君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

アルファベット表記とハイフンのあれこれ(JR版)

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JR東日本管理の南小谷駅。ローマ字表記は「Minami-Otari」

鉄道の駅名表記には、だいたい英語(ローマ字)表記が付記されています。

最近は、それに加えて中国語(簡体字繁体字)、韓国語(ハングル)に対応したものも増えてきました。

ところで、以前、ローマ字表記に関して下記の記事でこんなことを書きました。

a-train.hateblo.jp

かなり余談ですが、駅名にハイフンが入る場合、それに続く文字はこのように小文字であるべきだと思っています。

ハイフンは「前後をつなげて1語として扱う」という意味であり、また、「固有名詞は最初の文字を大文字にする」というルールを踏まえると、ハイフンの後、つまり語の途中の文字を大文字にするのはおかしいはずなのです。

ただ、大手の鉄道会社ではハイフンの後を大文字で記載しているところが多く(JR東日本JR東海JR西日本等)、むしろそちらの方が一般的になっちゃっている感じもしますね。

その後、ちょっと気になったので、どの会社がどんな法則で書いているのかを調べてみようと思いました。

まずは軽くJR6社でも…と思っていたら意外と奥が深く、それだけで結構な時間がかかってしまったのでご報告です。

なお、主にGoogle画像検索で、長い駅名の駅を「<駅名> 駅名標」と入れて出てきたのを見ていった結果になります。

JR北海道

まずはいくつか調べてみた事例。

新幹線と在来線の比較では、

JR東日本との比較では、

これらから読み取れることとしては、ハイフンの後の文字は、

のようです。

ちなみに、空港駅は

まあ、自然ですね。昔は「Shin-Chitosekuko」と書かれていた時期もあったようです。

JR北海道で、唯一の外来語(一応言及しておくと、アイヌ語はいろんな意味で「外来語」と呼ぶのは適切ではないので)を含む駅はこちら。

  • ラベンダー畑…Lavender-Farm

以前の駅名標は「Lavender Farm」だったようで、それで何も問題なかったと思うのですが、なぜか無用なハイフンを付けてしまったようです。

 

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JR北海道駅名標。ハイフンの後が小文字なのは古いパターンの模様。
JR東日本

いくつか調べてみた例がこちら。

JR東日本は、他にもいろいろな駅を見てみましたが、例外なく大文字でした。

ちなみに、空港駅は素直な英語表記でした。

  • 成田空港…Narita Airport Terminal 1

外来語を含む駅は、

行川アイランドは駅が古く、すでに施設自体が存在しないためか少し例外的ですが、基本的には、こちらも英語での自然な書き方をそのまま採用している感じですね。

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JR東日本の駅名表記。ハイフンの後はたぶん例外なく大文字。

なお、2019年11月30日に開業した羽沢横浜国大駅は、管理が相模鉄道のため、相模鉄道側の表記をそのまま採用しています。

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表記は「Hazawa yokohama-kokudai」。これも、「固有名詞は単語ごとに頭文字を大文字にする」という法則からはなぜか逸脱しています。ハイフンはこのままで普通に書けば、「Hazawa Yokohama-kokudai」となるはずです。

上の画像では、付近の「武蔵」が頭に付く駅や西大井駅新川崎駅などの例も見ることができます。

JR東海

新幹線と在来線で分かれたのがJR東海三河安城駅とかが特徴的です。

在来線を他にも見ていくと、

線区を問わず、ハイフンの後は小文字のようです。ただし、いくつか例外もありました。

南大高はよくわかりませんが、木曽福島は、市町村合併か何かで所在地が変わったため、駅名標を変更した際に大文字になったようです。

JR東海の場合、駅名標のデザインを基本的に変えていないので、多くの駅ではJR発足時とかの駅名標をそのまま使い続けているのではないかと考えられます。

そのため、基本的には小文字なのですが、何かの理由で最近になって交換した場合は大文字になっている、ということが言えるのかもしれません。

JR東海で唯一、外来語を含む駅はこちら。

  • 池ノ浦シーサイド…Ikenoura-seaside

「Ikenoura Seaside」でも問題なさそうなのに、むりやり一語にしてしまっているパターンですね。

JR西日本

こちらもJR東日本と同様、見た限りでは例外なく大文字でした。

ちなみに、JR西日本独特の「JR○○」駅はこんな感じ。

  • JR難波…JR-Namba
  • JR三山木…JR-Miyamaki

ちょっともやっとするものがあります。
「JR Namba」とかでいいような気がしますが、それは気に入らなかったのでしょうか。

空港駅の表記はこんな感じ。

こちらも、普通に「Yonago Airport」とかで問題ないのに、ハイフンで無理やり一語にしているパターンですね。ただ、ハイフンの後が小文字なのがちょっと違います。

外来語(や、それに由来する造語)を含む駅の場合も同様でした。

呉ポートピアは以前は「Kure-Portopia」だったようですが、ラインカラーを決めて駅名標を更新した際に変更されたようですね。

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JR西日本岡山駅新幹線ホームの駅名標。隣の新倉敷は「Shin-Kurashiki」。
JR四国

こちらは、今と昔で違っているパターンですが、「新しい方が小文字になっている」ということで、JR北海道とは逆になっています。

駅ナンバリング後付け」とは、古い駅名標駅ナンバリングを後から貼り付けたもの、「駅ナンバリング組み込み」とは、駅名標そのものに駅ナンバリングが組み込まれている、つまり新しい駅名標を指します。

ただ、伊予西条は新しい駅名標でも大文字になっているし、古高松南のように小文字化していても「先頭文字だけ大文字」を完全に徹底しているわけでもなく、法則性はわりとよくわからない感じです。

これも駅名標が新しくなって小文字になったパターンですが、そもそもハイフンの意味あるんでしょうか。

 

JR九州

九州新幹線の駅名はこんな感じ。

なぜか鹿児島中央だけが例外的に、ハイフンの後が小文字になっています。

なお、JR九州の在来線の駅名標は基本的に「すべて大文字」のため、今回の論点からは外れる形となりました(駅舎等では小文字も使われているようですが…)。

ちなみに、外来語やそれを含む駅名はこんな感じ。

ダムは「Dam」という立派な英単語なのですが……。ちなみに、隣の赤瀬駅波多浦駅駅名標では「ISHIUCHI DAMU」となっているようです。


むちゃくちゃ長い駅名はこんな感じ。

  • 小波瀬西工大前…OBASE NISHIKODAI-MAE

そこまで1語にこだわらずに、無理がある場合は2語にしているようです。

なお、純粋な自社路線ではない宮崎空港線は例外のようで、

でした。

 

 

正直、もっと会社ごとに統一されているものと思っていただけに、新旧で違っていたり、新幹線と在来線で違っていたり、といろいろなバリエーションがあったのは予想外でした。

逆に言うと、決定的な規則がない、ということでもありますね。全体としてハイフンの後は大文字にする傾向にありつつも、JR四国はその逆を行っていたりするので。

なお、タイトルに「(JR版)」と書いてありますが、私鉄はやるつもりはありません。これ以上のカオスになることは容易に想像がつくので……。

 

(2020/2/2)冒頭の画像およびリード文、JR東日本南小谷、羽沢横浜国大、Jヴィレッジの例を加筆しました。