先日(5月24日)、久々に小湊鐵道を訪ねました。遠出といってもまあ1時間もかからない場所です。
千葉県内はまだ緊急事態宣言の対象地域で、解除されたのは翌日でしたが、その理由は解除基準に達していなかった東京・神奈川の隣だから、というもので、県内では十分に感染が抑制できている状態でした。
この状態でリスクがあるのは東京・神奈川との移動になるので、県内の移動であればリスクは低いという判断です。
前回小湊鐵道を訪ねたのは、台風15号に襲われ、運転を再開した直後の昨年9月下旬でした。
買ったばかりのミラーレス一眼を持って出かけたものの、写真の出来としては残念ながらいまいちな感じだったのを憶えています。いい場所で撮れたのにシャッタースピードが遅くて被写体ブレしていたり。
さて、この日は午後から別の用事があったので、朝早く出かけてさっと戻る感じです。
つるんとした顔が当初はなんとなく好きではなかったのですが、それも味わいですね。
たった2駅、海士有木(あまありき)駅で下車したらこののどかな風景です。
ホームと駅舎内。この情感が素敵です。
ただ、外に出て気づいたのは、まだ昨年の台風15号の被害が復旧していなかったということ。
そのあと台風19号もやってきて東日本各地に大きな被害をもたらし、冬は記録的な暖冬でスキー場などが悲鳴を上げ、そしてやってきたコロナ禍ということで、すっかり忘れ去ってしまっていた感がありましたが、この付近では、まだ屋根にブルーシートをかぶせた家々が目立っていたのでした。
前述の通りあまり時間がないので、この駅付近の2か所で撮り鉄して戻ります。まずは駅の南西側にある田園から。
この場所に来て、誰もいないのでマスクをはずすと、鼻に流れこんできた、心地よい草と土の匂い。久しぶりの感覚に嬉しくなってしまいました。
空を切り、代わりに田んぼの緑の明るさを強調して撮ってみました。
ただ、この写真は結構、列車をどこに置くかが悩ましい感じなのです。
この列車は右から左に向かっています。なので、先頭部を置く位置としてはこれぐらいでいいんじゃないかと思ったのですが、後で改めて見ると、顔が見えてるのは後ろ側のため、先入観なく見ると左から右に向かっているんじゃないかと思います。その観点で見ると、少し右に寄り過ぎな感じもします。
連写で撮った手前側のカット。右に切れていると、これは左に向かう列車だということは分かるかと思います。
前に進んだ中央側のカット。これだと、右向きに進んでいるとしてもそこまで不自然ではないかもしれません(ただ、手前のちょっとした盛り土が気になりますが)。車両が住宅に溶けこんでしまうのではないかと懸念していましたが、それほど気にならない感じもします。
あるいは、もし2両編成だったら、最初の写真でも、後ろにもう1両くっついて右側に編成が切れるので、そこまで気にすることもなかったかもしれません。
もっと左側に移動して、右から来る列車に対して、先頭が見える形で撮るのが正解だったのかもしれませんが、現場だと正直そこまで気が付かず、後からしまった、と思うことが多いのです。
まあ、そもそも逆光気味で、昼から午後の方が順光になるんじゃないかという説もあるので、その辺も含めてリベンジをしてみたい場所ではあります。
何はともあれ、次の目的地に移動です。線路を越えて北側へ歩き、山倉ダムの近くにある撮影ポイントへ向かいます。
豊かな緑の中を進む単行のゆるい気動車と、奥の湾岸工業地帯の、力強くもくもくと煙を吐く様との対比がとてもいい感じです。
ここは富士山が望める場所らしく、実際にそうして撮られた写真がたくさん公開されています。
でも、富士山が見える冬の空気が澄んだ時期は、こうして緑豊かな風景として撮ることはできないわけです。どちらを選ぶか、という問題ですね。
悩みはありつつもいい感じの写真も撮れて、長い間不要不急の外出を控えていたリハビリとしてはまずまずでした。
ところで、小湊鐵道といえば、JR東日本の只見線を引退したキハ40が輸送されてきたことでも話題になりました。
五井駅でその姿を見れないかな、と思ったのですが。
周囲を他の車両ですっかり取り囲まれてしまっており、五井駅の東口につながる跨線橋のところから、かろうじてちらっと見えただけでした。
このままの姿で走るのか何か改造されるのか、あるいは普通車として走るのか観光車両として走るのか、使われ方が気になりますね。たぶん、塗装はこのままにしてほしい、という人が多いような気がします。