君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

まだチャンスはある? 快速「きらきらうえつ」乗車記

※注:快速「きらきらうえつ」は、2019年9月29日で定期運行を終了しています。本記事は運行終了前のものになります。

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2019年9月29日で定期運行を終える快速「きらきらうえつ

すでに発表されている通り、主に新潟~酒田間で金曜日や休日に運転されてきた全車指定席の快速「きらきらうえつ」が、今年9月29日で定期運行を終了します。

時刻表で見てなんとなく気になっていた列車なのですが、この方面に足が向く機会がなく、ずっと乗れずじまいでいました。

定期運行終了の1か月前となり、もはや指定席など取れないという話が出ていたところだったのですが、経緯はともかく(別の記事で書くかと思いますが)運転当日の朝に指定席が取れてしまったので乗車してきました。

今回の乗車記のあらまし

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快速「きらきらうえつ」の運行区間Googleマップの図をベースに作成)

快速「きらきらうえつ」は、新潟~(白新線)~新発田~(羽越本線)~酒田間で1日1往復運転される快速電車。リクライニングシート車3両と、売店やラウンジなどがある車両1両の4両編成です。

繁忙期には、新潟~酒田~秋田間に運転区間を延長し、下り新潟発の時刻を早めて、秋田で快速「リゾートしらかみ」に接続する形になったりもしました。

その車窓は大きく3つに分けられます。

新潟から村上までは、市街地や住宅地の合間に越後平野の田園風景が広がる車窓。

村上から鶴岡の手前までが日本海沿岸を走る、この列車のハイライト。

鶴岡から酒田までは、庄内平野の一面の田園風景の中を駆け抜けます。

今回指定席が取れたのは、上り列車の余目→村上の区間でした。

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上の図でいうと、ハイライトである日本海沿岸はバッチリと堪能することができます。

ただし、乗車証明書は村上~新発田間で配られるそうなので、それは諦めることになります。個人的にはその辺の物欲はないので特に問題はありません。

結果的には余目ではなく酒田からでも取れそうな気はしますが、これは行きの旅程との兼ね合いと、駅からとはいえ「走っているきらきらうえつを撮りたい」という希望があってこうなりました。

朝から、新潟経由で余目までの旅行を堪能し、余目から「きらきらうえつ」に乗り込みます。

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余目駅に到着するきらきらうえつ。月替わりでヘッドマークが付いているそうなので、9月は別のヘッドマークで運転されているはずです。

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色とりどりの明るい塗装と、それらの模様が形作るキラキラが印象的な外観。

すでにほとんどの座席は埋まっており、始発の酒田からまだ10分後ということで車内を見て回る人も多い中、指定された席に乗り込みました。

エンディングを迎える「きらきらうえつ」の車内

乗車後、まずは荷物を置いて車内を見て回りました。

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座席はこんな感じ。特急車と同様のリクライニングシートです。

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「茶屋」と名付けられた、売店とラウンジがある2号車。ラウンジは、売店で買ったものを飲食するために40分限定で利用できます。

手前の男性は、「旅の思い出ノート」に思い出を書いているところ。

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売店のメニュー。その時は特に食欲があったわけではないので、夕食用にオリジナル弁当「きらきら弁当」を買いました。これは後で紹介します。

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3号車の山側にある「きらきらルーム」と名付けられた一角。何かあった時の多目的スペースのようです。

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2号車の売店やラウンジの裏側、沿線の模型や見どころ紹介などがある一角。

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沿線を代表する景勝地、「笹川流れ」の地質についての紹介。

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設備ではないですが、乗車中に車掌にお願いすると、車両がデザインされた特製のスタンプを押してもらえます。赤と緑があるそうです。

 

定期運行終了にあたっての展示もいろいろとありました。

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こども園の子供たちが描いたきらきらうえつの絵。

日本海と太陽を入れた絵が目立つ感じでした。子供心にも印象に残る風景なのでしょうか。

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ラストラン記念のオリジナル商品の紹介。

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アテンダントの方々のメッセージの一部。

ずっと乗務していると、愛着が湧いてくるんですよね。

たぶん、後継列車の「海里」で乗務される方もいるんじゃないかと思います。

日本海の絶景を堪能する

奇岩や断崖が連続する日本海の風景は余目に向かう時にも見ていたのですが、今回、上りの「きらきらうえつ」に乗れることになって期待していたのは、時間帯的に日本海に沈む夕陽がさぞすばらしいのではないか、ということでした。

そして、鶴岡から長いトンネルを抜けて日本海に出ると、その期待にたがわぬ絶景が映し出されました。

座席は山側のC席だったので、デッキに出て海側の窓からずっと写真を撮り続けていました。

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海沿いの温泉地、あつみ温泉駅に到着。今年度中に新型車両に置き換えられることになっているキハ40系の普通列車を追い越します。

ここからもひたすら、海岸の絶景が続きます。

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笹川流れの対岸に浮かぶ、栗島の姿が見えていました。

そして空を見ると、太陽と薄雲が海の上で芸術的な美しさを見せていました。

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素晴らしすぎてずっとカメラを構えていたためにバッテリーが尽きてしまい、桑川駅に着いた後は、充電しつつ座席から風景を堪能していました。

この風景を見られただけでも、この列車に乗れてよかったと思いました。

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村上駅で下車。後は普通列車に乗り換えて新潟へ向かいます。

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越後平野の日没

参考までに、この先の新潟までの車窓で見ることができた、美しい日没を紹介します。

きっと「きらきらうえつ」の車内からも、同じような風景を見ることができるはずです。

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新潟に到着した時、きらきらうえつはまだ停車していました。

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この写真を撮った直後に回送列車として発車。

おそらくこれが、私にとって最後の姿になるんだろうと思いました。

きらきら弁当

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忘れてました、きらきら弁当。

帰りの上越新幹線の車中でいただきました。

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カバンの中に入れていたのでちょっと偏ってるのはご容赦ください…。

多くの食材を少しずつ詰め込んで彩りよく見せている弁当。核となる食材に欠ける感はあり、また、どの辺がどう沿線由来なのか、さすがに紹介なしではピンと来ないところはありますが、数多くの味覚を堪能できて満足できるものでした。

 

きらきらうえつ」ですが、下記のプレスリリースに「ラストランに向けて」という表現があり、10月・11月に臨時列車として運行された後、本格的にラストランを迎えて引退となるのかもしれません。

JR東日本ニュース 10月の秋を感じる臨時列車運行のお知らせ
https://www.jrniigata.co.jp/press/20190830akirinjiressya.pdf

区間や座席にこだわらなければ、こうして成功例もありますので、乗ってみたい方はダメもとで狙ってみてはいかがでしょうか。