君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

新快速「Aシート」に初乗車 利用者アンケートとサービスの模索

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JR西日本の新快速電車に登場した「Aシート」のロゴ

東京からひかり号で米原で下車し、琵琶湖線に乗り換えて野洲へ。そして今回の寄り道の目的であった新快速の「Aシート」を体験しました。

米原駅野洲駅の記録に関しては下記をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

今回乗車したのは、平日ダイヤの10時59分野洲発の列車で、本来の目的地である大阪までの乗車です。

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野洲駅にて。Aシートを連結した列車が、ゆっくりと入線してきました。

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Aシート車は側面の帯のカラーリングが変更されています。前面は他の編成と連結するからという割り切りなのでしょうが、アンバランス感が凄いです。

「Aシート」に乗車する

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Aシート車の車内。網棚や天井といったあたりは元の車両のままな感じがします。

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車内の座席。特急車とほぼ同じようなリクライニングシートです。

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各席に用意されている電源コンセントは、ひじ掛けの部分についていました。

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着席したのは、中間のドアをつぶして座席にした部分。ここはちゃんと席に合うように窓が設けられていますが、前後の席は窓がない状態なので要注意です。

野洲では数名がAシートに着席。

野洲を発車すると、係員の巡回があり、大阪まで乗車することを告げてSuicaで料金を支払い、乗車整理券を発行してもらいます。

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前の座席の背にあるポケットに挿しておきます。

これは、名鉄の特急車などにある「挿しておくと便利ですよ」というようなものではなく、むしろ「ちゃんと挿しておいてください」という運用になっているようです。「下車駅 大阪」と大きく印字されており、それを係員が見ることで状況を把握できます。JR東日本でいうと普通列車グリーン車の座席上にあるランプと同じような役割ですね。

思いがけず渡されたもの

この日は乗車前、Aシートの乗車口付近に、配布用のものと思われる何かを入れたプラスチック袋を持っている人が2人ほどいまして、何だろうと気になっていたのですが、しばらくしてこんなものが配られました。

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アンケートと、記入用のボールペンです。Aシートのロゴが入ったボールペンは持ち帰ってよいとのことで、思わぬお土産をいただきました。なので、ホイホイホイと喜んで記入します。

設問は全部で30問で、ざっと以下のような内容でした。

  • 新快速の乗車駅、Aシートに着席した駅、列車を降車した駅
  • JR線の乗車駅、降車駅(乗車駅は正直に首都圏の駅名を書きましたが、それでよかったのかどうか……)
  • 列車の利用目的、人数(複数の場合は誰と乗ったか)
  • 利用した乗車券の種類、所持しているICカード
  • 新快速を利用することを決めたタイミング(たまたま来た列車に乗った、も含めて)
  • Aシートを利用することを決めたタイミング(乗ってみたらAシートが付いてた、とかも含めて)、利用した理由
  • Aシートの利用回数、評価できる点、改善を希望する点、料金についての感想
  • もしAシートがなかったらどうしたか(一般席にする、特急や新幹線にする、等)
  • JR神戸線JR京都線琵琶湖線の利用頻度と、それがAシートによって変化したかどうか
  • Aシートがあることによって、より遠方に出かけるようになったか、なったのであればどこに出かけるようになったか
  • Aシートの満足度、今後も利用したいかどうか
  • 回答者の属性

ほとんどは選択式ですが、結構細かいです。私は暇だったので問題ありませんでしたが、利用される方によっては車内では回答できないという人がいても不思議はありません。

割と一般的な質問が多いと思うのですが、特に、「Aシートがあることによってより遠方に出かけるようになったか」というところが特徴的な気がします。

車窓で気になったこと

まあ、シートが変わったとはいえ、この区間はもう飽きるほど乗ったところです。さすがにワクワク感をもって車窓を見るのも難しいのですが、その後変わった点とかがいくつかあるのを見つけました。

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高槻駅。この駅のホームドアというと、新設された特急・新快速用ホームの昇降式ロープ柵が有名ですが、快速用ホームには横開き式の大開口型ホームドアが設置されていました。

ロープ式ならロープ式で統一すれば、コストも安くなるのではないかと思ったりしますが、場所によって使い分けているのは、やはりロープ式にはデメリットもあるとみているのでしょうね。

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東淀川駅を通過してすぐのところ。以前は「開かずの踏切」があった場所ですが、東淀川駅に自由通路を兼ねた橋上駅舎が整備されて廃止され、すでに撤去が進んでいました。

そうしたいくつかの変化を見つつ、全体的には懐かしさを感じながらの1時間の乗車でした。

乗車率ですが、野洲で数名が乗車した後、琵琶湖線内で徐々に増加。京都からは混むのではないかと思っていましたが、平日午前中ということもあってか、満席になるほどではありませんでした。

「Aシート」の方向性はまだまだ模索中の模様

そもそもの「Aシート」のサービスですが、概要については下記サイトをご覧いただく方がよいかと思います。着席保証ではない、というのが1つのポイントで、ざっと言うと首都圏の近郊列車にある自由席グリーン車に近いサービス形態と言えそうです。

www.jr-odekake.net

 

当初、Aシートが設定されるというニュースを見た時、関東で次々と導入されている通勤時間帯の有料着席サービスに近いものになると思ったのです。

「Aシート車は2両」「1日4本」という情報から、朝に網干野洲発の大阪行き、夕方に大阪始発の姫路・野洲行きと予想したのですが、大ハズレでした。

その大ハズレの記事は下記になります。

a-train.hateblo.jp

実際には、通勤時間帯の着席サービスの強化は、こちらよりも特急「らくラクはりま」の新設と、それにあわせたJR神戸線内の特急停車駅の追加が担う形になりました。

「Aシート」については、とりあえず試験的に設定してみたという雰囲気で、朝昼晩といろんな時間帯に走らせながら、今後のサービスの方向性を模索していこうという感じかと見ていましたが、今回の利用者アンケートとその内容を見て、ますますその感を深くしました。

現状の形が長期間続くとは思えないので、おそらく来年春のダイヤ改正に向けて、今年の秋あたりから何かしら動きが出てくるのではないかと思います。

アンケートには、増発を希望する旨を書いておきました。なので、それが実現すると個人的には嬉しいのですが、Aシートを追加する=一般車が減るということなので、それをやるべきかどうかも、利用者の反応を見ながら、ということなのでしょうね。