君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

「ぐるっと九州きっぷ」3日間の旅 (2)復元された門司港駅と海峡沿いのトロッコ列車

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関門海峡沿いを走る、北九州銀行レトロライン「潮風号」

 「ぐるっと九州きっぷ」を利用して福岡・熊本・鹿児島を巡るシリーズ。前回はプロローグとして山陽新幹線で九州に降り立ち、鹿児島本線門司港まで来ました。

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九州での最初の活動として、関門海峡に面する港町であり、レトロな美しさにあふれ、そして可愛らしい観光トロッコ列車が走る門司港エリアを散策します。

今回は、時系列とは必ずしも一致しないのですが、

  1. 創建時の姿にリニューアルされた門司港駅
  2. 関門海峡沿いを走るトロッコ列車

の2点に整理してご紹介します。

創建時の姿にリニューアルされた門司港駅

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1914年(大正3年)に現在の駅舎が完成した門司港駅。老朽化・耐震補強の必要があり、それにあわせて観光地としての魅力を高めるため、創建時の姿にリニューアルする工事が行われており、今年(2019年)3月にそれが完了していました。

www.city.kitakyushu.lg.jp

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「古い」「懐かしい」だけではなく、今でも通用する優美さと華やかさを兼ね備えた駅舎だと思います。

以前の駅舎は例えば下記の記事などから見ることができますが、入口前を横切る屋根や様々な設備を排除し、駅舎の存在感を際立たせているのがわかります。

www.ana.co.jp

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入口を入ったところのコンコース。

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櫛型のホームの前にはこのように美しく花が植えられ、車輪や腕木式信号機など、かつて使用されていた鉄道設備が展示されています。

門司港駅に隣接して九州鉄道記念館がありますが、今回は訪問しませんでした。

www.k-rhm.jp

以下はホームの写真になります。

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意図的に現代的な整備を避け、九州の鉄道における一大ターミナルだった時代の雰囲気を満喫することができます。

関門海峡が鉄道で結ばれたのは1942年7月1日。旅客輸送を開始したのは11月15日で、それまでは下関と門司港(当時は門司駅)の間は連絡船で移動していました。

関門海峡沿いを走るトロッコ列車

門司港駅に隣接する「九州鉄道記念館」駅から、関門海峡に面する「関門海峡めかり」駅まで、可愛らしいトロッコ列車が走る観光鉄道「門司港レトロ観光線北九州銀行レトロライン)」が運行しています。

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北九州銀行レトロラインの路線(Googleマップより)

間に「出光美術館」「ノーフォーク広場」の2駅がある2.1kmを、10分で結ぶ路線です。

公式Webサイトは下記になります。

www.retro-line.net

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門司港駅を出て歩き出したところで、目の前の踏切を横断していきました。

列車自体もさることながら、踏切を囲むレンガや背景の建物の雰囲気などで、異国情緒が漂っているような感じもします。

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窓ガラスのないトロッコ車両2両に、前後に小型機関車を連結した4両編成。青で統一された明るい外観です。

ヘッドマークに「10」の文字が見えますが、休止された貨物線を利用し、2009年4月に開業して今年が10周年になります。設備の保有と列車の運行を分離する「上下分離方式」で、列車の運行を担うのが平成筑豊鉄道。もともとは国鉄から転換した第三セクター鉄道を運営する事業者です。

また、機関車はかつて南阿蘇鉄道で運行されていたもの、トロッコ車両島原鉄道で使用されていたものを利用するなど、できるだけ既存のリソースを利用する形で営業されています。

正式な路線名は「平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線」で、「北九州銀行レトロライン」はネーミングライツに基づく愛称です。

毎日運行されているわけではなく、3月中旬から11月中旬の土・日・祝日と、春休み・夏休み期間のみの運行なので、詳しくは公式Webサイトでご確認ください。

街を歩いていると、関門海峡めかり駅からの列車がやってきました。

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出光美術館駅を発車する列車。

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南側の踏切を渡るところ。遠くに関門大橋が見えます。

この折り返しの列車に乗るため、始発となる九州鉄道記念館駅に向かいます。

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購入した乗車券がこちら。乗車1回は300円で、往復乗車する場合に購入するのがこのフリー乗車券になります。

この金額は2019年10月以降も変更されていません。ただ、2020年3月以降はまた変わるかもしれませんので、公式Webサイトでご確認ください。

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発車時刻ぎりぎりに乗り込んだのでほとんど満席で、眺めがいい海側の座席は取れませんでした。

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車内は木製のボックスシートで、間にテーブルが置かれています。

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車窓からは関門海峡の風景を堪能できます。

ノーフォーク広場駅を出ると、終着駅に向けトンネルを通っていきますが、その間は天井を利用したプロジェクションがあります。ほんの2分ほどですが、観光鉄道として隙のない演出に感心しました。

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関門海峡で獲れる魚などを描き出しているそうです。

トンネルを抜け、和布刈(めかり)公園の横を通り抜けたら終着駅「関門海峡めかり」駅。

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関門海峡めかり駅は、関門大橋のたもとにあってその姿を間近に見ることができます。駅のすぐ隣にはEF30電気機関車とオハフ33形客車が静態保存されています。

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海峡を行き交う船の往来も間近で見ることができます。

この折り返しの列車に乗り、そのまま門司港駅まで戻る予定でしたが、海峡の景色があまりにも素晴らしく、ただ通り過ぎるのはとてももったいないと思い、次のノーフォーク広場駅で飛び降りるように下車してしまいました。

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海峡沿いの風景を満喫しながら歩いていきます。

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その途中で、門司港駅の方から列車がやってきたので、関門大橋をバックに撮影。

線路沿いに咲く花々、関門大橋とそのたもとのボート群。門司港の美しさを凝縮したような1枚となりました。

ノーフォーク広場駅から次の出光美術館駅付近にかけては、線路沿いに遊歩道が整備されています。その街歩きは次回にご紹介したいと思います。

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