君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

はるラピシリーズのBGMについて書いてみる

T2さんのBGMの選定基準。: とあるニコ鉄ファンの独り言で、Vocaloidのクッションを置いてUTAUの曲を流した、というのはなるほどなあ、と思いました。表向きわからないですが、裏ではそういう気遣いもあるんだなあ、と。

そして、同じように、「はるかとラピート」シリーズでBGMについて考えていることを、書き留めておこうと思います。
ここで、Web2.0(笑)の時代なら喜び勇んでトラックバックを送ったりするんでしょうけど、結局、「言及しましたよ」っていう通知以上に、何か有効な使い方を見出せなかったなあ、というような感じ。むしろスパムの格好の手段になっちゃったりして。

このシリーズでは、BGMを
 1.毎回、もしくは頻繁に登場する定番曲
 2.1回限りの、ヤマ場を彩るための曲
の2つにわけて考えています。

1.毎回、もしくは頻繁に登場する定番曲

イントロ、エンディング、もしくはコンテンツ内の一部の曲。そういった定番の曲は、基本的に背景に徹しているつもりです。例外的にDQ2の「Love Song探して」だけは、正直ひそかにウケ狙いというところもあったし、視聴者のレスポンスも大きかったので、たまにネタに使ったりしましたが。
このあたりの曲は、インパクトや視聴者ウケよりも、

  • 場面に適している
  • 聞き飽きない
  • シーンごとの対比を明確に表現できる

ということを重視しています。あとは、せっかくA21Cのゲーム動画ですので、できるだけA21Cネイティブな曲を使いたい、というのもあります。
だいぶ昔に読んだ漫画の「ドラゴンクエストへの道」に描かれていた話ですが、すぎやまこういちドラクエの作曲に参加するにあたって、

ゲーム音楽はクラシックと同じ。派手ではないけど、聴きべりのしない曲。何十回、何百回と聴かれて、それでも愛され続けるものでないといけない

というようなことを語ったそうです。事実かどうかはともあれ、納得できることだと思いますので、それが指針になってますね。

以下、簡単に主な曲について触れておきます。

  • Love Song探して(DQ2)……若干やりすぎな気はしたんですが、多くの視聴者はSFC以降のしけた編曲しか知らないんじゃない?という感じで採用。オープニングの次として、使い場所に問題はないですし、ポップスアレンジが、台詞のPOP体フォントなどとあわせて、このシリーズの雰囲気を彩ってくれたと思っています。まさか歌詞コメまでつくというのは予想外でした。
  • Timber Owls(FF8)……シーンの対比がつきやすくて、主に、Love Song探しての次によく使われた曲。原曲は、少しまぬけな男女3人組を中心とするレジスタンスのテーマ曲で、そのとぼけた感じがこのシリーズにもあうように思っています。
  • いいお天気でしょ!/Kiss of Jealousy(Live A Live)……だいたい6分以後のうp主視点で進める場面で使用。Live A Liveの曲は、ストーリー上の理由でとてもバリエーションが広いし、表情豊かなのに前に出て主張せず、BGMとしては非常に適していると思います。難点は、サントラだと1コーラス強しかないということでしょうか。
  • 晩酌(A21C)……エンディング曲。工業地の夕暮れの曲で、いかにもといった感じ。ゆったりとした和音奏がメインで、メロディが目立たないのでどこでも切れるというのも大きいですね。

2.1回限りの、ヤマ場を彩るための曲

第3回ぐらいから、各回のヤマ場のシーンに1回限りの「ゲスト」として、インパクトのある、もしくは感情に強く訴えかけるような曲を流しています。それによって、淡々と流れるシーンとのメリハリを出せればということを意図しています。引き出しが試されるという意味では、こちらの方がより苦労することが多いように思います。

  • 第3回:冒険の旅(DQ3) 長い延伸工事を冒険に見立てて。同じメロディがアレンジを変えながら4回流れるのですが、それが、「どこまでも続く延伸」に合うように思いました。
  • 第4回:DEBUT(吉川麻衣子) 4倍速ぐらいだったと思いますが、工事シーンのちょこまかした感じを出そうという意図。フェードアウトさせた先は競馬実況のシーンで、それが入ると対々急行になってしまうので、手前で収めるのに少し苦労しました。この回、電車の走行シーンがあって、それもヤマ場になりえたのかもしれませんが、むしろ発展していない風景の寂しさを強調するため、あえて寂しげなBGMにしていました。
  • 第5回:おおぞらをとぶDQ3/8) この回はA21Cの「表情豊かな景色」に焦点をあて、その最高潮となる「初日の出」のシーンにこの名曲をもってきました。やりすぎな感じもしたんですが、やりすぎぐらいでちょうどいい、とも思いました。
  • 第6回:この回は住宅誘致ということで、A21Cの住宅地の曲を続けて流したので、ヤマ場はとくになかったですね。帝国のマーチ再登場ぐらいですか。
  • 第7回:愛するPOW(B-DASH) 山裾削りのシーン。かなり高速に回すので、それにあわせて激しいアップテンポの曲で、しかしポップな感じは失わないように、ということでこの曲になりました。
  • 第8回:すばらしき大地(服部克久) 開発方針の説明のシーン。「未来への展望」を語る場面なので、その希望に満ちた感じを表現できる曲にしようと思いました。
  • 第9回:燃える大地(服部克久) 「初日の出」のシーンで、前回に引き続き服部克久イージーリスニングから。第5回の初日の出では、太陽の荘厳・雄大な感じを表現していたので、今回はむしろ、それを見る人の、しみじみとした祈りの感じを出そうという選曲。以前に、「同じシーンでも何に焦点を当てるかで BGMは変わる」というようなことを書きましたが、それを意識しています。
  • 第10回:この回は、新オープニングが1つのテーマという感じ。他に、とりたてて目立つ曲はなかったです。
  • 第11回:We've Only Just Begun(カーペンターズ) 快速電車の走行シーンにはまりすぎて……というのは何度も書きましたね。


……とまあ、こんな感じです。