犬吠埼灯台と銚子電鉄を撮る
5月末に銚子電鉄を訪ねた記録の最後になります。
午前中は犬吠駅、君ヶ浜付近でぶらぶらしながら列車を撮り、キンメ丼とイワシの刺身を堪能。そして午後は「地球の丸く見える丘展望館」を訪ねました。
展望館を出て犬吠駅に戻るのですが、その途中で、犬吠埼灯台と銚子電鉄の列車を入れて撮るのにいい場所があるそうなので探してみることにしました。
前回、犬吠駅から「地球の丸く見える丘展望館」に向かう道中、犬吠埼灯台と犬吠駅が見えてくるものの、犬吠駅には電線や電柱がかかりまくって大変、ということを書きました。
考え方としては、もうちょっと高いところに行ければ、電線や電柱は下側に行きますから、駅にかぶさることもなく撮れます。
といって、展望館まで行ってしまうと逆に、下の写真のように手前の木々に隠れて灯台付近の線路は見えなくなってしまうのです。
この場所で山側を見ると、お寺の裏手にこんな断崖があります。
そう、あの崖の上から撮ればいいのです。
行き方を知ったのは公開されたページではないので詳しくは書きませんが(でもまあ調べれば出てくると思います)、展望館から犬吠駅に戻る順路から少し外れ、撮影目的じゃなければ絶対に入らないような道に入り、さらに茂みの中を枯れ枝をパキポキへし折りながら進むと、木陰の中から微妙に海が見える場所に出ます。
その場所へは土が踏み固められて径ができていたので、たくさんの人が訪れているのでしょう。
ただ、木々の隙間はわずかなスペースしかなく、その中で、枝葉が被らないようにして構図をちゃんと取ろうとすると不自然な姿勢になってしまうので、それを保つのがなかなか大変です。試していませんが、三脚が置けそうなら使う方がいいのかもしれません。
上の写真の通り、目の前は崖なので、うっかりすると落っこちてしまいます。まあ、そんなにぎりぎりの場所で撮らなくても大丈夫なのですが。
列車をどこに置くかもだいぶ悩みましたが、今回は犬吠駅前の植え込みの花を入れたらいいかなと思い、犬吠駅の停車中に撮ることにしました。
ちなみに、犬吠駅には「中井精也ギャラリー」があり(※2020年5月末時点では休館中でした)、展示された写真では、灯台の真下に来た列車を縦構図で切り取っていました。
とりあえず、場所を知るという目的は達成したので、犬吠駅に戻ります。
本銚子駅付近の「緑のトンネル」へ
銚子電鉄の名景の1つとして、本銚子(もとちょうし)駅の前後に、線路が木々に囲まれてトンネルのようになっている場所があります。清々しい景色の中を古い車両が走る雰囲気がとても良いのです。
今までそこでちゃんと撮ったことがなかったので、まだ時間もあることだし挑戦してみることにしました。
犬吠駅に着くと、銚子行きの列車が来るのはまだまだ先。ですが、5分後には近くの犬吠バス停から、銚子方面行きのバスが出るようなのでそちらへ向かいます。
ここで、銚子電鉄とバスが一日乗り放題の「銚子1日旅人パス」を買ってあったのがようやく活きてくるわけです。
そして、本銚子駅付近の浅間台バス停で下車。ちょうど8分後には銚子方面から列車がやってきます。
観音~本銚子間の線路わきに行き、急いで構図を考えて撮影。まさに緑のトンネルです。
ただ、手前の枝が列車にかかっているのが(フォトショマジックとか使いたくなりますが)微妙に残念。とはいえ、これを左にかわそうとすると線路側に寄らざるを得ないので、安全面を考えるとできれば避けたい感じです。
この写真は列車に木漏れ日が当たった瞬間に撮ってるのですが、この直後には陰に入って列車が真っ黒になってしまいます。
そこで、その真っ黒になった列車に露出を合わせて、もろもろ修正してみるとこんな感じになりました。
さっきの鬱蒼とした感じとは大違いの爽やかさ。同じ場所で同じタイミングで撮ったとは思えません。列車にかかる枝もそんなに目立たないし、これはできて満足した1枚になりました。
本銚子駅は、日テレの企画で駅舎がリニューアルされた駅です。
森の中の駅、という感じで、メルヘンチックな雰囲気を残してくれたのが素晴らしいと思います。
手前の自販機に屋根はついてたかな……去年に訪れた時はなかったような記憶があるのですが、思い違いかもしれません。
この駅の上には跨線橋があり、そこが列車を撮影する定番ポイントなのですが、今はこんなものが飾られていました。
ハート型にLoveと書かれたイルミネーションのようです。
たぶん、ハート型のところに顔を出して撮ろうということなのでしょう。
外川方面からやってきた銚子行き列車を撮影。
これもまた定番なんですが、いろいろ悩ましいんです。
なぜ縦構図にしたかというと、右には白い糸の束のようなものが垂れ下がっていて、左には目立つ架線柱があるために横に広げることができなかったからなのですが、今度は上側に太い枝が露出していて、それが目立ってしまいました。
自然に伸びている枝に文句を付けてはいけないのですが、この構図の場合は緑に包まれている雰囲気を出したいので、ちょっとお引き取り願えれば、という感じなのです。
色を緑に転ばせたりイエロー成分を弱くしたりして必死に抗ってはみたのですが、やはりいかんともしがたい感じ。
結局のところ、並外れた超望遠レンズで撮るか、誰かに頼んで右側に垂れ下がっている謎の糸の束を(もし可能なら)撤去してもらうのが正解なのでしょう。
撮る風景によっては、なるべく人工物を入れないようにしたり、色彩を損なうものを入れないようにしたい、ということがあります。鉄道という、撮れる場所が極端に限られる被写体ではなかなか苦労するところです。
まあ、こんな感じだとわかれば次の機会に備えて対策を立てることもできます。
屋外ではマスクは外そう
この日は最後に撮った列車にそのまま乗り、銚子駅からJRに乗り換えて帰宅。
まだ16時ごろで時間としては早かったのですが、暑くなった中をマスクを付けて長時間歩くと結構息苦しさがあって、十分に呼吸ができないことから身体に負担がかかっていた感じがありました。
すでにいろいろなところで熱中症対策が考えられていますが、都市部の雑踏や集客施設の人混みの中でもなければ、「屋外ではマスクを外す」を原則にするのが正解だと思いました。
今年はまだまだ異例のことが続きそうですが、なんとかうまく乗り切っていきたいですね。