君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

宮城県南三陸町・伊里前湾を望む歌津地区「鎮魂の森」

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忘れないあの日を。南三陸町「鎮魂の森」の碑文の書き出し。

JR気仙沼線BRTの歌津駅の真上には、震災後に整備された「鎮魂の森」があります。

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鎮魂の森に建立されている「歌津観音」と、歌津地区の犠牲者の氏名が刻まれた碑。

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観音様の隣には東屋も設けられています。

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丘の一番高いところは広場になっていて、伊里前(いさとまえ)湾を一望することができます。

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切り開かれた後には植栽が行われています。

上の図は歌津駅からの行き方ですが、到達地点からさらに少し坂を登ります。

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シートで覆われた小道の先に、木の板を渡した入口があります。

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入口こそ少し危なっかしく見えますが、階段を登ればその先は平らで安定しています。

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津観音の別カット。

2枚目、左下に見えるのはBRTの歌津駅。右上に小さいながら観音像が見えます。まさに真上です。

3枚目は、駅前の商店街「ハマーレ歌津」から見上げた観音像です。

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森の先端には、「忘れないあの日を」と題された碑があります。

特に左側がブレて少し読みにくいと思いますので、全文書き写しておきます。

忘れないあの日を

二〇十一年三月十一日十四時四十六分

 宮城県沖を震源とする マグニチュード9.0、震度6弱地震が発生しました。その後すぐに地震の影響で発生した津波が沿岸部を襲いました。ここ歌津では、高さ14.7mの津波が歌津バイパスを破壊し、歌津駅の線路を越えて、この山の下にも浸入しました。

 この石碑は、後世の方々に対し津波が発生したら必ず逃げる事を伝える為に設置するものです。長い年月の中で普段起きている地震に慣れてしまう事もあるでしょう。しかし絶対に忘れて欲しくないのは、この地域は、津波がいつ来てもおかしくない場所であるという事です。大きな地震が発生し、津波に対する警報が出た場合には、すぐにこの山を含めた高台に逃げて下さい。

 この山は、建築家・安藤忠雄氏が中心となって呼びかけている「鎮魂の森」活動からの寄付金を基に、東日本大震災で犠牲になられた方々の慰霊の目的で、「南三陸町歌津地区鎮魂の森」として、たくさんの花木を植栽し、整備したものです。

ここには、合言葉となっている「津波てんでんこ」という言葉は出てきません。でも、書かれていることは同じです。シンプルな言葉に託してしまうのではなく、自らの言葉を紡いで刻まれた文章は胸に迫るものがあります。

上の碑文に書かれた「歌津駅の線路」はもうありません。

その代わり、そこには鉄路を受け継いだバスが走っています。

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初めて訪問した11月上旬の撮影。紅葉はだいぶ落ちてしまっていましたが、残った葉が森を彩っていました。

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12月末の撮影。とても冷え込んだ寒い日でした。

撮った後で、左下に見える黒いものが自分のリュックに見えて、なんでこんなものが入ってしまったのかととても落ち込んだのですが、後日、再度現場を見てみると実は違ったことがわかり安堵しました。

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こちらは2019年の大みそかの一枚。海霧があたりを包み、幻想的な雰囲気になりました。

4月になれば桜が咲くとのこと。季節ごとの姿をまた見てみたいと思っています。

 

歌津駅前には、震災後の復興商店街が前身となる商店街「ハマーレ歌津」があります。

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南三陸町志津川地区には、同じような形で整備が進められている「海の見える命の森」があります。

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