だいぶ時期が過ぎてしまいましたが、今年(2020年)10月31日に岩手県陸前高田市で行われた「三陸花火大会」を見に行った記録を、2回にわけてお届けします。
今年は新型コロナウイルスの影響で、東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、大人数が集まるイベントはことごとく中止を余儀なくされました。
花火大会もその1つで、事前に場所を告げずにサプライズで花火を上げるようなやり方しかできませんでした。
そんな中、8月ごろから大規模な花火大会の実現に向けて動き出したのが、新しく始まった三陸花火大会でした。
2020年10月31日(土)に岩手県陸前高田市で開催される「三陸花火大会」公式Twitterでの情報発信を本日スタートします。
— 三陸花火大会(SANRIKU fireworks festival) (@sanrikuhanabi) 2020年8月8日
実行委員と関係者一同、世界中が「ワクワク」して「笑顔」になれるように全力で準備してまいります。
どうぞ宜しくお願い致します。#三陸花火大会#三陸花火競技大会実行委員会 pic.twitter.com/pk4wYp8wwj
クラウドファンディングで開催資金を募り、開催にこぎつけた1万発の花火大会。
その当日の様子について、花火の打ち上げそのものと、打ち上げまでの町や会場の様子、そして会場付近を通るJR大船渡線BRTの対応という面で書いていきたいと思います。
この記事は、花火の打ち上げが始まるまでになります。
会場付近を迂回したJR大船渡線BRT
当日、開会前の私の関心の1つは、会場付近を通る大船渡線BRTの対応でした。
大船渡線BRTの奇跡の一本松~陸前高田間は、赤線の通り、川原川の東側から回り込む経路になっています。
その東側の高田松原運動公園一帯が三陸花火大会の会場であり、その入場ゲートが設けられる川原川東側の道路は交通規制されることになっていました。
つまり、大船渡線BRTは特例扱いで通るか、別経路に迂回することになるはずです。
大会の少し前、道路整備の進捗に伴い、西側にある気仙川の方から回り込む経路(赤点線)が開通していました。おそらくはこの経路に迂回するのではないかという予想を立てて、気仙沼から大船渡線BRTの盛行きに乗車しました。
気仙沼駅の乗車口のポールには、遅れが発生する可能性が予告されていました。
そして、高田松原津波復興祈念公園の中にある奇跡の一本松駅を出ると、出口の交差点でいつもは右折するところを、おもむろに直進して進み始めました。事前の予想通りの迂回経路を進むようです。
気仙川の向こうに、西岸の気仙町の高台や小泉団地などを見ながら進みます。
2019年の前半までは、これに類似した経路を通っていました。その後、道路工事のために閉鎖され、一部完了とともに供用が再開されたものです。
迂回経路の付近には、2021年3月11日に農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」が開業する予定で、その工事が進められています。
陸前高田駅にも、やはり遅れが発生する可能性の告知が掲示されていました。
陸前高田駅から西に進む気仙沼行き。通常、陸前矢作行きしか通らない場所です。
背後の工事中の建物は、再建中の陸前高田市立博物館。ここが工事中の間に再び気仙沼行きが通ることがあるのかどうかはわかりませんが、もしかしたら二度と見ることができないシーンかもしれません。
奇跡の一本松から迂回経路を北に進む盛行き。高台の真新しい町をバックに走ります。
同じバスを別の画角で撮影。背後に見えるのは今泉地区の住宅地です。
開会前の陸前高田の様子
陸前高田駅付近から撮影。1枚目が11:40頃、2枚目が14:00頃です。
手前側、駅の南側の広大な空き地が駐車場に利用されていて、続々と車が入ってきていました。奥には第一球場(楽天イーグルス 奇跡の一本松球場)の横に、会場内の「三陸フードビレッジ」のテントが見えます。
陸前高田の北側にある、標高874mの氷上山。周囲の400~500mクラスの山ではまだ見られなかったのですが、山頂側の葉が落ちていて、冬近しを感じさせる表情でした。
昼食は、陸前高田駅近くの「まちなかテラス」にある中華料理熊谷さんで担々麺(黒)の大盛をいただきました。黒ゴマの風味と、甘めの肉そぼろのコンビが特徴。
その隣、複合商業施設「アバッセたかた」の駐車場も一部がイベントスペースとなり、たくさんの出店が並んでいました。
いろいろ目移りしたのですが、広田湾漁協さんの焼ホタテをチョイス。身の大きさが、人の手のひら(指を除いた部分)ぐらいの巨大さです。こんな大きなホタテをまるごと食べるのは初めてだと思います。大きい分だけ味が雑ということもなく、おいしさがみっちり詰まっていました。
会場内の「三陸フードビレッジ」へ
会場に向かいます。陸前高田駅からは徒歩7~8分程でした。
入ってすぐのステージでは、地元の高校などいろいろな団体によって郷土芸能の披露が行われていました。
付近には自治体マスコットキャラの姿も。
左は大船渡市のおおふなトン。椿から生まれたそうです。頭の部分が椿、お腹の模様はサンマなのだとか。名前や鼻の形から豚なのかと思ってしまいますが、本人は頑なに否定しているようです。
右は住田町のすみっこ。町の名前にもひっかけた炭のおばけ。林業の町ということで、木から作られ、暮らしを支える炭をキャラクターにしたようです。
他に、陸前高田市のたかたのゆめちゃんも来ていたようですが、見かけることはできませんでした。
会場内のマップ。マップ下側が打ち上げ場所になります。
第一球場は花火前にコンサートが行われるアリーナ。
その前には車の中から花火を見ることができるDRIVE in HANABI Theater。そのほか、グループ向けの特別BOX席、エリア指定席A・Bと、公園内の設備を活かしつつ多様な席が設けられています。
エリア指定席は、普通の花火大会なら自由な観覧スペースとなるところですが、新型コロナウイルスの感染対策として定員制の指定席となっています。エリア内は芝生で、その中で自由に席をとっていいのですが、周囲の間隔に注意するよう繰り返し案内がありました。
三陸フードビレッジには、陸前高田のみならず、東北各地から店が出ていました。
盛岡や久慈からの出店。
大船渡にある海山酒場と、気仙沼ホルモンの出店。
三陸にとどまらず、福島のいわき、喜多方からも店が出ていましたが、中でも喜多方ラーメンならぬ「喜高田ラーメン」は、喜多方ラーメンと三陸の海の幸のコラボだそうで、胃袋が空いていれば食べてみたかったです。
やがて日は暮れて
実はこの日、カメラの予備バッテリーの充電がちゃんとできていないというミスがあって、少しでも電池を稼ぐべく大船渡のドトールに充電をしに行きました。
陸前高田駅に置かれた、花火大会後の誘導用の資材。付近ではJRの職員さんが数人集まって、大会後の運行や誘導などについて打ち合わせをしているようでした。
大船渡から乗ってきたBRTの陸前矢作行きは、花火大会を見るために乗る人たちと、大船渡高校から帰りの高校生が混じって稀に見るような混雑となっていました。
駅前の空き地の駐車場。いつの間にかたくさんの車で埋まっていました。
会場に戻ってみると長蛇の行列が。
花火前に食事をしたい人がフードビレッジに集まり、入場制限すらかかるような混雑でした。
エリア指定席Aの様子。こんな感じで、適度に距離を取りながら席を取っていきます。
花火の打ち上げ開始は19:00の予定でしたが、アリーナのコンサートが押していたようで、実際に始まったのは19:20頃。
1章「三陸花火大会が始まる!」と題されたスターマインからのスタートでした。
花火の打ち上げと、その後の様子は次回でお伝えします。