君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

東京オリンピック聖火リレー 気仙沼市・南三陸町にて

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三陸さんさん商店街のゴール地点に向かう聖火ランナー宮城県南三陸町にて

東京オリンピック聖火リレーは今、関東を巡っていますが、6月19日、宮城県気仙沼市南三陸町で行われた聖火リレーを見てきました。

聖火リレー関連では、東京オリンピックパラリンピックの延期が決まる直前の昨年3月、岩手県大船渡市での「復興の火」イベントを見ていて、その時、聖火リレーはぜひ見に行きたいと思っていました。

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6月17日にはこの大船渡市を含む岩手県沿岸でも聖火リレーが行われたのですが、夕方から夜にかけての時間帯で、平日に日帰りで訪ねることができず断念していました。

6月19日は土曜日なのですが、当日朝に出発したのでは間に合わないので、前日の夜に一関市に入り、当日はJR大船渡線の始発で気仙沼に向かいました。

そもそも「復興五輪」だった

当初からいろいろと言われつつも、東京オリンピックパラリンピックは「復興五輪」を掲げていました。

上記の「復興の火」イベントもそうだし、聖火リレーでは開催地やその周辺の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を除いて各道府県2日間の日程のところ、福島・岩手・宮城の3県で3日間の日程が組まれたのもそうです。

コロナ禍でそれどころではなくなり、「人類がコロナに打ち勝った証」「世界中の団結を示す証」などというように、開催の大義がどんどん変わっていってしまいましたが、それでも、復興への思いを託したいと思う人もいたはずです。

こういう状況でのオリンピック・パラリンピックの開催にはいろいろ考え方はあるでしょうが、運営に携わるスタッフや、ランナーの方々も同様に複雑な心境だっただろうと思いを馳せつつ、読み進めていただければと思います。

ちなみに、地元の千葉県は公道でのリレーをすべて中止することを早々に決めました。それはそれでアリな判断だったと思います。

気仙沼市聖火リレー

宮城県聖火リレーのルートは下のページに記載されています。

www.pref.miyagi.jp

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気仙沼市聖火リレールート図。宮城県作成

気仙沼市のルートは、スタートの鹿折(ししおり)地区から気仙沼市魚市場まで、市街地の海沿いを走ります。スタートが10:10、ゴールが10:51というスケジュールです。

鹿折地区は10年前、津波とその後の火災で壊滅し、大型船が山沿い(JR鹿折唐桑駅付近)まで1kmほど流された映像でも知られています。

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復興が進む気仙沼市の鹿折地区

神明崎から西側の小さな湾(内湾)やその南側は観光施設やホテルなどが集まる地区で、ゴール地点の魚市場も含めて津波で甚大な被害を受けました。

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気仙沼市魚市場(左上)へ続く海沿いの道

沿道は地域の方のみで集まるよう呼びかけられていたので、沿道ではなく遠くから俯瞰して見ることができる場所をいくつか考えていました。

晴れていれば、震災復興祈念公園がある陣山から、ゴールの魚市場付近を除く大半の場所を眺められると思っていましたが、当日は雨の予報だったので、雨がしのげる場所が小さい東屋ぐらいしかない陣山は断念。

ゴールにある気仙沼市魚市場の屋上は駐車場と見学者用のデッキを兼ねていて、屋根もたくさん設けられており、近くには観光施設「海の市」もあることから、雨をしのぎやすいということでこちらで見ることにしました。

魚市場へは内湾付近から歩いていきましたが、朝8時前の時点ですでに要所にはスタッフが集まっていて、打ち合わせなどが始まっていました。

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10時26分ごろ、先導となる車列が登場(以下、時間はJPEG画像に記録された時刻で書いていきますが、実際とは若干ずれているかもしれません)。

リレーが開始された10時過ぎ頃には、幸いにも雨はほとんど降りやんでいました。

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つづいて、スポンサー各社の車が通っていきます。この時はまだ、BGMを流すぐらいでそんなに賑やかでもなかったです。

おそらくは関係者を乗せていると思われる車が断続的に続き、10:44ごろ、聖火ランナーの到着を告げるスポンサー各社の車列が賑やかなアナウンスとともに登場。

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ちなみに、各車のナンバーに注目していただくと、すべて「20-20」になっているのがわかります。

そして10:49ごろ、聖火ランナーが姿を現しました。

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復興祈念公園がある陣山(右上)を背に走ります。

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いわゆる「トーチキス」(この言葉がどうしても好きになれないですが)。後で気づいたのですが、この時走ってきていたのがアナウンサーの生島ヒロシさん(気仙沼出身とのこと)なのでした。

この後、2人で一瞬ポーズを作ったのですが、その瞬間は撮り逃がしてしまいました。

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交代して次の走者の方が走り出したのですが、沿道の方はみなさん生島さんに注目。

そりゃ仕方ないですよね。

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港町らしい風景、そして大漁旗が出迎える中をランナーが進んでいきます。

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最後のランナーに交代した後、ゴールの魚市場前に到着。10:56ごろでした。

ゴールに何かイベントがあるのではと思っていたのですが、特に何もなくあっさりと終わったようです。気仙沼市宮城県最初のコースということで出発式が行われたそうで、その分ゴールはシンプルだったのかもしれません。

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ゴール付近、海の市の前で見守った方々。

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ゴールとなった気仙沼市魚市場。この日は開場しており、リレーを横目に、岸壁ではカツオの水揚げが行われていました。

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この日行われていたカツオの水揚げ

気仙沼線BRT 南三陸町内の迂回運行

この後、南気仙沼駅から気仙沼線BRTに乗り、次の南三陸町聖火リレーを見に行きました。

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東京2020ヘッドマークを付けた気仙沼線BRTの車両(志津川駅で撮影)

乗車した車には東京2020ヘッドマークが付いていました。他の車両では見なかったので、この車両だけなのだと思います。

南三陸町内の中心部では一般道を走るため、聖火リレーに伴う交通規制の影響をモロに受けます。

迂回運行については、JR東日本から事前にアナウンスが出ていました。

聖火リレー開催に伴う乗降場所の変更について(大船渡線BRT及び気仙沼線BRT)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20210609_mr01.pdf

乗車して確認した迂回ルートは下図の通りでした。

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右側が気仙沼方面、南側が柳津方面になります。

志津川中央団地から志津川にかけて、赤線が通常のルート、黄線が迂回ルートです。

×印は主な規制地点を示していますが、通常のルートがほとんど規制範囲に入っていました。

三陸病院の中にある南三陸町役場・病院前駅は、北側に臨時停留所が設けられました。

志津川中央団地から係員の方が乗り込み、運転士さんにルートを案内しながら進んでいきます。臨時停留所でも係員の方が案内を行っていました。

ニュースリリースでは10分程度の遅れが生じる見込みとありましたが、乗車した便の遅れは3分程でした。

南三陸町聖火リレー

南三陸町のルートは以下の通りでした。

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南三陸町聖火リレールート図。宮城県作成

スタートは南三陸町役場前。13:12開始の予定です。すぐ近くの南三陸病院とともに、かつてはゴール地点近くにあったのですが、震災後、住宅地とともに高台へ移転しました。

西に進んで国道45号に出ると志津川中央地区。こちらも高台移転した住宅地で、警察署が再建されています。

そしてゴール地点の南三陸さんさん商店街には13:52に到着予定。復興商店街として震災後に造られ、新鮮な魚介類の店や海鮮料理の店が軒を連ねる、町を代表する観光拠点でもあります。

下記の記事で商店街の特徴やグルメなどを紹介しています。

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気仙沼線BRTでゴール地点付近の志津川駅(最後の交差点の南東側)まで来たので、必然的にその付近で見ることになります。

交差点の北東側にある上の山公園に行ってみると、付近のコースを見られる場所がいくつかあるので、そこから見ることにしました。

13:27頃、最初のスポンサーの車列が登場。どうも構成は気仙沼市と同じようです。まあ、場所ごとに構成を変えるとも考えにくいですしね。

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この時は、それほど強くはなかったですがしっかりと雨が降っていました。

そして断続的に関係者の車が続き、13:44頃、今度は聖火ランナーの到着を告げる賑やかなアナウンスとともにスポンサーの車列が登場です。

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そして、JR志津川駅前にランナーが登場したのは13:53でした。

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背後に、BRTのシンボルである赤い駅名標と、東北デスティネーション・キャンペーンの幕を掲げた志津川駅の駅舎が見えます。

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このすぐ先の交差点で最後のランナー交代があり、南三陸さんさん商店街の前を進んでいきます。

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ゴール地点ではミニセレブレーションが始まっており、南三陸町長の挨拶が行われていました。

漏れ聞こえてきた内容によると、最後のランナーの女性は、震災でご主人を亡くされた方だそうです。

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商店街の建物の奥には、町の震災復興祈念公園の「祈りの丘」が見えます。

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ゴール地点、商店街の中のミニセレブレーションの会場へ進んでいきます。

すでに会場のイベントは終わり、ランナーの到着を待つばかり。

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ゴールに到着し、最後にフォトセッションが行われたようで、それで終了となりました。