6月18日に都道府県を跨ぐ移動の自粛要請が終了し、(もちろん感染対策には注意を払いつつも)気兼ねなく旅行ができる季節がやってきました。
夏といえば三陸名産のウニ。沿岸各地では競ってウニの口開けをアピールして販売を始めています。
去年、初めて三陸を訪れたのがゴールデンウィークで、その次は10月下旬。つまり夏の時期はスルーしていたわけです。この時期を逃がす手はない! ということで今回、解除された初日から3日間、また南三陸方面を訪ねてきました。
仙台~気仙沼間高速バスに初乗車
いつもは最低3日間は取って向かうのですが、今回は諸般の事情で初日は午後からとなり、実質2日ちょっとです。
定番としては一ノ関からJR大船渡線で気仙沼へ向かうのですが、今回は仙台を発着している気仙沼行きの高速バスを初めて利用してみます。
このバスは、仙台市内を出ると三陸自動車道へ入り、志津川ICをいったん出てBRT志津川駅(気仙沼線BRTの志津川駅と同じ場所)に停車、そして気仙沼市内の階上地区(陸前階上駅付近)からは一般道を走行しこまめに停車していきます。
3月14日、JR気仙沼線BRTの南気仙沼駅が移転し、駅前広場が整備されたのに伴い、南気仙沼駅まで運行区間が伸びました。
新しい南気仙沼駅のすぐそばにはミヤコーバスの気仙沼営業所があるので、これまでの回送ついでに駅に立ち寄ることにしたという雰囲気です。


仙台駅から、高速バスが発着する宮城交通の高速バスセンターまでは徒歩10分ほど。
雨があがった仙台駅前をスナップしながら向かいます。
窓口や待合室があるセンターの目の前の道路上に、バス停が前後に2か所あります。
バスが到着。乗車人数はだいたい席数の半分ぐらいで出発です。
休憩場所として設定された矢本PAにて。進む先の方には石巻市街地の景色が見えています。
途中、雲が途切れて陽が射すこともありました。
バスをBRT志津川駅で下車。そこには予想外の景色が広がっていました。
夕霧の南三陸町へ
三陸自動車道を走っている間はずっと晴れ間も見えていたのですが、南三陸町に入り、志津川ICを出るころには怪しげな雰囲気に。
下車してみると、見事に夕霧に包まれていました。
南三陸町震災復興祈念公園の「祈りの丘」。
霧の向こうに浮かび上がる、観光ホテル「ホテル観洋」の明かり。
本当は、手前を気仙沼線BRTのバスが通るところで撮りたいと思っていたのですが、通過時刻を誤って記憶していたために、歩いている途中でバスが通り過ぎてしまいました。でも、それがなくてもいい雰囲気です。
夕食をとるために、志津川駅前にある南三陸さんさん商店街へ向かいます。このために志津川で下車したのでした。
南三陸さんさん商店街については下記の記事で以前にご紹介しています。
もともと、南三陸杉をふんだんに活用した建物に特徴があるのですが、霧の中で灯りがぼやけてとても幻想的な雰囲気でした。




この商店街は昼の人出が多く、夕方以降は少なくなってほとんどの店が閉まってしまうのですが、日が暮れた商店街のたたずまいも素敵だと思っています。
ウニ丼とタコの刺身を堪能
飲食店で開いていたのは2軒あったのですが、1軒は貸し切りだったので、必然的に残り1軒へ。
「食楽 しお彩」さんを訪ねました。
うに丼と、タコの刺身をいただきました。
甘くてトロトロのウニがたっぷり。ウニは臭みが気になる方もいるかもしれませんが、新鮮なウニはほとんど臭みがありません。
南三陸名産のタコはみずみずしく、まるで魚の刺身のようなジューシーな食感。ゴムのような味気ないタコに慣らされている都会の人間にとっては、三陸に来たことを実感させられます。
南三陸町には、有名なブランド丼「南三陸キラキラ丼」があるのですが、季節ごとにメニューが変わり、夏の時期はキラキラうに丼になります。
とはいえ、この店はキラキラ丼を名乗ってはいません。
どうもキラキラ丼を名乗るためには、ウニの使用量とかいろんな規格があるようで*1、その辺がしお彩さんと微妙にあってないのかな、という感じ。
でも、ウニにとっては名前なんてどうでもいいことです。それで味が変わるわけではありません。
■2020/6/28追記:
下記ページを見るとキラキラ丼提供店舗に含まれていたので、メニューとして名乗っていないだけでキラキラ丼ではあるようでした。うーん、ややこしい。
夕霧の風景と絶品のウニとタコ。短い時間でしたが、1日目が単なる移動ではなく、現地で楽しむ時間がとれたという意味でも有意義でした。
夜の闇に浮かび上がる、さんさん商店街名物のモアイ像(ライトアップされているわけではなく、後ろに車が通っていないことを確認してストロボを当てています)。


プレハブの簡素な志津川駅。道の駅ができるまでの仮駅だそうですが、待合室の中に置かれたパンフレット群が、JRの駅であることを強硬に主張しています。
南気仙沼駅へ
今回の宿は、気仙沼線BRT南気仙沼駅が最寄りです*2。志津川からは気仙沼線BRTで向かいます。
独特の円筒形(実は行灯のイメージらしい)駅舎。
駅舎の中にはベンチとロケーションシステムのモニター。
いろいろ飾る余地はありそうですが、少し素っ気ない感じもします。
気仙沼線BRT、大船渡線BRTの駅によっては、待合室のベンチに座布団が置かれていたり、木製ベンチが寄贈されていたりします。


駅付近の復興住宅の明かりが印象的だったので、駅名表示を入れたり、駅前広場のライトアップされた木を入れてスナップ。
2日目へ続きます。