君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

実りのBRT沿線を訪ねる (4)大船渡魚市場前駅・小友駅・陸前高田駅

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小友駅を発車し、碁石海岸口駅に向かう大船渡線BRTのバス

気仙沼線BRT・大船渡線BRTの稲刈り前の風景を訪ねた記録をお届けしています。

前回は9月下旬の4連休の初日、気仙沼線の本吉駅・陸前小泉駅付近の風景をご紹介しました。

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2日目は日曜日。気仙沼魚市場に水揚げされるカツオが、気仙沼が休みの日曜日には大船渡に揚がり「サンデーカツオ」と呼ばれているとのことで、市場が動いているところを見られるのではないかと思い、向かってみることにしました。

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5:35ごろの気仙沼駅。曇りの朝ですが文句を言ってはいけません。そもそもこの4連休、基本的に雨続きの予報だったのが直前になって持ち直してくれた感じだったので、雨が降らないだけでも上々です。

駅前にいるのは気仙沼線BRTの回送バス。気仙沼駅周辺は気仙沼線大船渡線のバスが入り乱れるのですが、見分け方の1つ*1としてラッピングされているキャラクターがあります。このバスは南三陸町のオクトパス君(タコのキャラクター)がラッピングされているので、南三陸町を通る気仙沼線のバスということになります。

陸前高田市のたかたのゆめちゃん、大船渡市のおおふなトン、岩手県のそばっちがラッピングされているのは大船渡線ということになりますが、気仙沼市の海の子ホヤぼーや、宮城県むすび丸はどちらにも登場するので要注意です。

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そんなわけで、5:45の盛行き初発に乗車します。

船は来なかった大船渡魚市場前駅

大船渡魚市場前駅に到着したのは7時前。

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すぐに盛方面からバスがやってきました。

手前に魚市場、奥に太平洋セメントの工場が入る大船渡らしい景観が好きでよく撮る構図なのですが、これで市場が動いていればなあ、といつも思ってしまうのです。

7時になると、大船渡にはエーデルワイスの心地よいワルツが流れます。

ふと思い立って録音してみたのですが、そこが国道45号の歩道だということを完全に失念していました。大小さまざまな車の走行音を録音したかったんじゃないんです。

そちらに気を取られていると、盛行きのバスがやってきました。

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構図を作る時間も、レンズを変える時間もなかったのでとりあえずシャッタースピードを落として流し撮り。微妙に決まってないですが……

さて、市場の方ですが、ずっと眺めていても特に動きはないようでした。サンデーカツオと言っても、必ず入ってくるわけではないようです。

大船渡市魚市場のサイトには日々の入船情報が掲載されているのですが、この日の情報はずっと更新されなかったので、結局入船はなかったのでしょう。

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大船渡駅の南側から大船渡魚市場駅にかけて、専用道の脇ではずっと改修工事が続いています。防潮堤を設けるように見えます。

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大船渡魚市場駅を発車する盛行き。

さて、市場が動かないのではここにいても仕方がないので、別の場所に向かうことにします。

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駅に戻る途中に見つけたのは津波碑。名義を見ると私設の碑のようです。人々がそれぞれに津波の惨禍を伝えようとしている、そういう場所だということを改めて感じさせられました。

8:05発の陸前矢作行きに乗車。途中、雲が切れて日が射してきたので、周囲に水田が広がる小友駅で降りてみることにしました。

金色の稲穂が広がる小友駅

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下車した直後の小友駅。青空が見えています。

小友駅は2週間前にも訪ねていたのですが、その時よりも稲穂の色が濃くなっているように見えます。

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また、その時は曇りで夕暮れに向かう時間帯だったのですが、今日は晴れた朝ということで、また違った風景になるのではないかと思います。

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盛行きの便が、西下からやってきて小友駅を発車していくところまで3カット撮影。

この日も、西下~小友間は迂回経路になっていました。当分続くことになるのかもしれません。

便によっては運転士さんが迂回することを謝っていたりしましたが、公共工事の影響であり、駅間の経路が変わるだけで駅の位置が変わるわけでもなく、ダイヤに大きな影響があるわけでもないので、気にすることはないと思います。

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次の気仙沼行きの便が碁石海岸口からやってきました。

これは逆光の方向になるのですが、上の3枚と比べると、緑の葉が陽光で黄色く輝き、色合いが変わるのが面白いですね。

最後は箱根山をバックに撮ろうと思ったのですが、待ってる間に曇ってしまいました。

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ここで小友駅を後にして、陸前高田駅へ向かいます。

陸前高田駅前「まちの縁側」テラスから

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陸前高田駅前には、アムウェイハウス「まちの縁側」ができています。観光案内所やカフェの他、住民向けのコミュニティスペースもあり、屋上がテラスとなっています。

気仙杉を使用した複雑な形状、というと設計者の名前が思い浮かんできますね。そう、新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅などでおなじみ隈研吾氏の設計になります。

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震災遺構の旧道の駅高田松原(TAPIC45)の前を通る大船渡線BRT。展示施設として整備するための工事中です。

右奥には、復興祈念公園の「海を望む場」に集まる人の姿が見えます。

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後の便でも、この付近で何枚か撮影しました。

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高田松原第一球場(楽天イーグルス 奇跡の一本松球場)の前を通過する盛行きのバス。

何枚かこの構図で撮ってきましたが、試合が行われているところは初めてでした。

今まではモノでしかなかった球場も、スコアボードが動くことでそこでプレーする人の姿が想像できる。そういう点ではまた違った意味を持つのではないかと思います。

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陸前高田駅前の複合商業施設「アバッセたかた」の前を通る陸前矢作行きバス。

これはテラスの上でないと得られない構図でした。

奥に建設中の建物が見えますが、これは新しい陸前高田市役所。現在の市役所は栃ヶ沢公園駅の目の前で仮設の状態です。

陸前高田駅が市役所前から今の場所に移転した時、なぜ元の場所を「陸前高田市役所」とかではなく「栃ヶ沢公園」という駅名にしたんだろうと思ったのですが、移転する予定だったのですね。

他のバス会社は市役所であることがわかるバス停名にしていますが、JRの場合、駅名を変えるだけでも波及範囲が広大なので、予めそれを避けておくのはJRらしいかもしれません。

ちなみに、奇跡の一本松~陸前高田間では、川原川の東側を回り込むのが現在の経路ですが、工事中だった西側の経路(下図の細いオレンジ色の線)が開通しました。

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大船渡線BRT・奇跡の一本松~陸前高田間のルート図

こう見るとどちらが近いのか割と微妙ですが、もしかしたら経路が変わるのかもしれず、そうだとすると復興祈念公園の前や球場のそばを通る風景は見納めになるのかもしれません。

陸前高田駅付近で昼食をとって、さらに別の場所へ。次回に続きます。

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*1:他には、ナンバープレートが見えるなら宮城ナンバーと岩手ナンバーの違い、前面・背面に最高速度の表示があるのが大船渡線……などの見分け方もあります。