「はるかとラピートが鉄道路線を作るようです」第14回に関連して、A21Cでの車両改造について簡単にまとめておきます。
(動画のネタバレを含みますのでご注意ください)
とりあえず、どこにでもある注意書きを書いておきますが、これらの作業については当然ながらアートディンクやサイバーフロント・ソースネクストのサポートはありませんし、これらの作業を一度でも行っている場合、ゲーム全体について、サポートは受けられなくても仕方ないと考えておくべきです。
また、結果については当方では責任を負いません。ご自身の責任において作業を行ってください。
のちに元に戻す場合や、作業に失敗した場合のために、操作するファイルはバックアップを取っておく方がいいでしょう。
記述の誤りによる場合を除いて、「うまくいかないがどうしたらいいか」という類の問いには基本的にお答えできませんので、ご了承ください。
共通:作業の実施手順について
以下のようにして作業を行うのが基本になります。
- A21Cを起動し、作業対象となる車両を線路に設置し、そこにカメラを向けた状態でセーブする
- A21Cを終了する
- 塗り替え・入れ替えなどデータを操作する
- A21Cを起動し、先ほどのセーブデータをロードする
- 車両の状態を確認する
- 完成していればOK。不具合があれば、A21Cを終了し、3.に戻る
データを操作する場合は、A21Cは終了しておきます。何か不慮のトラブルが起きないとも限りませんので。
車両の塗り替えについて
操作するファイルは、以下の場所にあります。
- A21Cをインストールしたディレクトリ > ARTDINK > A21C > Model > Texture > Train > 各編成のフォルダ
フォルダ内にある、拡張子が.tgaのファイルを開くと、テクスチャ用の画像が表示されますので、それをいろいろといじるだけです。
なお、.tgaのファイルを開くには、有名どころではAdobe Photoshop、無料ソフトであればGIMPがよく使用されているようです。
塗り替えのテクニック等はここでは触れませんので、根気よく塗る、実車画像等をうまく利用するなど、工夫して行ってください。また、ソフトウェアの使用方法は各ソフトのヘルプ等を参照してください。
具体的な方法論としては、下記サイトが参考になるかもしれません。
- TranDiaTec.com -TRAIN DIA TECHNOLOGY- ( A Train > 車両塗装変更指南 )
(注意事項)
テクスチャファイルは、編成によって、
- 各パーツごとにファイルが分かれているもの
- 複数のテクスチャが1つのファイルにまとめられ、全体として2〜3程度のファイルになっているもの
の2つに分かれます。前者がA2001から流用したもの、後者がPC版で追加されたものではないかと思いますが、厳密な区分は調べてないのでよくわかりません。いずれにしても、どのパーツが実際にどこに使われているのか、事前によく確認する必要があります。
また、テクスチャによっては、引き伸ばしたり反転して使われたり、見た目とは全然違う場所に使われることもありますので、意図通りの表現ができない場合も多々あります。
特に、車両側面の一部のデータが、側面と屋根の境目のあたりにも使いまわされる、ということがあるようです。
車両の入れ替えについて
はるラピ14回にある、「215系の先頭車を211系のものに替える」「205系5色混結」のようなものは、車両のモデルデータを入れ替えることで実現します。
例えば、先頭車+中間車3連+先頭車 というオーソドックスな構成であれば、
[ A ][ B ][ B ][ B ][ A ]
となり、車両の種類は2つになります。その2種類の一部もしくは全部について、別の車両のモデルデータを割り当てることで、入れ替えが可能になります。
つまり、211系+215系の場合は、先頭車(A)のみ、211系のモデルデータに差し替えているわけです。
他にも、編成の構成としてはいろいろなパターンがあります。
- JR東日本E217系、京阪3000系(現8000系30番台) [ A ][ B ][ C ][ B ][ A ] (Cはダブルデッカー)
- JR東日本113系(湘南色) [ A ][ B ][ C ][ B ][ D ] (Cはダブルデッカー、Dはトイレつき先頭車)
- マリンライナー(JR四国・西日本) [ A ][ B ][ C ][ C ][ C ] (Aはダブルデッカー、Cは先頭車)
- ノースレインボーエクスプレス(キハ183形) [ A ][ B ][ C ][ D ][ E ] (カラー別に1両ずつ)
- 伊勢志摩ライナー(23000系) [ A ][ C ][ B ][ B ][ A ] (Cはコンパートメント車)
などなど。これらの中から、実現したい編成に合うものを選択するというのがまず重要になります。
モデルデータは、以下にあります。
- A21Cをインストールしたディレクトリ > ARTDINK > A21C > Model > Train > 各編成のフォルダ
フォルダ内のファイルの詳細は、下記サイトに詳しいですので、そちらをご参照ください。
- http://esper-a-tarain.hp.infoseek.co.jp/ ( 講義室 > 改造車両を乗せ換える〜A21C編〜 )
やることを要約すると、この211+215の場合で言うと、
つまり、211系のモデルデータを持ってきて、215系のモデルデータに「なりすます」わけです。これが、「入れ替え」の正体です。
車体構造だけではなく、車内照明、クーラーやパンタグラフ、先頭車ならヘッドライト/テールライトに関するデータもありますので、それらにも注意する必要があります。
各編成ごとに、使用するファイル名は固定されているので、それ以外の名前のファイルを入れても意味がありません。他の編成から持ってきたファイルは、必ずリネームが必要になります。
なお、一部の車両を組み替えるだけではなく、編成をまるごと入れ替えて、単に「速度を2から3に上げたい」「近郊型から通勤型にしたい」などという用途でも、この技を使うことができます。特に、211系・E231系と113系、E217系と113系、223系2000番台と221系といった、新旧の列車を同じスジで混在させたい場合に有用と思います。
(注意事項)
車両の入れ替えを行った場合、特に連結部分などに問題が出る場合が多々あります。
まず、車両ごとに長さが違うことに留意する必要があります。路面電車などは言うまでもありませんが、原則20m級のJRと、18m級等の私鉄で異なるのはもちろん、同じJR同士でも、車両によって長さが違う場合があります。
そのため、車両入れ替えによって車両の間に空間ができてしまったり、逆に著しく間が詰まってしまうことがありますので、まったく問題がない組み合わせというのは案外限られてきます。
間隔に問題がなくても、連結幌のサイズが両者で著しく異なるようなケースもあります。
また、中間に先頭車を連結している編成では、そこに貫通幌が存在する場合がありますので、入れ替える車種によっては、その貫通幌が余分になってしまったり、幌が車両から離れてしまったりすることがあります。例えば、マリンライナー編成のグリーン車以外(223系ベースの部分)を221系やE217系に載せ替えたりすると、ひどいものを見ることができます。
別の注意点としては、元が気動車である場合、パンタグラフなどを追加することはできません。後述しますが、はるラピ14回の205系5色混色は、キハ183形ノースレインボーエクスプレスのデータを入れ替えています。そのためにパンタグラフがないわけです。
参考:はるラピ14回の改造車両について
■211系先頭車+215系中間車
- 215系(フォルダ:215)先頭車のモデルデータを、211系先頭車に差し替え。
- 215系中間車の塗装を、211系を参考にしたカラーリングに塗り替え。
- 211系先頭車で行っていた方向幕部分の塗り替えは、215系フォルダにある211系先頭車モデルデータにもそのまま適用されます。
■205系5色編成
- キハ183形ノースレインボーエクスプレス(フォルダ:nrex)の各車両のモデルデータを、[205水色・先頭][205緑・中間][205黄色・中間][205オレンジ・中間][205赤・先頭]に差し替え
問題点:
- 車両データは元の車種に依存するため、「特急型」「速度3」となる。
- 205系の方が、車両長が短くなっているため、車両間に隙間ができている。
- 元が気動車のため、パンタグラフ・クーラーを付けることができない。
- 元が気動車のため、ゲーム中は、気動車の走行音が鳴る。
改善案: