君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

WILLER EXPRESS「リボーン」で京都から新宿へ

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東名高速・海老名SAに停車中のWILLER EXPRESS「リボーン」

高速バスを主題に記事を書くのはこのブログでも初めてになるかと思います。

東京-大阪間は基本的には東海道新幹線でまっすぐ移動すればいいのですが、それでは飽きてしまうので、いろいろな経路や寄り道を模索しています。

そんな中、今回は大阪へ用事で出かけた帰りに、超ひさしぶりに夜行高速バスに乗ってみることにしました。

とはいえ、乗り慣れていないのでなるべく設備のいいものにしようと思い、今回は「ほぼ横になれる」2+1列シートがあるWILLER EXPRESSの「リボーン」を試してみることにしました。

travel.willer.co.jp

「リボーン」は、設備が非常にいい分、運賃も高速バスとしては破格で、この時乗車した京都(京都駅八条口)→新宿(バスタ新宿)の場合、この日の価格で12,700円でした。

京都から新宿まで、新幹線と在来線を乗り継いだ場合で13,320円(自由席の場合)ですから、それに匹敵するぐらいの値段です。

ところが、WILLER EXPRESSの「快適シートキャンペーン」で大幅値下げされていて、7,000円となっていました。

スペック的な話は上のリンクを見ていただければいいかと思いますので、夜行高速バス初心者の乗車記として書こうと思います。中には、別にリボーン関係なしに高速バス自体の感想になる部分もあるかと思いますがご了承ください。

行程

乗車したW265便は、京都駅八条口の発車が23:40、バスタ新宿着が8:15予定になっていました。

もちろん大阪から乗車することもできましたが、慣れてないのでなるべく乗車する時間を短くする意図で、京都からの乗車としました。

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京都駅の八条西口、新幹線改札口を通り抜けると、「みやこ夢テラス」と名付けられたバス待ち用のテラスがあります。

他に、1階にも待合スペースはあるし、八条通りの反対側にもバス待ち用のスペースはたくさんあります。

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乗車するバスは、駅から八条通りを挟んで反対側のG2乗り場からの発車。昼行便、夜行便含め各社の案内がはみ出すぐらいたくさん貼られています。

23時ごろには京都駅に着きましたが、新大阪行きの新幹線が何本も発車していきます。

高速バスで一番不安なのはトイレをどうするかという話で、しかもこの時は昼間にいろいろ食べ過ぎたのかお腹の具合があまり良くなかったので、付近のトイレでできるだけ済ましておくようにしました。

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23:30過ぎ、乗車するバスが到着。

京都駅からは7~8人ほどが乗り込み、大阪から乗車した人と合わせて12人で東京へ向かうようです。「リボーン」の席数は18席ですので、2/3の乗車率になります。

乗車前には検温がありました。

23:40に京都駅を発車。途中、草津・岡崎・海老名で休憩の予定であること、清水付近で乗務員を交代すること、伊勢道の工事のため、一部区間で迂回するので遅れが出る可能性があること、などの案内がありました。

以降の行程はこんな感じでした。

  • 0:11~0:25 新東名・草津SAで休憩
    乗車後もお腹の違和感が続いて早くトイレに行きたかったので、時間ギリギリまで入ってました。
  • 2:23~2:40 新東名・岡崎SAで休憩
    この時にはだいぶ体調は良くなっていましたが、この後の休憩は海老名なのでとりあえずトイレに行っておきます。
  • 4:35頃 新東名・新清水ICを下りて北に少し行ったところで乗務員の交代。ここは鉄道でいえば「運転停車」で、乗客の休憩用ではありません。
  • 6:17頃~6:45 東名・海老名SAで休憩
    この頃はもう体調も良くなっていたし、もうすぐ到着ですので、とりあえず写真だけ撮って車内に戻りました。

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    外はボタボタっと重い雨が少し降っていました。
  • 7:32頃 バスタ新宿に到着
    予定よりも40分ほど早い到着でした。

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乗り心地について

「リボーン」の特徴について簡単に紹介すると、1人当たりのスペースをできる限り確保するため、横3列×縦6列の18席であるということ。同様に座席スペースに全振りするためトイレはなく、通路も必要最小限の幅となっています。

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車内で何とか撮った写真。なお、極力音を立てないよう、休憩中に自席から電子シャッターで撮影しています。

1席ずつブースがあり、ブース内でのリクライニングとなるため、「タイミングが合わずに後ろの人に迷惑問題」を気にする必要がありません。

また、ゆりかご型シートとなっており、背面を倒すと同時に座面のお尻の部分が沈み込みます。

そして、最大にリクライニングした状態でレッグレストを一番上まで持ち上げると、前の席にあるフットレストとつながり、頭から足まで、ほぼ水平に近い角度(155度らしいです)まで横になることができます。

ヘッドレストは上下可動式で、リクライニングした時に頭をのせて支えるための構造になっています。

靴はフットレストの下に収納でき、フットレストの上には大型のテーブルがあります(さらに座席の上にも荷物棚があります)。

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ブースの右側にはアイマスクが用意されていて、このネット部分にちょっとした小物(例えば充電中のスマホなど)を収納することもできます。なお、ブランケットの貸し出しもあるそうですが、この時は中止されており、各自で調節するよう案内がありました。

アイマスクの下にひじ掛けがあり、そこに座席を調節するリモコンと、電源コンセントが用意されています。

ドリンクホルダーは隠れて見えませんが、座って左側(アイマスクの反対側)に設置されており、リクライニングして横になっていても手が届くようになっています。

機能的に、あとおそらく人間工学的によく考えられた構造で、寝心地はかなりよかったです。法令上、完全に横にはできないという制約がある中で、どういった形状や材質にすれば快適に過ごせるか、ひたすら考え抜かれた座席という印象があります。

バスタ新宿で降りた時に、どこかが痛いとか凝ってるとか、そういったことが全くなかったのが意外で、それだけ快適だったことの証明と言えるかと思います。

ただ、寝ている時はいいのですが、その寝ている状態に完全に最適化されている感があって、休憩で移動する時など、窮屈と言えば窮屈です。私は成人男性の平均よりもだいぶ身体が大きいのでそう感じるところもあるかと思います。休憩で下車する時に、コンセントで充電しているものに腕が当たって落としてしまい、音を立ててしまうということがあって、ちょっと肩身が狭かったですが、この辺は、高速バスである限りは仕方がないような気がします。

トイレに関しては、そんなにひどい状態でなければ、3回休憩があればなんとかなるのかなという感じです。でも、本当にバスに乗ってられないとなったらどうすればいいのでしょうね。

新幹線とほぼ同等の夜行高速バスに意味はあるか?

東京~大阪間の夜行バスは競争が激しく、5,000円以下の価格帯が主流です。その低価格と、新幹線駅以外の様々なところから直接移動できるところ、新幹線がなくなった深夜に出発できたり、新幹線ではたどり着けない早朝の時間に到着できたりするところがバスの武器と言えるかと思います。

「リボーン」は新幹線並みの値段で、低価格という武器を捨てた代わりに、乗り心地という武器を手に入れて戦う車両です。バスの揺れを気にせずに寝られれば、何なら東海道新幹線N700系の普通車よりも快適かもしれません。

個人的には、夢の中でバスの揺れを強い地震だと思い、逃げようとして目が覚める、ということがあったりして、夜行バスになじめるのかどうか、どうも苦笑せざるを得ない感じはあります。

ただ、夜行バスをうまく使えば、現地での滞在時間を増やせたりもしますので、今後も機会があれば試してみたいなと思っています。