もうすぐ夏本番!ということで、旅行に関する話も界隈では賑やかになってきました。
JR全線の普通列車等が定額乗り放題の「青春18きっぷ」が7/1より発売されており、そのノウハウに関する話も盛んです。
上記の記事を見て、私なりの旅程の作り方を書いてみようかなと思いました。「青春18きっぷ」の話ではありませんが、制限が違うだけで考え方は一緒です。
一直線に進むだけだったり、行って帰ってくるだけの旅程では面白みに欠けるので、昨年10月、北海道で札沼線に乗り、室蘭に行って本州へ抜けた周遊型の旅程を題材にしてみようと思います。
当時の記録としては下記の記事をご覧ください。
まずは「外せない列車」を挙げる
この日の出発は札幌駅、ゴールは本州の宇都宮駅です。必須なのは「一日1本の札沼線(石狩当別~新十津川間)の列車に乗ること」と、「指定席を取ってある帰りの特急・新幹線に乗ること」です。
上の記事では「本数の少ない区間」から決めるとあり、それも重要な要素ですが、さらに重要なこととして、
- 予め指定席を取ってある列車
- 旅行の目的となる一日1本とかの限定的な列車(観光列車や臨時列車含む)
があります。
まずはそれを書き出します(ダイヤ、列車名は2018年10月時点のものです)。
事前には昼間に札幌で滞在時間を取る予定でした。
(札幌→石狩当別)
(新十津川→札幌)
(札幌で昼食+何かする 市電、すすきの、藻岩山 etc.)
これを核に、旅程を決めていきます。
乗り継ぎ・滞在時間にはゆとりをもって
朝は札幌から石狩当別へ向かうのですが、候補となる列車を2本挙げておきます。
札幌 6:39-7:18 石狩当別
札幌 6:58-7:38 石狩当別(新十津川→札幌)
(札幌で昼食+何かする 市電、すすきの、藻岩山 etc.)
本線は札幌 6:39発の列車です。石狩当別での乗り継ぎ時間が27分あり、余裕をもって希望する座席を確保できるのではないかと思われるのと、万一朝から体調がすぐれずにトイレに行きたい時などにも対応できます。
ただ、朝が早いこともあり、寝坊の恐れもないではありません。万一、若干寝坊してしまった場合でも(2本目にも乗れないぐらい寝坊したら論外ですが)落ち着いてバックアップができるよう、あらかじめリストアップはしておきます。こうしておくと、当日予定外の何かが発生した際にもあまり慌てずに済みます。
旅程は二重化しておくと便利
新十津川から札幌に戻るには、鉄道では2つの方法があります。
事前にはどちらにするか決めかねていたので、当日の流れで判断できるよう、両方書き込んでおきます。
札幌 6:39-7:18 石狩当別
札幌 6:58-7:38 石狩当別<滝川ルート>
新十津川役場 9:50-10:04 滝川駅(バス)
新十津川役場 9:56-10:07 滝川駅(バス)滝川 10:32-[ライラック 16号]-11:25 札幌
<札沼線ルート>
新十津川 10:00-11:18 北海道医療大学
北海道医療大学 11:29-12:15 札幌(札幌で昼食+何かする 市電、すすきの、藻岩山 etc.)
新十津川での滞在時間が読めないこともあり、候補となるバスが2本あることも確認しておきます。ここまで決めておけば、当日どうなってもだいたい対応できると思います。
事前にはこんな感じで決めておき、当日になりました。
現地で予想外のイベントが
朝は予定通り札幌6:39発の列車に乗ることができ、石狩当別で余裕をもって乗り継ぎができました。
新十津川に着いてみると、閑静な終着駅かと思っていたら、3連休ということでイベントが催されていて予想外の人だかりが。
取材に来ていた道新の記者にインタビューされたりして(実名を出したいというので記事化は断りましたが)楽しんでいるうちに、折り返しの列車は窓側の席が埋まってしまったので、滝川ルートを選ぶことに。
そして、2本挙げていたバスのうち、1本目には間に合いませんでしたが、その分、役場前の町の様子を眺めたりしてゆとりをもって2本目を迎えることができました。
札幌 6:39-7:18 石狩当別
札幌 6:58-7:38 石狩当別<滝川ルート>
新十津川役場 9:50-10:04 滝川駅(バス)
新十津川役場 9:56-10:07 滝川駅(バス)滝川 10:32-[ライラック 16号]-11:25 札幌
<札沼線ルート>
新十津川 10:00-11:18 北海道医療大学
北海道医療大学 11:29-12:15 札幌(札幌で昼食+何かする 市電、すすきの、藻岩山 etc.)
雲行きがあやしい! 急遽予定を組み替えるのに時刻表は便利
さて、予定ではこの後、札幌で昼食をとって何かをするはず(たぶん市電に乗ったかな)だったのですが、翌日、北海道に台風が襲来すると報じられる中ですでに雲行きが怪しくなっており、いつ降り出してもおかしくない、雨のにおいに満ちた空気感になっていました。
特急スーパー北斗の車窓も楽しみにしていたのですが、雨の中ではその楽しみも半減です。
なので、雨が降る前に南に向かおう、ということを思い立ちます。
そして時刻表をめくりながら考えていると、未乗のまま残りそうだった室蘭本線の東室蘭~室蘭間にも乗れるんじゃないか、ということを思いつき、調べてみると実際にかなり時間が取れそうだったので、急遽予定を組み替え、特急券も取り直しました。
札幌 6:39-7:18 石狩当別
札幌 6:58-7:38 石狩当別<滝川ルート>
新十津川役場 9:50-10:04 滝川駅(バス)
新十津川役場 9:56-10:07 滝川駅(バス)滝川 10:32-[ライラック 16号]-11:25 札幌
<札沼線ルート>
新十津川 10:00-11:18 北海道医療大学
北海道医療大学 11:29-12:15 札幌(札幌で昼食+何かする 市電、すすきの、藻岩山 etc.)
札幌 14:45-[スーパー北斗16号]-18:09 新函館北斗
札幌12:16-[スーパー北斗12号]-13:39 東室蘭
東室蘭 13:53-14:05 室蘭
東室蘭 14:59-15:12 室蘭
この時点では、どこで時間を取ることになるかわからなかったので、東室蘭→室蘭の列車は2パターン挙げておきます。
この時には大型時刻表を持っていったのですが、使い慣れているとこういう大きな予定変更には便利ではないかと思います。
時刻表を持っていくかどうかはいつも考えるところで、荷物になるのは確かなので、シンプルな旅程だったら持たないことも多いです。
特急に乗車後、雨が本格的に振り出したのは東室蘭付近で、そこまでは窓が濡れることなく、牧場が広がる風景や線路沿いに佇むエゾシカなど、道央の車窓を楽しむことができました。
この少し前の地震の影響で、苫小牧付近で列車が徐行運転していたりしたこともあり、とにかく室蘭まで先に行こうと考え、東室蘭ではすぐに列車を乗り継いで室蘭へ。
そして室蘭で地元の回転すしを堪能して、札幌以外では珍しい市内交通としての鉄道の様子も眺めつつ、予定通りに北海道を抜けることができました。
最終的な旅程はこんな感じ。
札幌 6:39-7:18 石狩当別
札幌 6:58-7:38 石狩当別<滝川ルート>
新十津川役場 9:50-10:04 滝川駅(バス)
新十津川役場 9:56-10:07 滝川駅(バス)滝川 10:32-[ライラック 16号]-11:25 札幌
<札沼線ルート>
新十津川 10:00-11:18 北海道医療大学
北海道医療大学 11:29-12:15 札幌(札幌で昼食+何かする 市電、すすきの、藻岩山 etc.)
札幌 14:45-[スーパー北斗16号]-18:09 新函館北斗
札幌12:16-[スーパー北斗12号]-13:39 東室蘭
東室蘭 13:53-14:05 室蘭
東室蘭 14:59-15:12 室蘭
まとめると、
- 「外せない列車」から決める
- 乗り継ぎ・滞在時間にはゆとりをもって
- 経路の二重化(ルートの二重化、列車の二重化)
ということになるでしょうか。
特に二重化ということに関しては、早めに移動できるパターンと、ギリギリまで粘った場合のパターンを把握しておくといいと思います。
状況によっては、二重化どころではなく、一番遅いパターンまで全パターンを列挙してどれでも選べるようにしておくこともあります。
そうしておけば、当日予想外の出来事にでくわしたり、何らかの事情で予定を組み替えたいと思った時にも対応しやすく、満足度の高い旅行ができるのではないか、と思います。
特に「青春18きっぷ」を利用する際は、列車に乗る時間が長くなり、どうしても詰め込みやすくなりがちですが、適度にゆとりをもって、楽しい旅ができるとよいですね。
いざという時には、18きっぷにこだわらない方法(新幹線や特急などの利用)も予め調べておくと、何かの時に役に立つかもしれません。