君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

「ぐるっと九州きっぷ」3日間の旅 (12)三角線途中下車の旅 御輿来海岸と秘境っぽい駅

f:id:katayoku_no_hito:20190916085548j:plain

三角線で運行されているキハ147形

「ぐるっと九州きっぷ」を利用して福岡・熊本・鹿児島を巡るシリーズ。

2日目は鹿児島から熊本までJR九州が誇る観光列車(D&S列車)3本を乗り継いだ後、熊本にて市電を中心に街を巡りました。

a-train.hateblo.jp

3日目は熊本駅から三角(みすみ)線を往復し、夕方に東京へ帰ります。

午前中は三角線を途中下車して沿線を訪ね、午後は三角から熊本まで異色のD&S列車、特急「A列車で行こう」に乗車します。

今回は三角駅へ向かうまでをお送りします。

熊本駅にて

f:id:katayoku_no_hito:20190916083828j:plain

3日目もバリバリの快晴。そして9月中旬とは思えない猛暑です。

f:id:katayoku_no_hito:20190916084609j:plain

鹿児島本線鳥栖行きと八代行き。どちらも2両編成。

熊本駅は在来線も近代的な高架駅ですが、かつての特急「つばめ」のような都市間特急がなくなり、長い編成がほとんど来なくなったところに一抹の寂しさも感じたりします。

f:id:katayoku_no_hito:20190916085100j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916085121j:plain

近代的と言っても、上屋や柱には木が使われており、少しゆったりとした質感があります。

f:id:katayoku_no_hito:20190916084751j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916084754j:plain

SL人吉と特急「A列車で行こう」の発車案内。英語表示の「Ltd.Exp.A-^ 1」が、なんかWindowsの省略されたファイル名*1みたいな感じで面白かったです。

f:id:katayoku_no_hito:20190916085323j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916085351j:plain

三角線に向かうキハ147形がやってきました。数字はだいぶ違いますが、これもキハ40系のグループに位置づけられる車両になります。

三角線普通列車に乗って

f:id:katayoku_no_hito:20190916085548j:plain

f:id:katayoku_no_hito:20190916085635j:plain

モケット(座席のカバー)は新しくなっていますが、色合いとしては昔のブルーのボックスシートの雰囲気が残っています。

9:02発の三角行きで出発。鹿児島本線を南へ進み、宇土駅から分岐して三角線に入っていきます。

f:id:katayoku_no_hito:20191217222759p:plain

三角線の運行ルート。Googleマップより

三角線は「あまくさみすみ線」の愛称があり、宇土半島の先端の三角駅からは、道路や船で天草諸島へ向かうことができます。

住吉までは熊本都市圏の郊外を進み、赤瀬までは半島の北岸、海上の絶景で知られる「長部田海床路(ながべたかいしょうろ)」や「御輿来(おこしき)海岸」沿いを走ります。赤瀬から南に進んで半島を跨ぎ、南西端の三角駅に至ります。

f:id:katayoku_no_hito:20190916092431j:plain

緑川~住吉間、郊外の田園地帯を進みます。

f:id:katayoku_no_hito:20190916092738j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916092839j:plain

住吉駅で列車交換。キハ40系列と並んで運行されている、キハ200形の真っ赤な車両。

三角線には微妙に似合わない気がしますが、肥薩線などと共通運用なのかもしれないですね。

f:id:katayoku_no_hito:20190916093138j:plain

住吉からは海岸に出ます。

f:id:katayoku_no_hito:20190916093159j:plain

長部田海床路。海に続く電柱が印象的なのですが、潮が引くとその下に道が出てきます。本来は海苔の養殖などの漁業用に作られた通路らしいです。

夕景が有名な場所ですが、あいにくそこまで滞在する時間はありません。

f:id:katayoku_no_hito:20190916093332j:plain

ボートが集まる小さな漁港の雰囲気が素敵です。

f:id:katayoku_no_hito:20190916093955j:plain

途中の網田(おうだ)駅で下車しました。

f:id:katayoku_no_hito:20190916094705j:plain

木造駅舎は熊本県内最古の駅舎で、国の登録有形文化財にも指定されているとか。

御輿来(おこしき)海岸にて

f:id:katayoku_no_hito:20191217230608j:plain

網田駅から御輿来海岸展望所へのルート。Googleマップより

網田駅から1kmちょっとのところに、海岸を一望できる展望所があるとのことで行ってみます。

1kmといっても行く先は展望所ですから、家並みを抜けるとどんどん坂道を登っていくわけで、猛暑の中では結構大変です。

途中、画像の中央下あたりに見える川沿いの公園からショートカットできそうな細い階段があって、そこを登ってみたのですが、実はほとんど使われていないらしく、蜘蛛の巣がたくさん絡みついてひどい思いをしました。公園から素直に西側へ抜けると、画像のルートよりは少しショートカットになるかと思います。

てっぺんまで行くと、ガイドさんと思われる方がおられて、夕景がお薦めだということを教えていただいたのですが、残念ながらそこまではいられません。

展望所には小屋があって、そこから風景を眺めることができます。

「三脚での場所取り、撮影禁止」という注意が掲示されていて、やっぱりいろいろトラブルがあったんだろうなあ、ということが想像できてしまったりします。

f:id:katayoku_no_hito:20190916101447j:plain

西側、海岸の向こうには雲仙普賢岳の姿が。前日の桜島に続いて今日も雲をかぶっていて、なんでこう雲をかぶるのが好きなんだろう、とため息が出てしまいます。

f:id:katayoku_no_hito:20190916102130j:plain

海の色が違うのは手前側が干潟だから。日没と干潮が重なると、干潟の凹凸が夕日に映える絶景を見ることができるそうです。

f:id:katayoku_no_hito:20190916102350j:plain

北側に目をやると、熊本市の西側と思われる港湾地帯もなんとなく見えます。

実はここは、三角線の鉄道風景写真が撮れる場所でもあります。

f:id:katayoku_no_hito:20190916102927j:plain

以前から撮ってみたかった、俯瞰で列車をごく小さく置いた構図。左上の山裾に車両らしきものが見えると思います。

とはいえ、日の当たる前面はそれなりに見えているのですが、影になる側面は完全につぶれてしまっていて、使っていたデジカメの限界を感じさせられた一枚でもあります。

f:id:katayoku_no_hito:20190916103656j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916103027j:plain

f:id:katayoku_no_hito:20190916103640j:plain

こんな感じで、他に誰もいない展望所でのんびりしながら、熊本行きのキハ147形と、三角行きのキハ200形を撮影。

この辺で、海岸の方へ降りていくことにします。

f:id:katayoku_no_hito:20191217232844j:plain

御輿来海岸展望所から網田海岸公園へ。GoogleMapより

こちらも歩いて1kmちょっと。線路沿いまでやってきました。

f:id:katayoku_no_hito:20191217233150j:plain

特急「A列車で行こう」1号の三角行きがやってきたのでバシッと撮影。時間的にぎりぎりだったのですがなんとか間に合いました……と思ったのですが、シャッタースピードが遅くて動体ブレしていた残念写真。以前はこういうミスが多かったんですよね…

f:id:katayoku_no_hito:20190916110418j:plain

こんな感じの海岸風景です。暑いのですが、爽やかな海風が心地よく、この場所でのんびりしているのも全然平気です。

f:id:katayoku_no_hito:20190916110334j:plain

海岸公園の小屋や整備された海岸が見えますが、小屋の向こうの山の上に、小さい赤や茶色の建物がいくつか見えると思います。さっきまでいた展望所があのあたりになります。

f:id:katayoku_no_hito:20191217233721j:plain

f:id:katayoku_no_hito:20191217233737j:plain

ここで撮りたかったのは普賢岳を入れた構図でした。

今見ると真ん中の電線が残念ですが、さっきまで普賢岳にかかっていた雲も取れてきてなかなかいい感じです。

さて、ここから網田駅まで戻るのは遠いので、近くにある「御輿来」バス停から、西側の「赤瀬」バス停まで産交バスで移動します。バスの本数は少ないのですが、列車もバスも時刻は綿密に調べてあったので、少ない待ち時間で無駄なく動くことができました。

f:id:katayoku_no_hito:20190916115501j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916115510j:plain

f:id:katayoku_no_hito:20190916115727j:plain

事前にガチガチに予定を固めて、その通りに移動するだけの旅など楽しくない、という主張も同意しますが、限られた時間で、公共交通機関の本数も少ない場所を移動しようと思うとやむを得ない面もあります。

この海岸から、赤瀬駅に向かって歩いていきます。

秘境っぽい感じの赤瀬駅

f:id:katayoku_no_hito:20191217234939j:plain

赤瀬駅までのルート。260mと出ていますが、この間に、海岸から海抜46mまで登ります。ざっと計算すると180‰となります。

f:id:katayoku_no_hito:20190916115830j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916115851j:plain

f:id:katayoku_no_hito:20190916120227j:plain

見るからに急な坂道をどんどん登ります。途中、枝分かれがあったりして、特に駅への案内もないので迷いそうになりますが…

f:id:katayoku_no_hito:20190916120433j:plain

登ったところから海岸方向を振り返っても、いかに急な坂道かわかります。

f:id:katayoku_no_hito:20190916120636j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916120603j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916120710j:plain
f:id:katayoku_no_hito:20190916120753j:plain

赤瀬駅に到着。

山の中の木々に包まれた静かな駅で、雰囲気はいかにも秘境駅なのですが、歩いて数分で海岸の集落まで出られるので、「秘境っぽい駅」というところでしょうか。

f:id:katayoku_no_hito:20190916121501j:plain

森の奥から姿を現した三角行きの列車に乗車。

三角駅の様子と、帰路の特急「A列車で行こう」については次回とします。

a-train.hateblo.jp

*1:かつて、初期のWindowsのファイル名は英数字で「8文字.3文字(拡張子)」でした("A-TRAIN.JPG"のような)。今はもっと長いファイル名("Limited_Express_A-Train.jpg"みたいな)が使えますが、古いシステムにしか対応していないソフトだと、長いファイル名は"LIMITED~.JPG"みたいに8+3文字に省略されます。