君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。

大井川鐵道を往く (2)井川線で大井川の奥地へ

※本記事は2019年4月下旬の記録になります。

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大井川鐡道井川線の列車。千頭駅にて

大井川鐵道に往復乗車した記録の2回目です。前回は、JR東海道線と接続する金谷駅から、普通列車新金谷駅へ、そしてSLかわね路号に乗って千頭駅まで来ました。

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千頭駅にて井川線の列車を待つ

千頭駅からは、井川線南アルプスあぷとライン)で大井川のさらに上流、終点の井川駅へ向かいます。

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井川線の井川方面へ向かう線路。ホームに入線する一番手前の線路の他、留置線が合流して出ていきます。

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構内で留置されている客車。

井川線の客車は、規格や赤を中心にした塗装はおおむね統一されているものの、車内のデザインは車両ごとに全く異なり、したがって窓割も全然違うので見た目にも大きな違いがあります。

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井川方面から到着した列車。静岡デスティネーションキャンペーンの時期だったこともあって、先頭のディーゼル機関車にはそのヘッドマークを付けています。

やってきた編成はディーゼル機関車(DL)1両+客車5両でしたが、いったん奥に引き上げた後、DL1両+客車3両の編成を増結して戻ってきました。

井川線は急勾配が多く、安全対策として、必ず重量のある機関車を千頭側にしています。こうすることで、万一連結が外れて客車が落ちていこうとしても、機関車がそれを受け止められるわけです。

そのため、井川側の客車には運転台が付いていて、井川行きの場合はそこで運転ができるようになっています。

つまり、これから乗車する編成は、

  • 客車5両+DL+客車3両+DL

の合計10両という長大編成になります。途中で、アプト式機関車2両をつなぐので、その時には

  • 客車5両+DL+客車3両+DL+アプト式機関車2両

という、なんと12両もの編成になります。

さて、乗り込んだのは確か先頭から4両目だったと思いますが、窓や側壁がないトロッコタイプの車両。大井川の心地よい空気を全身で感じながらの乗車に期待です。

渓谷をゆっくりと進む、井川線の旅

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千頭駅の次、川根両国駅付近に留置されていた貨車。黒塗りの貨車は重厚感があります。

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その次の沢間駅までの間に下をくぐっていく両国吊橋。

大井川本線にも同じような形で線路をまたぐ吊り橋がありますが、そこから列車を見てみたくなります。

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その少し後の眺望。一瞬の山の切れ間から、遠くに美しい三角の山が見えます。

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土本駅手前、大井川に寸又川が合流する部分。白く波立っている速い流れが、寸又川から大井川に合流する流れになります。

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土本駅を出てすぐの右カーブ。急カーブをゆっくりと進み、目の前に遮るものがないことから、なんとなく先頭車にもすぐに手が届きそうに感じてしまう、不思議な感覚があります。

井川線の客車は、車両間の通り抜けができません。

そのため、乗務員の方は、駅に停車するごとに車両を乗り移りながら、車内の確認をされているようです。

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同じように右カーブから先頭車が見えたシーン。

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川根小山駅近く。

美しい大自然と大井川の渓流の景観を堪能しながら、井川線の旅は続いていきます。

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トンネルを通り抜ける時も、遮るものがない目の前にトンネルの壁があるので、かなりの迫力があります。

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川根小山駅で、対向列車と交換。この編成はDL+客車5両でした。

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奥泉駅を出て、さらに上流へ。雄大な自然に美しいアーチ橋が映えるのを眺めながら、トンネルへと入っていきます。

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川の水は澄み渡り、川底の岩の姿もはっきりと見えます。

そして、大井川ダムの堰の横を通り抜け、井川線最大の見どころと言えるアプトいちしろ駅に到着しました。

乗車から40分、大自然の眺望を堪能しながらの贅沢な道のりです。

アプト式区間

ここで、アプト式機関車2両を後ろに連結するための停車時間があります。

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後ろには、客車やDLと比べひときわ巨大なアプト式機関車が見えます。

アプト式機関車は電車です。そのため、この駅から、アプト式機関車を切り離す次の長島ダム駅までは電化されている形になります。

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アプト式機関車をその目に収め、撮影するために集まる人々。

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駅からは大井川が間近に見えます。奥に見える吊り橋らしきものも気になりますね。

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アプトいちしろ駅駅名標。英語表記が「APT」ではなく「ABT」であることに気づかれるかと思います。

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撮影に集まっていた人々が去った後で、ひっそりと撮った写真。

歯車を噛み合わせたロゴマークにも、「SYSTEM ABT」と書かれています。

Wikipedia(「アプト式」の項)によると、その由来は

アプト式(Abt system)とはラック式鉄道の方式の一つで、2~3枚のラックレールを歯形をずらして設置したものを指す。このアプト式ラックレール走行用の機関車をアプト式機関車という。

カール・ローマン・アプトが1882年に特許を取得した方式で、「アプト式」の名称は開発者の名前にちなむ。「Abt」のドイツ語発声に近い片仮名であるが、日本では過去にアブトと表記されたこともあった。

ということで、英語ではなくドイツ語に近い発音だと「アプト」になるようですね。

 

さて、ここで車両を乗り換えます。

というのも、窓がない車両は実はけっこう寒かったのです。

もともと、予想よりも気温が低く、薄着すぎたというのもあるのですが、ゆっくりとはいえ走っているとそれなりの風があり、予備のシャツを重ね着しても追い付かなかったのです。

みなさんも、この大井川鐵道に限らず、トロッコ車両に乗る時は少し厚めに重ね着ができるようにしておくことをお勧めします。この旅行の貴重な教訓でした。

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アプト式機関車をつないで総勢12両となった列車は、ずっしりとした感じで進んでいきます。

最大90パーミルの勾配は、車内にいてもその勾配がはっきりとわかるぐらいです。
(どんな勾配なのかは次の記事でご紹介できるかと思います)

ここがアプト式となった理由は、目の前にある長島ダム。この建設のためにルート変更することとなり、それによって急勾配を避けられなくなったことから、アプト式が採用されたのでした。1990年のことだそうです。

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長島ダム駅に到着。ここでアプト式機関車は切り離しになります。

奥大井

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長島ダム駅からひらんだ駅を過ぎ、奥大井湖上駅付近の湖。

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奥大井湖上駅から先の鉄橋(レインボーブリッジ)。その先にはトンネルが見えます。

ここで下車する人がいて先頭の席が空いたので、そちらに移りました。

奥大井湖上駅は、長島ダムダム湖上ではあるのですが、それよりはU字に曲がりくねる大井川の、突き出た陸地の部分にできた駅という感じです。

車内から見るより、外から見る方がそのダイナミックさを堪能できるかと思いますが、今回は一気に全線を往復するのでその時間は取れませんでした。

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奥大井湖上駅を出発し、レインボーブリッジを渡っていきます。

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このトンネルを抜けると接岨峡温泉駅です。

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尾盛-閑蔵間の関ノ沢橋梁。

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閑蔵-井川間、真新しい道床が目立つ区間

2018年5月、この部分の土砂崩れによって閑蔵-井川間が不通になっていましたが、2019年3月に復旧工事が終わって運行を再開したばかりでした。

大井川鐵道に乗るのがこの時期になったのは、ここの復旧を待っていたということもあります。

この部分を過ぎるともうすぐ終点の井川駅です。千頭駅を出て1時間50分の旅でした。

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山奥のカーブ上にある終着駅に、さまざまな客車を連ねた10両編成の列車が停車する独特の光景。

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井川駅はトンネルを抜けてすぐのところにあり、直進と左に曲がる分岐があります。ホームがあるのは左に分岐する方です。

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直進する方も橋梁があってその先にはトンネルも見えるのですが、立ち入り禁止となっていました。何があるのでしょうね。

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井川駅の駅舎。

駅周辺にはいくつか売店があったので、おやつを買っていただいたりして、約30分後の折り返し列車に乗車しました。

帰りは次の記事でご紹介します。井川線は見どころが多く…というか全区間がすべて見どころという感じで、行きの記事の中でお伝えできなかったようなことも、別の視点でお伝えできるのではないかと思います。

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