君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

岩手県梅雨の4連休の旅 (6)梅雨時の三陸鉄道など

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宮古から久慈へ向かう三陸鉄道の列車

7月23日~26日の4連休、釜石、宮古などの岩手県沿岸を中心として旅行をしたので、その記録を順にお届けします。

前回は3日目の午後、三陸鉄道鵜住居駅を訪ねた話について書きました。

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4日目のメインイベントは、宮古から盛岡へJR山田線の臨時快速列車「さんりくトレイン宮古」に乗車するのですが、その前に、この4日間で合間合間に撮影していた、三陸鉄道を中心とした写真をお届けしたいと思います。

7月23日

SL銀河で釜石に着き、ホテルにチェックインした後、夕方に少し時間があったので列車の撮影に出ました。

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釜石に到着する直前の三陸鉄道の列車。

両石から釜石へ山を抜けてやってくる、そういう山深さが感じられるいい場所だと思います。

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さらに進んで、釜石駅構内に入っていくところ。背後の工場施設の連なりに注目して、それを強調する形で切り取ってみました。

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そして釜石駅構内を進行中。物産センター「シープラザ釜石」の裏を走ります。

この列車を待っている間、道路の向こうの方から野良猫がやってきました。

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こちらの様子を窺っています。

私がじっとしているので、「このヒトはエサをくれる善良なヒトなのかニャ?」という感じで、様子をうかがいながら少しずつ近づいてきます。

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で、通り抜けるつもりならどうぞ、と思って離れようと動いた瞬間、襲ってくると勘違いしたのか、猫はびっくりして走り去ってしまいました。

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トボトボと引き返す後ろ姿。悪いことをしました。

ちなみにこの場所、山を抜けて北の両石方面に向かう県道242号線なのですが、手前には「熊出没注意」の看板があります。車通りがあればまあ大丈夫だろうと思っていたのですが、上の写真の看板を見ると奥の方で通行止めになっているらしく、一台たりとも車が通りません。

つまり、ここはもうすでに人が通らない、人間の領域ではないのではないか、という感じがありました。

で、撮影を終えると、すぐそばの茂みから、風で揺れたのではない感じのガサガサガサ、という音がしました。もしかしたらマズいかも、と内心焦りつつ、そそくさと引き返したのでした。

7月24日

この日は宮古で瓶ドンを食べたり浄土ヶ浜に行ったりしたのですが、釜石から宮古に向かう途中、本州最東端だという岩手船越駅に寄り道をしました。

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下の写真は入口の駅舎ですが、JR時代にあった駅名標などは撤去されているものの、代わりのものは取り付けられていないようです。

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盛行きの列車が来たので撮影。

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正直、この時の写真はブレまくっていいものがないのですが、この場所で気に入っているのは、奥にチラッと海が見えるところ。こういうチラリズムが好きなんです。

曇っているうえにやませの霧が流れているのではっきりしないですが、晴れている時だともう少しはっきり見える気がします。

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釜石方面行きホームの先端。「右左指差確」の文字が並んでいます。

おそらく右側には「認」の文字があったのでしょう。ホームの入口をスロープ化するにあたって埋められた感じがします。

また、ホームが嵩上げされた跡なども伺えたりしますね。

この日の午後、浄土ヶ浜から宮古駅に戻ってきて釜石方面の列車が来るまでの間、駅西側の線路をまたぐ「出逢い橋」という橋から撮影していました。

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宮古駅を出発する久慈行きの列車。

左手前に、「北リアス線」だった頃からの三陸鉄道専用のホームがあるのですが、これは宮古~久慈間の一部の列車だけが使っていて、その他の多くの列車はJR山田線とホームを共用する形で利用しています。

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久慈からやってきた盛行きの列車。これに乗って釜石に帰ったのですが、宮古で長い停車時間があったのでこうして撮る時間を取れました。

ちょうど夕陽が沈みかける時間で、奥の小山の上に夕陽が覗いていたのですが、列車を待っている間に雲に隠れてしまったのが残念でした。

7月25日

この日は釜石駅を出発するSL銀河を撮影。その時、三陸鉄道宮古行きが同じ時刻に発車するダイヤだったので、並走するかも……と期待したのですが、残念ながら先に通り過ぎてしまいました。

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実際には、下を流れる甲子川(かっしがわ)はなかなか綺麗な川なのです。だから構図に大きく入れたというのもあるのですが、雨が強く降っていてはそれもわかりませんね。晴れた日なら、川底まで綺麗に見えるのではないかという気がします。

午後は釜石から北へ2駅の鵜住居駅へ。

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宮古からやってきた団体列車の回送。前回の記事でも掲載したカットです。

折り返し設備もなく、そのまま釜石方面に向かうと思っていたので、まさかの本線折り返しだったのですが、どうにか構図を作って撮影。

右側に並ぶ電柱を切りたくなるのですが、そうすると上の方も切れて、真っ白な部分がてっぺんに来てしまいます。それだと撮る意味自体がなくなってしまうので、あえてこうして撮っています。

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こちらも前回掲載したもの。背景に釜石鵜住居復興スタジアムを入れています。

これも電柱がバシバシ立っているのが気になってはしまいますが、復興はまず電気から。とにかく電気を通して、後から建物を建てていく。そして建てていこうとするけど利用法がまとまらず空き地のまま。それが被災地の多くの場所で見られる光景です。

もう少し山側に行けば、高台に移転した小中学校のあたりからもっとすっきり撮影ができるのかもしれません。ただ、新型コロナウイルスに気を付けないといけない状況では、本来観光客が行かない「生活の場」には、極力立ち入らない方がいいと考えていました。

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釜石からやってきた列車を撮影したカット。

この時にはもう靄もだいぶ晴れてきていました。

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駅に近づいたところでもう1枚。

この日は鵜住居を発った後、釜石を越えて盛に向かいました。

16:35に盛に到着する直前、大船渡線BRTとの並行区間に入ると、なんと左にはBRTのバスがぴったりと並走。以前、時刻表を見比べてそんなケースはないと思っていたのですが、よく見ると、バスが遅延せずに運行すれば並走もあり得るダイヤになっていました。

路線バスでよくある手法として、途中駅の発車時刻は最短の運転時分で計算するものの、終着駅の到着時刻だけは累積する遅れを見込んで遅めにしておくという方法があります*1。途中駅で早発はできませんが、終着駅に早着する分には害はないからです。

この場合、大船渡線BRTの到着時刻は16:37になっていたのですが、上りの盛→田茂山は1分なのに対し、下りの田茂山→盛は3分で設定されています。つまり、この2分は遅れ見込みで設定されたもので、遅れがなければ16:35に同着(秒単位はともかく)するようになっているのです。

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盛駅では、乗ってきた車両に続いて別の車両が入線してきたので、連結でもするのかと思ったのですが、単に車両の入れ替えで、乗ってきた車両はどうやら入庫したようです。

お目当ては盛駅近くの「坂本食堂」で夕食だったのですが、なんと臨時休業とのこと。

事前に盛駅付近の他の店もピックアップしておけばよかったのですが、そういうことを想定していなかったので、ここに行けばまず間違いない、という大船渡駅前の鮨・季節料理「ささき」さんで穴子丼とホヤの刺身をいただきました。

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坂本食堂に行く前に見送った、大船渡線BRTの陸前矢作行き。

大船渡から戻ってきたら、もうすっかり夜の闇の中でした。

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三陸鉄道の列車の隣を、大船渡線BRTのバスが発車していきました。

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夜の闇に佇む列車。

ちなみにこの列車、終点の釜石まで乗客は私1人、文字通りの貸し切りでした。

7月26日

4日目、朝の釜石駅。

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別になんてことはない写真なのですが、2~5番線にすべて列車がいるのは珍しいような気がしたのと、左右対称な感じが面白かったので撮影しました。

宮古駅に着き、まずは昼食まで、2日目と同じ出逢い橋で何本か撮影。

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釜石から乗ってきた列車は列車番号を変更し、9:23に久慈に向けて出発していきました。

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その3分後に盛岡に向けて出発した、JR山田線の快速リアス。

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そして20分後に到着した盛行きの列車。今回はもともと曇り空なので、空を入れない形で撮影しています。

この後は早めに昼食をとり、まだだいぶ時間があるので、東の閉伊川を渡るところで列車の撮影をしようと向かったのですが。

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閉伊川にたどり着いた時、宮古湾の方からものすごい勢いでやませの霧が流れ込んできました。

霧はどんどん濃くなっていきます。それでも遠くにチラッと何かが見えていれば、それで構図の作りようもあるのですが……

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背景はすっかり霧に隠れてしまい、構図に迷っているうちに列車が来て、狙いどころのないカットになってしまいました。

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昼過ぎにもう一度来てみたのですが、もはや列車のところすら霞んでしまってさっぱり絵になりませんでした。まあ、これも三陸の風物詩ですから、経験と言えば経験なのでしょう。

 

こうして見てみると、晴れのカットがないじゃないかと言われそうですが、貴重な晴れ間は浄土ヶ浜ウミネコと戯れるのに費やしてしまったのでした。

特に今回は、沿線に立ち寄るのが初めてだったので、撮影よりも食べたり見たり食べたり学んだり、そういったことを重視していました。

次回はJR山田線の「さんりくトレイン宮古」、そして宮古と盛岡のグルメの話で最終回となります。

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*1:ただし、気仙沼線大船渡線BRTの場合は、途中駅で遅れの吸収を行っているケースがあり、乗降もないのに数分間停車することがあります。