君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

JR大船渡線BRTルート図(2020年3月現在)

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大船渡市街地を走る大船渡線BRT(2020.2.24)

JR気仙沼線、JR大船渡線の鉄道線・BRT・旧鉄道線のルートや駅の位置を、「Googleマイマップ」を利用して1つのマップにまとめたものを作成しています。

本記事はJR大船渡線のまとめになります。JR気仙沼線(2020年3月時点)は下記の記事をご覧ください。

a-train.hateblo.jp

前回作成したのは2019年10月でしたが、その後の軽微な見直しや、2020年3月14日のJRグループダイヤ改正の内容を踏まえ、以下の点を更新しています。

  • 八幡大橋(東陵高校)~唐桑大沢間(唐桑小原木IC付近)のルートを道路工事に合わせて更新
  • 奇跡の一本松・陸前高田・栃ヶ沢公園駅付近のルート線を見直し
  • 2020年3月14日開業予定の陸前今泉駅経由のルートを追加
  • 2020年3月14日開業予定の大船渡丸森・地ノ森・田茂山各駅を追加

はじめに

ルート図は以下の前提でご覧ください。

  • 2020年3月14日現在(予定)のルートです。沿線の復興工事等によってルートが変わることがあるため、ご覧になった時点とは異なっている可能性があります。
  • ルートは訪問時の記憶や記録、googleマップの地図や航空写真、JRや自治体が発表している情報、一般に公開されている乗車記・訪問記などをもとに作成しています。ただし推定を多く含み、実際と一致しない可能性があります。

なお、今回より、ベースとする図面は航空写真ではなく地図としています。もともと航空写真を使用したのは、被災地の状況とBRTのルートを重ね合わせ、視覚的にイメージしやすくするのが目的でしたが、

  • 航空写真の画像が古く、現状と一致していない部分が多い
  • 下部のクレジットを短くして画像の横幅を狭め、縮小表示をできるだけ避ける
  • 駅名表示を見やすくする

といった理由から、見直すこととしました。

凡例は以下の画像をご覧ください。

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全体概要図

まずは路線の全体概要図になります。

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JR大船渡線BRT 全体概要図

鉄道部分(一ノ関~気仙沼)は省略しています。

BRT区間の全体的な特徴としては、

  • 気仙沼陸前高田間、鉄道が山間部を通っていたのに対し、海岸を走る一般道を経由する形に変更したため、ルートが大きく乖離している。
  • 沿線の気仙沼市陸前高田市・大船渡市の要望や復興事業の進展にあわせて新駅が数多く設置されている。
  • 陸前高田市中心部を抜けると、終点の盛まで全区間でBRT専用道が整備されている。

といったことがあります。

気仙沼上鹿折・長部

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JR大船渡線BRT 気仙沼-長部間

気仙沼から盛へ、下り方向に見て行きます。

まずは気仙沼から上鹿折および長部までの区間鹿折唐桑から先、鉄道は上鹿折に向かっていましたが、BRT化の際に海岸沿いの主要道を経由するルートに変更されました。このルート上に八幡大橋(東陵高校)・唐桑大沢などの新駅が設けられていることから、鉄道区間をBRT専用道として利用する考えはないものと思われます。

陸前高田までの鉄道駅であった上鹿折陸前矢作・竹駒の各駅のうち、津波で被災した竹駒駅以外は駅や路線が被災したわけではなく、このルートでの復旧も容易だったはずですが、国道沿いには漁港などもあり、そちらの方がニーズが高いように見受けられました。上鹿折から陸前高田方面、および陸前矢作・竹駒から気仙沼方面の需要量なども考慮して、こうした形にしたのではないかと考えられます。

上鹿折までのピンクの線は、大型時刻表などにも書かれている通り、ミヤコーバスのバス路線をBRTとして利用しているもの。間にはミヤコーバスの停留所が多数ありますが、この区間は途中の停留所での乗降であっても、JRのBRTとしての運賃が適用されます。

長部~陸前高田陸前矢作

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JR大船渡線BRT 長部・陸前矢作陸前高田

岩手県に入り、陸前高田駅から西側の区間

鉄道ルートで上鹿折の次の駅となる陸前矢作は、BRTでは陸前高田から分岐する支線として行き止まりの駅となります。昼間は陸前矢作陸前高田区間運転のみですが、朝夕には陸前矢作-盛を直通する便も設定されています。

奇跡の一本松から盛方面に向かう経路が少しわかりにくいですが、東側から回り込んで陸前高田駅のバスターミナルに入り、折り返して東に向かう経路となっています。

2020年3月14日に開業する陸前今泉駅は、既存の国道45号を経由するルートから外れ、一部の便が迂回して停車する形になります。

停車する便は、気仙沼~盛間の便のうち、これまで高田高校前・高田病院(いずれも後で登場)に停車していた便で、3月14日より、この3駅を経由しない便が「快速」と表示されます(新しく反映されるのは駅や車両での表示で、JR東日本の運行情報システム「どこトレ」ではすでに「快速」「普通」と表示されています)。

なお、国道45号自体、ゆるやかながらカーブや起伏が多く、津波で浸水した区間もあります。そのため、一部で山側に付け替える工事が行われており、完成した際にはそちらにルートが変更になるものと思われます。

陸前高田~西下

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JR大船渡線BRT 陸前高田-西下間

陸前高田駅から東側の区間

高田高校前・高田病院に停車するのは、気仙沼~盛間の一部の便(これが前述の陸前今泉にも停車します)と、陸前矢作~盛間の全便です。

脇ノ沢駅は、鉄道駅から大きく離れた場所に設けられました。もとの鉄道区間は海岸沿いであり、移転促進区域とされていることが理由ではないかと思います。

西下駅は、2019年3月のJRダイヤ改正に合わせて開業した新駅になります。

西下~下船渡

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JR大船渡線BRT 西下-下船渡間

小友駅の手前から専用道に入り、以降は全区間が専用道となります。

碁石海岸口駅は観光地(碁石海岸)の入口として、また仮設住宅の最寄り駅として2013年に開設された駅。

2020年3月14日には大船渡丸森駅が開業します。こちらも大船渡湾を高台から一望でき、付近に旅館やホテルが何軒かある、観光地としての性格が強い場所になります。

(2020/10/26補足)

2020年9月時点で、西下~小友間の経路が変更されているのを確認しました。アップルロードから専用道へ向けて右折する道路が、大型車通行止めになっているための暫定措置のようです。ダイヤや駅の位置に影響がないためか、JRなどからのアナウンスがなく、期間も不明なため補足情報として記載します。

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西下~小友間の本来の経路

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西下~小友間の迂回経路(2020年9月5日、24日確認)

この迂回経路は、2018年に小友駅西側の専用道が現在の場所まで延伸されるまでの経路に戻った形になるようです。

下船渡~盛

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JR大船渡線BRT 下船渡-盛間

大船渡市街地を南北に貫く区間

2015年12月に大船渡魚市場前駅が新設され、2020年3月14日には大船渡~盛間に地ノ森・田茂山の2駅が開業します。下船渡~盛間は市内交通として利用する方も見られ、駅の増設によってさらに利便性が向上します。

BRT沿線の他の自治体では、病院経由に経路を変更したり、一部の便が迂回しているのですが、ここでは大船渡病院への迂回は行われていません。あくまで推測ですが、大船渡病院を経由する岩手県交通のバスの便数がそれなりにあるため、BRTの迂回はそこまで重要ではないと考えられているのではないかと思います。

JR東日本がBRTでの本復旧にあたって地元に示したメリットの中に、「終着駅からさらに学校近くまで運行区間を延長可能」というものがあります。これは、おそらく盛駅から北側、大船渡高校までの延長を示唆しているのではないかと思われるのですが、こちらはまだ実現には至っていません。