月曜~土曜の朝に放送されている、おなじみNHKの朝の連続テレビ小説。
2021年春からの作品は、宮城県の気仙沼市・登米市などを舞台とした「おかえりモネ」となることが発表され、すでにロケも行われているそうです。
主人公は永浦百音(ももね)。その愛称が「モネ」です。
高校卒業までを過ごすのが気仙沼湾の沖にある自然豊かな島・大島。
前回はその大島にある浦の浜を訪ねました。
今回は、その大島の南の岬、龍舞崎(たつまいざき)についてお伝えします。
龍舞崎へのアクセス
大島へは、気仙沼市街地から気仙沼大島大橋を渡って行くことができます。
路線バスとしてはミヤコーバスの大島線があり、鉄道・BRTからは不動の沢駅、気仙沼駅、鹿折唐桑駅で乗り継ぐことができます。
今回は気仙沼駅前から乗車しました。
前回同様、鹿折唐桑駅前を出て唐桑半島を南に下り、気仙沼市魚市場や気仙沼湾横断橋を車窓に見ながら進んでいきます。
大島に入り、浦の浜(大島ウェルカム・ターミナル)、亀山入口などを過ぎてさらに南に向かうと、「龍舞崎入口」というバス停があります。ここからは下の地図の通り10分ほどの徒歩となります(細い道ですが、車で進むこともできます)。
バス停から龍舞崎へ向かう道の入口には、名城大学の名前がある看板が設置されていました。
同じ場所にある、過去の津波について記録した碑。
上の4文字は右側の「震嘯」しか読めません……。
右側の行書の文章は最初の「大地しんそれつなみ」しか読めません……。
左には楷書の小さい文字で、明治三陸地震・昭和三陸地震での地区の被災規模や義援金の額などが刻まれています。
バス停から南に向かうと、龍舞崎の入口に到着します。ここまでは車で来ることができ、付近に駐車場が用意されています。
龍舞崎遊歩道を歩く
ここからは、両側にクロマツが生い茂る遊歩道を歩いていきます。
この日は快晴とはいきませんが気候は良く、他にも遊歩道を歩く方が多く見られました。
松の間から、海岸の複雑な地形が織りなす景観を眺めることができます。これは遊歩道から南側の風景。奥には太平洋が広がります。
この地は松くい虫の被害が相次いでいるそうで、新たに植樹を行い、松林を守る動きがいくつも見られました。
さらに進んでいくと、階段が整備された道が出てきます。
ここからはアップダウンが出てきて、所々急な上り下りもありますが、少し気を遣うという程度で、特に大変な道ではありません。
途中、龍神様を祀っている小さな祠がありました。
岬の突端側まで来ると、松が少なくなって視界が開ける場所が増えてきます。
そして岬の突端へ到着しました。
陸前大島灯台と枯れた松の木
突端に着いた私を出迎えたのは、小さな灯台と、それを守護する2匹の竜。
……ではないのですが、枯れた松の木がまるで竜のように見えました。
「龍舞崎」という名前の由来は、付近の荒々しい岩礁と打ち寄せる荒波から、いかにも竜が舞っているように見えたためという説があるのですが、今こうしてみると、枯れ木の松の方が竜のように見えます。
実際、この龍舞崎の対岸にあたる岩井崎には、津波で残った松が竜の形に見えるということで「龍の松」と呼ばれるモニュメント(枯死したため保存加工された)があります。
順光側から見た灯台。
先ほども紹介した対岸の岩井崎には岩井埼灯台が立っています。
地図を見てみると、大島の陸前大島灯台と対岸の岩井埼灯台、この2つが気仙沼湾の入り口を示す役割をしていることがよくわかります。
龍舞崎入口の食堂へ
リアス海岸らしい景観を楽しんだ後は、遊歩道入口にある食堂へ。
刺身定食と、何か甘いものが欲しいと思いあんみつを注文しました。ただ、定食にも果物がついていたのでした。
気仙沼ならではの新鮮な刺身。キュウリのイカ巻と、キュウリの切れ端をくりぬいてワサビを乗せてあるのがオシャレです。
あんみつは砂糖の甘みが平均よりやや強めな印象。遊歩道を歩いてきた身体にはちょうど欲しくなる感じでした。
まとめ:リアス海岸の地形を体感できる場所
三陸沿岸には、リアス海岸の複雑な地形が織りなす景観がいくつもあり、この龍舞崎もその1つです。大島自体が、リアス海岸のうちたまたま陸続きになっていなかったために島になった場所といえます。
自然豊かな場所というのは日本各地どこでもあるのですが、「おかえりモネ」のモネが育つ場所の特徴としてリアス海岸というのは重要な要素であり、それを体感するためにはぜひ見ておきたい場所だと思います。