「ぐるっと九州きっぷ」3日間の旅 (1)山陽新幹線で九州入り、そして門司港へ
2019年9月中旬の3連休、福岡・熊本・鹿児島を3日間旅行した記録を新シリーズとして始めます。
今回使用したのは「ぐるっと九州きっぷ」という、連続した3日間有効のフリー乗車券になります。
JR九州の普通・快速列車に乗り放題の他、特急券を買えば九州新幹線や特急にも乗車できるという自由度の高い乗車券で、14,770円(2019年10月現在)。
類似の九州全域のフリー乗車券に「旅名人の九州満喫きっぷ」(11,000円、2019年10月現在)があり、こちらはJR九州に限らず、九州内の他の鉄道も利用することができ、また、「3ヶ月以内に3人日」ということでまとまって使う必要もありません。しかし、特急列車や新幹線には使用できない(別途乗車券も購入が必要)ということもあり、利用シーンに合わせて適した方を選ぶことになります。
東海道・山陽新幹線で九州へ
東海道新幹線はもう見飽きたぐらい乗っているのですが、意外と山陽新幹線に乗る機会は少なかったのです。
大昔に九州に行った時には、行きは夜行快速の「ムーンライト九州」、帰りは山陰本線周りで急行「だいせん」とか、本当にいつの話をしているんだという感じの列車を利用していました。
乗ったことがあるのは広島までで、それもバイトの仕事で1往復だけ乗ったという程度だったので、ほとんど初めてみたいなものです。
山陽新幹線は確かにトンネルが多いのですが、車窓の変化も存分に楽しめましたので、その一端を簡単にご紹介したいと思います。なお、A席だったのですべて南向きになります。
京都・新大阪
ホームから見えるホテル京阪と、出発してすぐに見える東寺。
京阪系はこういうところにもちゃんと、京阪グループのロゴを付けてるんだな、ということに気づきました。
新大阪を出ると、眼下にはJR西日本の在来線で大阪駅のバックヤード的な位置づけの宮原総合運転所が見えます(正確には網干総合運転所宮原支所ですが、この方が通りがいいのではないかと)。
もう少し進むと、大阪駅北側にある梅田スカイビルの、中央が空洞になった独特の外観を見ることができます。
相生付近
新大阪を出てしばらく行くと六甲山地を貫くトンネルに入り、そのわずかな空間に新神戸駅。
そして姫路・相生を過ぎ、在来線が山陽本線と赤穂線に分かれるのが一瞬見えると、のどかな里山の風景が車窓に広がるようになります。
岡山付近
岡山を出発したところで、眼下の車庫を埋め尽くす黄色一色の編成。113系電車の他に117系電車の姿も見えます。
復刻塗装された113系の姿もちらっと見えていますね。
車内販売の「おにぎり弁当」
朝、諸般の事情で朝食にありつけず、ようやく買えた朝食。
岡山の弁当屋「みよしの」さんのお弁当。定番の内容ですが、それだけに安心して食べられる朝食向きのお弁当です。
徳山付近の沿岸工業地帯を走る
山陽新幹線は基本的に海沿いを走るというイメージがなかったので、小倉はまだ先にもかかわらず海が見えてきた時にはびっくりしました。
この付近が、山陽新幹線で一番わくわくする車窓かもしれません。
どのへんを走っているのかもよくわかっていなかったのですが、ここで見えた社名で、徳山付近だということを知りました。
そして九州へ…
しばらくすると海岸を離れ、また田園風景の中を走っていきます。
やがて関門海峡をトンネルで抜け、久々に九州の地を踏むことになりました。
小倉駅で下車し、発車する列車の後ろ姿を撮るつもりでした。
前にも同じように列車を撮っている人がいて、まあそれも仕方ないと思っていたのですが……
最後尾の車掌さんが見えると、なんと抱きかかえられた子どもさんと手を振っているのが見え、思わずアングルを変更。
ズームとかピントとか気にしている場合ではなく、これは後でトリミングしたものですが、思わず笑顔がこぼれてしまう、最高にほっこりした気持ちで九州の旅を始めることができました。
レトロな港町、門司港へ
一旦改札を出て、JR九州のみどりの窓口で冒頭に書いた「ぐるっと九州きっぷ」を買い、在来線ホームへ移動。
JR九州で唯一、交直流に対応した近郊型(したがって下関へ乗り入れ可能)である415系電車はまだ頑張っています。最近導入された821系やYC1系に置き換えられていくようですが…。
門司港行きの813系電車。登場した頃は「ドアだけ赤く塗る」という発想がとても斬新で、鮮やかな赤と相まってJR九州のブランドイメージ向上に大きく貢献した車両と言えると思います。
門司港駅に到着。昔のターミナルの雰囲気を演出するためか、意図的に照明を落としてあるホームが印象的です。
次回は、可愛らしい観光鉄道と美しい海峡の風景、レトロな街並みが楽しい門司港編になります。