

下記の記事へ続きます。

a-train.hateblo.jp

 

※2019/6/7 改題、および写真・本文を追加しました。