「ぐるっと九州きっぷ」を利用して福岡・熊本・鹿児島を巡るシリーズ。
鹿児島市内を活躍する市電の姿を堪能した後、2日目は、鹿児島から熊本まで、特急「はやとの風」・「しんぺい」・特急「かわせみ やませみ」と観光列車の乗り継ぎになります。
市電で到着した鹿児島駅は、建て替えのため仮設駅舎での営業でした。
鹿児島中央を発車した特急「はやとの風」2号が定刻通り到着しました。
木のぬくもりと落ち着きのある車内。日よけも簾となり、ゆとりを感じます。
特急「はやとの風」は、キハ147形・キハ47形を改造した2両編成の観光列車。吉松~鹿児島中央間を、肥薩線・日豊本線を経由して1時間半前後で結びます。
錦江湾と桜島の絶景
鹿児島を出てすぐ、列車は錦江湾沿いを走ります。湾の向こうには雄大な桜島。
山頂は朝からずっと雲をかぶっていますが……
重富駅を出ると湾岸を離れます。
その時に入ったのが、アテンダントの車内販売の案内。
まずはみんなで錦江湾の絶景を堪能し、それが一段落して次の楽しみを探そうというところにあわせた、とてもうまいタイミングだと思いました。
歴史ある駅舎と山里の路線へ
嘉例川駅は開業して100年以上になる歴史ある駅舎。
線路はさらに山中へ分け入っていきます。
嘉例川駅から車内に積み込まれた駅弁「かれい川」。
名物はサツマイモの天ぷら「ガネ」。よく実家では親がサツマイモを輪切りにした天ぷらを作ってくれましたが、そうではなく野菜などと混ぜたタネを揚げたもの。ホクホクとして食べ応えがあり、様々な食材の味が詰め込まれつつ、サツマイモの甘みがそれらをまとめ上げたとても美味しい天ぷらでした。
大ぶりなシイタケとタケノコの炊き込みご飯、そして千切りの煮物は春巻きのような薄皮に包んで揚げてあるなど、オリジナリティあふれる弁当で、これは文句なしにお薦めできます。
こちらも古い駅舎が残る大隅横川駅。
嘉例川駅は8分、大隅横川駅は6分の停車時間があり、時間をとって駅舎を見ることができます。
山里のゆるやかな空気の中を進み、終点の吉松駅に到着しました。
海から山へ移り変わる車窓。それに合わせて用意されている、車内販売や駅の長時間停車などのイベント。JR九州の観光列車は「D&S列車」(デザイン&ストーリー)と銘打たれていて、デザインとともに「ストーリー」が重視されていますが、なるほどこういうことなのか、とその醍醐味を感じさせられる旅路でした。
次回は各駅停車の観光列車「しんぺい」でさらに肥薩線を進みます。