
※本記事は、下記の記事から抜粋して再構成、加筆を行ったものです。
- 水や海と建築の工夫、2つの見どころで構成された民間パビリオン
- ドームA:流れる水のインスタレーション
- ドームA→ドームB:海洋プラスチック廃棄物についてのさまざまな数字の提示
- ドームB:海の誕生から海洋汚染へ、視覚的に強く訴える映像
- ドームC:「海と山の超純水」540円。とても美味しい塩水
- 竹、カーボンファイバー、紙管。新しい3つの素材で骨組みが組まれたドーム
- 大阪・関西万博の潮流、「持続可能性」を代表するパビリオンの1つ
水や海と建築の工夫、2つの見どころで構成された民間パビリオン
大阪・関西万博会場の西ゲート近くにある「ブルーオーシャン・ドーム」は、特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンが運営する民間パビリオンで、3つのドームでできています。4月16日に予約を取って入りました。
見どころは大きく分けて2点、「水や海をテーマにした展示」と、「軽量で再利用可能な建築の工夫」だと思います。
ドームA:流れる水のインスタレーション
最初にドームAに入ると、キラキラした涼やかな音が聞こえてきます。そこにあるのは、高いところに置かれたガラス製のししおどしから落ちた一粒の水が、細かく突起が刻まれた斜面を下り、やがて一筋の流れとなってくねくねした回廊を流れていき、最後はまた水滴となって、広い円の中をくるくる回りながら中央の穴に回収されるという、山から海への水の流れを表現したインスタレーション(空間全体で表現される芸術)でした。
水が流れる回廊を超撥水加工することで、不思議な水の動きを実現しているのだそうです。場所によって異なる水の流れ方を見ているだけでもすごく楽しめました。



ドームA→ドームB:海洋プラスチック廃棄物についてのさまざまな数字の提示
ドームAからドームBに続く廊下では、海洋プラスチック廃棄物について訴える映像が流れます。プラスチックの使用量が年々急速に増加しており、それに伴って増え続ける海洋プラスチック廃棄物の量は、2050年には魚の量を上回るのだそうです。


ドームB:海の誕生から海洋汚染へ、視覚的に強く訴える映像
ドームBでは、球体のスクリーンに海の誕生や海洋生物の進化、廃棄物による海洋汚染といったことが迫力ある映像で表現されます。「集合体恐怖症の人には向いてないかも」という意見も見たことがあります。


ドームC:「海と山の超純水」540円。とても美味しい塩水
最後のドームCはイベントなどにも使われるスペースで、海洋汚染の対策に取り組む人たちのインタビュー映像や資料展示などと共に、「海と山の超純水」が売られていました。
見た目だいたい80mlほどで540円です。いやさすがにそれはあり得んすわ、と思いつつ、まあこれも何かのネタに、と思って注文してみました。丁寧に急須からカップに注がれます。
飲んでみたら、塩水なのに、上質なだし汁のようでとても美味しかったのでびっくりしました。高知県の塩職人が作り上げた塩と熊野の山の天然水を使い、豊富に含まれるミネラルが味を作り出しているとのこと。「一汁一菜」の提唱で知られる、料理研究家の土井善晴さんが手がけたものだそうです。
どんなにおいしくても、80mlに540円は、さすがに飲み物としては法外な値段だと思います。でも、そこで得られる体験からすると、安いとは言わないけど価値があるものではないか、と思いました。また、こうした体験から、自然の恵みを尊重する意識を喚起する、ということも意図していたように思います。
4月中旬のこの日はホットで提供されましたが、アイスにしたらまた飲んだ印象が変わりそうな気がしました(※実際に夏にアイスで提供されたのかはわかりません)。


竹、カーボンファイバー、紙管。新しい3つの素材で骨組みが組まれたドーム
ブルーオーシャン・ドームのもう1つの見どころは各ドームの建築です。建築家の板茂氏が手掛けたもので、骨組みには竹の集成材、カーボンファイバー、紙管という素材が使われています。いずれも建物の軽量化が可能で、特に埋立地である夢洲での仮設建築ということから、杭を打たなくてよい工法として採用されたようです。このドームは、万博の後にはモルディブの海洋リゾートで活用されることが決まっているとか。



(左)ドームAの竹の集成材 (中)ドームBのカーボンファイバー (右)ドームCの紙管
大阪・関西万博の潮流、「持続可能性」を代表するパビリオンの1つ
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博で、一つの潮流となるテーマが「持続可能性」でした。
日本館をはじめ、多くの海外パビリオンがそうしたテーマを掲げる中でも、海洋ごみと建築の2つの面で持続可能性を掲げたブルーオーシャン・ドームは、このテーマを代表するパビリオンの1つだったと言えると思います。
なお、パビリオンを運営するゼリ・ジャパンの活動については、下記の記事でも触れていますので合わせてごらんください。