※本記事は2019年4月下旬の記録になります。
JR東海道線の金谷駅から、大井川沿いに北へ延びる大井川鐵道。毎日蒸気機関車を運転していることや、近鉄・南海・東急・西武といった各地の私鉄の車両を集めて走らせていること、山奥側には日本で唯一となったアプト式(急勾配を上り下りするために、線路側と車両側の歯車を噛み合わせて進んでいく方式)の区間があることなどで知られています。
平成最後のゴールデンウィークに、金谷~千頭~井川の全線を往復乗車したのでその記録になります。
金谷から新金谷へ
この日は静岡から静岡鉄道に初乗車した後、東海道線の普通列車で金谷へ向かいました。
金谷駅では、予約していたSL急行券を購入し、あわせて鉄道全線+連絡する路線バスが2日間乗り放題の「大井川周遊きっぷ」を購入して駅ホームへ。他にも窓口で購入する人が多く、10分ほど並んだので、列車に間に合うのかちょっとひやひやしていました。
金谷で待っていたのは、元東急7200系の2両編成。次の新金谷までの運転で、SL列車に接続する形になります。
画像ではすっかり潰れてしまっていますが、この車両の向こうに富士山が見えていました。天気はとても良かったのですが、少し肌寒い日でした。
大井川鐵道の本拠はこの金谷ではなく隣の新金谷になります。JRとの接続駅は単に一部を間借りしているだけというような形。地方私鉄には結構みられる話です。
SLに乗り継ぐ人が多いのか車内は混雑していて、数分ですが立っていくことなりました。
新金谷駅に到着。島式1面2線のそこまで広くないホームは、SL列車に乗る人で混雑していました。
新金谷駅にて
この日の機関車はC56形44号機でした。SLの姿を見ようと多くの人が集まり、写真を撮ったりしています。
新金谷駅には他にもたくさんの車両が留置されていました。
南側の車庫には元南海のズームカー、その左隣の留置線には元近鉄特急の車両が留置されていました。
元西武鉄道のE34電気機関車。最近、SLが故障して運転できなくなった際には、代わりに客車をけん引して運転していました。
数多くの客車も留置されています。
下の画像は人が乗っているわけではなく、ホームにいる人の姿が映り込んでいるものです。
7両つないだ旧型客車の後から蒸気機関車をサポートするのが、E10形電気機関車。
旧型客車との色合いもマッチしています。
客車の列車名プレートと車番表示。
電気機関車に隠れて見づらいですが、客車の最後尾に掲出されていたヘッドマーク。川根茶として知られるお茶は、スッキリ、爽やかな飲み口で個人的に好みです。
車両端の号車表示。
さすがに老朽化は隠し切れないものがあります。
車内もとても使い込まれた渋さがあります。
大井川沿いを千頭へ
新金谷を出発したSL急行かわね路号は、ゆっくりと大井川沿いを北に進みます。
ボックスシートの相席に別のグループがいたのであまり写真は撮れてないのですが、広い川幅を誇る大井川沿いを走る車窓をいくつかご覧ください。
家山駅に停車。木のホームが周囲の風景に溶け込んでいます。
川根温泉笹間渡駅付近で大井川を渡ります。
手前に見えているのが「川根温泉 ふれあいの泉」。利用客と思われる方々が手を振ってくれています。
奥に見えるのが川根温泉ホテルで、指定管理者は御殿場市のレジャー会社でしたが、7月10日より大井川鐵道が指定管理者を引き継いで運営しています。
川を渡ると車窓が山側になってしまうため、眺望はあまりよくありません。
逆に言うと、座席が左右どちら側になっても、前半か後半どちらかで大井川の眺めを楽しめるということになります。
終着の千頭駅の手前で再度大井川を渡り、千頭駅に到着となります。
千頭駅にて
千頭駅は、乗ってきた大井川本線と、この先へ進む井川線(南アルプスあぷとライン)が接続し、山あいに広い敷地を持つ広々とした駅。今回は見学していないのですが、SLの転車台もあり、転回する様子も見ることができます。
下車した乗客が出口方面へ向かっていきます。
ここからは、井川線に乗り継ぐ人と、寸又峡温泉などに向かう人で分かれるようです。
蒸気機関車の機関室。いろいろと触ってみたくなります。
平成もあと数日で終わるということで、機関車に「ありがとう平成」のヘッドマークを掲出していました。
それを取り囲み、撮影する人も数多くいました。
千頭駅の駅入り口。円柱とアーチで構成された優雅な駅です。
次回は、井川線に乗り継いでさらに奥地へ向かっていきます。