君と、A列車で行こう。

旅行などで訪問した場所に関することを綴るブログ。鉄道などの交通に関することが多めです。主にX(旧twitter)では書きにくいような長文を書きます。当面は大阪・関西万博がメイン。

【大阪・関西万博】8月13日~14日の「オールナイト万博」。夢洲は孤島にはならなかった

8月13日深夜~14日早朝のOsaka Metroによる臨時輸送

8月13日、Osaka Metro中央線で設備障害が発生して一部区間で運転を見合わせました。大阪・関西万博会場ではこの影響で、数千人規模(携帯電話の位置情報からの分析)の来場者とスタッフが会場で一夜を過ごすという事態が発生しました。

この件に関してはさまざまな形で報道されましたが、一部には、万博会場にとどまった来場者が、帰る手段がなく閉じ込められた、といったような表現も見られたため、その点について書いておこうと思います。

(8/20追記)

8月13日の夜から14日の朝にかけて会場に滞在していた人数について、当初3万人という形で書いていましたが、下記の記事をもとに訂正を行いました。

mainichi.jp

 

輸送障害の発生

Osaka Metro中央線での輸送障害の発生

万博会場から多くの来場者が夢洲駅に向かっていた8月13日の21時28分、夢洲駅を発着するOsaka Metro中央線のコスモスクエア駅大阪港駅間で設備障害が発生し、全線で運転を見合わせました。

万博では当初は運転再開を待ち、夢洲駅への入場を止めていましたが、やがて運転再開の見込みが立たないことから、ゲートを出て駅に向かってた人を、会場内に戻す判断をして、その旨のアナウンスを始めました。

この障害は翌日14日の5:20ごろ復旧し、中央線全線での運転を再開しました。

Osaka Metro各線でのバックアップ

設備障害の発生後、原因が特定できず復旧のめどが立たないことから、Osaka Metroは臨時の輸送体制を構築しました。

万博会場最寄りの夢洲駅から、隣のコスモスクエア駅まで折り返し運転。また、中央線の東側の阿波座~長田間(終電までは近鉄けいはんな線と直通運転)で折り返し運転を実施。

そして、コスモスクエアから迂回ルートとなるニュートラム四つ橋線でも終電を延長して運行を続けました。1編成の輸送力が小さいニュートラムは日中と変わらない頻度での頻発運転を行い、四つ橋線北行きの西梅田行きのみ営業運転を行いました。

つまり、大きく迂回する形にはなりますが、難波、梅田、本町、森ノ宮といった地点には鉄道で向かうことができました。

当初は、万博会場にとどまった人が全員退出するまで、という予定だったようですが、結果的には終夜に渡って運行を続けました。

Osaka Metroによる臨時の輸送体制

他路線でのバックアップ

Osaka Metro以外の鉄道でも臨時輸送が行われました。

こういった場合に備えてOsaka Metroが常備していたバス16台、および子会社の大阪シティバスからの応援のバス9台で、万博会場からまずはJRゆめ咲線桜島駅まで輸送し、JR側ではJRゆめ咲線の臨時列車運行や終電の延長を実施。

そしてJRゆめ咲線の運行が終了した後は、バスでの輸送先を大阪環状線の弁天町駅に変更。JR側は弁天町駅に内回り・外回りの列車を待機させ、おそらくバスからの乗り継ぎに合わせて運行する形で、3時半ごろまで運転を行っていました(列車走行位置の情報から確認)。

また、阪急電車は大阪梅田駅を1:00に発車する神戸・宝塚・京都方面への臨時列車を運行しました。

この他、SNSには万博会場にタクシーが集結し、複数の会社から応援のバスも駆け付けていた(行き先は不明)といった情報もありましたが、具体的にどういった体制だったかは確認できていません。

バス輸送・JR・阪急による臨時輸送

夢洲は孤立していなかった

つまり、鉄道で難波や梅田に行く迂回ルートはあり、その他にも夢洲から外に出る手段はありました。会場での情報提供に問題があったかもしれませんが、事実として、夢洲は孤立してはいなかったのです。

とはいえ運行を行っていたのは一部の路線であり、鉄道を乗り継いだところで自宅や宿泊地までは行けない、という人も当然ながら多数いたはずです。どこかでタクシーを拾えば目的地まで行けたかもしれませんが、万博会場を巡り、地下鉄のトラブルに巻き込まれて疲労している中、そういう不確実な移動をするよりは、会場で休んで始発を待って帰ろうと判断した方も多かったと思います。

また、「オールナイト万博」と呼ばれたりしたように、巻き込まれてしまったなら仕方ない、とこの状況を楽しもうとした人たちもいました。一部のパビリオンでは、来場者に水や食べ物を配布したり、冷房が効いたパビリオン内に招き入れたり、展示物をオープンしたりイベントを行って楽しんでもらったり、さまざまな応援が行われていました。

ですので、会場に滞在した人は万博会場に「取り残された」というより、「残った」という表現の方が適切かなと考えています。

東京と大阪の報道ギャップ

この件は、東京のメディアのニュース番組でも大々的に報じられていました。ただ、さまざまな報道を見ていると、万博会場に多くの人が取り残されている、ということに焦点が当たり、どのような臨時輸送体制がとられていたのかはあまり注目されていなかったように見えました。

もしこれが東京でのできごとだったら、帰宅困難者に情報を提供するために臨時輸送に関する情報を収集し、こういった対応では定評がある「日テレ鉄道部」( https://x.com/ntv_tetsudobu )などが積極的に発信したのではないかと思います。

在京メディアにとってはしょせんはよその地域の話であり、また、在阪メディアはこういったことをしっかり取材して発信するだけの力量がなかったのだろう、というように見えています。

参考

当日のSNSで発信された内容、各社の列車走行位置の情報、Osaka Metroによる14日朝の記者会見の他、以下の記事を参照しました。

www.expo2025.or.jp

subway.osakametro.co.jp

www.nikkei.com