君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

JR大船渡駅前「復興の火」イベントの日

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東京オリパラの聖火を展示した「復興の火」イベント。大船渡市長による点火。

延期となった東京オリンピックパラリンピックですが、その聖火を、聖火リレーに先立って東日本大震災の被災地で展示する「復興の火」イベントが宮城・岩手・福島の各県で実施されました。

岩手県では3月22日に三陸鉄道とJR釜石線のSL銀河で聖火を運び、宮古~釜石~花巻の間のいくつかの駅で、10~30分ほどずつ聖火が展示されました。そして、3月23日はJR大船渡線BRTの大船渡駅前にある防災観光交流センター「おおふなぽーと」にて、5時間にわたって聖火の展示が行われました。

大船渡での展示は、私はもともとは別の予定があって諦めていたのですが、それをキャンセルして大船渡の滞在を延ばしたので見ることができました。

新型コロナウイルスを巡る状況は次々と変わっていますが、当時は以下のような状況だったことを念頭にご覧いただければと思います。

  • 日本では帰国者からの感染が増加傾向にあったものの、感染者の急増にはまだ至っていなかった。東京で1日に40人を超える感染者が確認され、一気に事態が動き出したのはこの2日後。
  • 2月下旬に安倍首相が「大事な2週間」として一斉休校やイベントの自粛などを要請し、その2週間後の時点で急激な悪化が見られなかったことから、「感染拡大に注意しつつも経済を動かしていくべき」という動きが出ていた。
  • この時期は主に欧米で感染者が急増しており、ニューヨーク州でもこの日からロックダウンが始まった。
  • 予定通り開催できるか疑問視されていた東京オリンピックパラリンピックは、この日についに延期する方向で動き出した(決定したのは翌24日)。

開会直前の状況

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朝に気仙沼に行き、戻ってきて大船渡駅で下車した時の様子。開会まであと1時間ほどです。

朝は下記の記事にある、大船渡線BRTから気仙沼線BRTへの直通運転の様子を見に行っていました。

a-train.hateblo.jp

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数日前から気になっていた、木造の骨組み。

今回のイベントに合わせて、駅前の商店街「キャッセン大船渡」で企画された気仙大工の展示でした。

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前日に撮影した写真。各部位の呼び方が紹介されています。

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同じく前日の撮影。横には、走り高跳び棒高跳びの世界記録の表示もありました。

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会場では、係員の方が忙しく準備を進めていました。

一旦近くのホテルへ戻り、チェックアウトして再度会場へ向かいます。

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戻ってきてみると、気仙大工の展示には矢車の装飾が取り付けられていました。

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これは後で撮影した写真ですが、骨組みの中にはお供え物が。

上棟式を行うと見たのですが、ホテルに戻っている間にすでに終わっていたようです。

さて、聖火の展示場所に入るための列がすでにできていたので、その最後尾に並びました。すると、アルコールスプレーを持った係員の方がやってきて、手の消毒をお願いします、とのこと。両手を出して吹き付けてもらいました。

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この2日前、仙台での「復興の火」の展示に5万人が集まり、新型コロナウイルスの感染対策はどうなっているのか、という批判が出たこともあってか、感染対策には特に注意を払っていたようです。

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列の通路や聖火前のスペースは1mほどの間隔で区切られ、密集を避けるコントロールが行われていました。

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たどり着いた場所は点火台のほぼ正面。前に人がいるのは仕方ありませんが、両横に陣取ったマスメディアよりも、もしかしたらいい場所だったかもしれません。

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ずっと微妙な曇りでしたが、開会直前にはいいタイミングで青空が見えてきました。

開会セレモニー

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東京オリンピックパラリンピック組織委員会の副事務総長の方の開会あいさつ。会場の「おおふなぽーと」をずっと「おおふなとぽーと」と間違えていたことは内緒です。

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ランタンに収められた聖火が登場し……

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戸羽大船渡市長によって点火されました(一度火が点かずやり直したのは内緒です)。

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点火された聖火を囲んでのフォトセッション。

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取材陣。今見たらテレビ東京の腕章も見えますね。こういう取材は普通、地方の系列局に任せるものですが、テレビ東京系は東北に系列局がなく、テレビ東京自身が東北支局を持っているため、こういう形になっているようです。

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フォトセッションの後は、観客がグループごとに誘導されて聖火の前で撮影。

記念撮影をされる方が多かったのですが、私は自撮りの趣味はないので聖火だけで撮影しました。

よく言えば穏やかな一日

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会場の全景。また曇り出してきました。この日は午後にはアラレが降り出したり、どうも変わりやすい天気でした。

ウイルス感染対策で出し物は中止になっており、また、ついにオリンピック・パラリンピック自体が延期の方向で動き出したニュースも伝わっていることから、高揚感はなく、集まって来た人が順に記念撮影をしていくだけという感じで、よく言えば穏やかな、悪く言えば盛り上がりに欠けるイベントとなりました。

私の目的としては、BRT沿線の一大イベントとして、聖火とBRTを入れた構図で撮っておきたいというのがあったのですが、なかなか大変でした。

大船渡駅前は、一般のバス停や街灯、時計などの障害物が多く、バスがスッキリ映る場所がなかなかないのです。

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どうにか苦心して撮ったのがこちら。バスの前面が、かろうじてそれとわかる際どいスペースに収まってくれました。秒間14コマ連写のカメラに感謝です。

 

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どこか俯瞰で撮れる場所がないかと遠出してみましたが、あまりいい場所が見当たらず、気仙大工の展示を入れるのが精一杯でした。右側の建物で隠れた部分に聖火があるのですが……。

気になってたランチ営業の店

俯瞰撮影は諦めて会場に戻ると、昼になってきました。

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以前から気になっていた、キャッセン大船渡にある「三陸おさかなファクトリー」さん。物販がメインですが、ランチ営業もやってます。ただ、ここでランチを食べる機会がなかなかなかったのです。

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上は海老天丼(海老天4尾、穴子天、イカ天、野菜天、アラ汁、一品、漬物)、下はカキフライ単品。ご飯や漬物のお替り自由なので量だけなら海老天丼だけでもいいのですが、せっかくなら海の幸を心行くまで堪能したいので奢ってしまいました。

ボリュームたっぷりの天丼と、弾けるプリプリの牡蠣。三陸に来てよかったと思えるひとときです。

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午後にはもう1枚、今度は広角にして撮影。

広角過ぎて聖火が目立たなくなってしまいましたが、会場の全景が収まってるし、左側にいる気仙沼行きのバスの他に、中央に盛行きのバスが停まっていたりしてBRTが行き交う雰囲気も出ているので、まあこれはこれでありなのかなと。

せっかくの一大イベントも微妙な感じとなってしまったのですが、その微妙さも含めて、大船渡線BRTの歴史の1ページとは言えるのかな、という気はします。