うっかり位置情報をOFFにしてしまって、写真を撮った場所がわからず、記憶を頼りに書くしかないので早めに書いておきます。
飯田線は、ずっと昔から気になっていつつも、全線乗り通すのに特急利用で6時間、普通列車だと7時間、というところでなかなか手を出せなかった路線でした。
ただ、紅葉シーズンで天竜峡は見ごろらしいという情報と、下記の記事に触発されて、ついに手を出すことにしました。
といっても諸般の事情で首都圏からの日帰り強行旅です。途中駅で下車して散策するような余裕はありません。
そんなわけで豊橋から出発です。
豊橋まではまあ、いつもの東海道新幹線なので特筆すべきこともなく。
いやまあ、その気になれば見どころはいろいろあるんでしょうけど、この日は一日中電車に乗りっぱなしの予定なので、手を抜くところは抜くことも必要なのです。
豊橋駅でこんな駅弁があったので買っておきました。
(この写真は飯田駅で撮影)
飯田線と名鉄は、豊橋からしばらく線路を共用していることもあり、1番線・2番線・4番線が飯田線、3番線が名鉄とほとんど一体になっているので、他のよくある駅のように中間改札で明確に区切るということができません。
なので、ICカードに経路情報を書き込むための機器だけが置かれている形になっています。
飯田線の普通列車用の車両、213系と313系が仲良く並んでいました。
特急伊那路1号は定刻に豊橋駅を出発。しばらくして名鉄が西に分かれていった後、豊川までは市街地を抜けていきますが、豊川を出るとこのようなのどかな風景に変わります。
飯田線は、棒線駅はともかく、交換できる駅では高速に通過できる構造になっていないため、都度速度を落として慎重に通過していきます。
特急ですが、特に急ぐ気配はありません。
特急列車が1時間に1本走るような路線ならともかく、定期列車で1日2往復、臨時列車も1日1本あるかどうかの路線で高速化改造をするのも無駄ということでしょう。
特急が2時間に1本運転している身延線ですらそうだったのだから、まして飯田線では推して知るべし、です。
この日は長篠城駅に臨時停車。その直前、長篠城跡の横を通過する前に、車掌による観光案内がありました。
イメージだけで語るのもよくないのかもしれませんが、なんとなく、JR東海らしくない、という感じがしました。
湯谷温泉を出てしばらくすると、「車窓右手にご注目ください」というアナウンス。
右手に見えてきた宇連川の渓流がこちら。
川底が板を敷いたように見えることから「板敷川」とも呼ばれる、というアナウンスが流れていました。
そうして、渓流を眺めながら進み、左側から流れてきた天竜川と合流すると中部天竜へ到着。この日は行楽客が多いとのことで5分遅れでした。
中部天竜を過ぎてすぐ、天竜川を渡る時に左手に見えるのが佐久間発電所。水力発電としては日本最大級の発電量を誇る発電所とのこと。
そのすぐ先には佐久間駅。これを通過して長いトンネルを抜けると、飯田線は水窪(みさくぼ)川沿いに出ます。
さて、ここから先、水窪川、天竜川と続く渓流の絶景を堪能できるイメージを描いていたのですが、実際はほとんどトンネル。トンネルを抜けたわずかな区間に駅があったり、橋があって一瞬絶景が見えたり、でもそれが線路沿いを這う電線に阻まれたり、と、そんなじれったい車窓なのでした。
あっと気づいた時には時すでに遅し、という感じで写真はありません。
本来は川の東側をトンネルで突っ切るはずが、地盤が不安定で建設後に崩壊し始めたため、やむなく放棄して川の上を迂回することになったそうです。
そしてしばらくして、山々に抱かれた、といった感じの町が見えてきたら、水窪駅へ到着。
中央に見える吊り橋らしき橋が気になります。
茶畑が見えるのが、静岡の風景ですね。
水窪を出ると、今度は北西へ長いトンネルを抜けて天竜川沿いへ。
そしていくつものトンネルを抜けていくと、突然、秘境駅として有名な小和田駅へ。来年、またブームが来るのかもしれません。
その小和田駅付近の天竜川上には、静岡・愛知・長野の三県境があるそうです。そして飯田線は静岡県から長野県へ。
ひたすらいくつものトンネルを抜けていく中、わずかに見えた絶景を電線に阻まれまくる図。
日差しが強すぎて、目いっぱい補正をかけてもこれが限界という図。
同じく日差しが強すぎて、窓に映るスマホや指が写り込む図。
いい感じの橋! と思ったら手前の標識に邪魔をされる図。
平岡駅の隣にある「龍泉閣」にかかる横断幕。
よくみたら宿泊・食事・温泉って割と普通でした。
そしてまた、ひたすらトンネルにつづくトンネルへ。
この区間は飯田線の前身の1つ、「三信鉄道」という鉄道会社が開通させたそうで、筆頭株主が電力会社であったことから、電力開発のために難工事をおして開業させたそうです。Wikipediaを見ると、あまりの悪条件に朝鮮人労働者が逃げ出したという、ちょっと最近センシティブな話なんかも出てきたりします。
それにしてもまあ、よくこんなところに鉄道を通そうと思ったものです。
そんなこんなで、ようやく視界が開けてくると天竜峡駅へ到着。
天竜峡を出ると、山間部に開けた飯田市の町の中を進んでいきます。
天竜川の西側に開けた土地で、飯田線は川から離れた高台の側を走り、町を見下ろす形になるので、眺望はなかなかのものです。
そして、特急の終着駅、飯田駅へ到着。
向こうには、観光客としてはあまりお世話になりたくないJR東日本の211系がいましたが、次に乗る普通列車は中部天竜始発なので、きっとJR東海の転換クロスシート車が来るはずです。
地元のフェスティバルのマスコットキャラ。
鉄道むすめ以降でしょうか。こういう絵柄もすっかり受け入れられるようになりましたね。
赤く丸い屋根が印象的な飯田駅の駅舎。
途中の遅れのまま5分遅れで到着したので、乗り継ぎは20分弱。
よくある松花堂弁当なんですが、上のページの写真が春らしいイメージなのに比べると、例えば甘味の餡餅が干柿風にデザインしてあったりして、秋らしいお弁当になっていました。
ちなみに、豊橋駅の壺屋の売店は、新幹線待合室と、在来線改札内の2か所にあります。
この日は、最初に見た新幹線待合室で「遅れてて入ってきてないんです」と言われたのですが、在来線側には結構な量が積んであったので(なんでだろう?)その辺は要注意かもしれません。
さて、もう2800字を超えてるそうなので、続きは次の記事で。