君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

風ニモマケズ…動き続ける鉄道を追って (2)小湊鐵道・上総牛久~上総中野

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コスモス咲く駅に到着する列車。小湊鐵道・上総大久保駅にて

先月上旬、房総半島に大きな被害をもたらした台風15号

もちろん房総半島と言っても一様ではなく、日常を取り戻すために歩み始められているところ、いまだに被害の復旧もままならないところ、いろいろあって一言では表現できませんが、少なくとも鉄道に関しては、JR久留里線の一部区間を除いては平常通りの運転を再開しています。

そんな「動き続ける鉄道」の姿を追って、9月下旬に小湊鐵道いすみ鉄道を訪ねました。

 

前回、小湊鐵道五井駅から上総牛久駅まで、沿線で列車の姿を追いながらやってきました。

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上総牛久駅から乗車し、養老渓谷方面へと分け入っていきます。

前回、「到着する時にいきなり陽が照り付けて色が破綻してしまいました」と書いた上の写真ですが、デジカメマジックで補正してそれらしい感じになりました。

詳しくない方のために書いておくと、撮影したものを直接JPEGに書き出すだけではなく、画像ファイルにする前の「RAW形式」という形で書き出し、それ用の編集ソフトを使うことで、カメラの画像処理設定を全部やり直し(さすがに撮れたもの自体は変えられないですが)、さらに補正をかけて画像ファイルに変換ができるのです。

この訪問した日の前日にミラーレス一眼のカメラを買い、こういうことも初めてやってみましたが、いろんなことができるものですね。

ただ、補正するにしても匙加減がとても悩ましいので、全部の写真まではやっていられないという面はあります。

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ここから先は乗客も少なくなっていきます。台風の影響なのか、普段からこうなのか、紅葉シーズンになれば変わるのか、その辺はよくわかりませんが……

温かみのある木彫りの像・里見駅

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木の影に照らされた列車。里見駅では6分ほどの停車時間があり、わずかな時間ですがホームに降りてみました。

この駅ではタブレット交換が行われるのですが、その辺は見ることができませんでした。

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ホームに置かれた4体の像。左からカッパ、熊、観音様、そして熊でしょうか?

由来はよくわかりませんでしたが、手作り感が伝わる素朴な木彫りの像で、こうした装飾が小湊鐡道の温かい雰囲気を生み出しているように思います。

駅舎とかタブレット交換とか、もっと時間を取ってじっくり見てみたい駅の1つです。

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売店が出ていたので、あまり時間がない中でそそくさと買ったもの。

焼きそばは何の変哲もないのですが、個人的に、時々無性に食べたくなるのです。

左のものは「ニアンもち」という思わせぶりな名称ですが、もち米の焼きおにぎりに塗った味噌の色に変化をつけ、地層をイメージしたものだそうです。

発車を告げる長いベルが鳴り、先へ進んでいきます。

ホームに揺れるコスモスと渓谷を往く列車・上総大久保駅

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3駅進んで上総大久保駅で下車。

両隣にチバニアンで有名になった月崎駅、渓谷観光の拠点である養老渓谷駅がある中で、この駅をわざわざ訪ねる人もそうそういないとは思います。

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しかし、ホームにはピンクと白の可憐なコスモスが咲き、木造の素朴な待合室の壁には近くの小学生が賑やかな絵を描いている。とても味わい深い駅です。

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そして駅前がまた面白い。トタンの壁の横には、なんと公衆電話ボックスです。きわめて都会的な造形なのに、もはや都会ではほとんど見られなくなってしまったものがこの渓谷の奥地にある。その不思議な感じがたまりません。

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駅前には古びたトイレがあるかと思ったら……

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その隣には、真新しい現代的なトイレが整備されていました。

防犯灯も、多機能トイレも完備しています。

この駅から東へ進むと、列車が養老川を渡るところがあります。

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養老渓谷10:39発の五井行き列車が通り過ぎていきました。

絶好の写真だったはずが、よく見ると列車がブレてしまったのでリベンジしたいところ…

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道中、木々がなぎ倒されたりもしていたようで、その修復工事のために交互通行になっている個所がありました。

こんな状況で、よく上総大久保駅の駅舎や古いトイレが無事だったものだと思います。

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五井10:10発の上総中野行き列車が到着。これで小湊鐵道は最後になります。

終点・上総中野駅 いすみ鉄道へバトンタッチ

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11時23分、終点の上総中野駅に到着。

朝、JRで五井駅に到着してから、途中下車を繰り返して5時間ほどの旅でした。

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この日は、観光列車「房総里山ロッコ」はこの後の列車からの運転で、時間が合わず見ることができませんでした。

五井駅を出発し、市街地や田園地帯、そして沿線を流れる養老川を何度か渡り、渓谷の奥地へと向かっていく。

いろいろな場面を駆け抜ける列車から、小湊鐵道は元気に頑張っているということが少しでも伝わればと思います。

twitterでは、直近の企画が告知されています(※10/5の企画は中止になったそうです)。

この朝トロもぜひ味わってみたいですね。

次回はいすみ鉄道へ移ります。

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