君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

岩手県梅雨の4連休の旅 (3)瓶ドンと浄土ヶ浜、宮古の一日

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三陸を代表する景勝地の1つ、岩手県宮古市浄土ヶ浜

7月23日~26日の4連休、釜石、宮古などの岩手県沿岸を中心として旅行をしたので、その記録を順にお届けします。

初日は新花巻から釜石線で釜石へ。途中の遠野からはSL銀河に乗車してきました。

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2日目は、事前の予報では「終日曇りだけど降水確率は低い」という天気。それを信じて、この日は三陸を代表する景勝地の1つ、浄土ヶ浜へ行ってみることにしました。

釜石から三陸鉄道の列車に乗車し、途中、岩手船越駅で寄り道した後、宮古駅へ向かいました。

宮古名物、瓶ドンを堪能する

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岩手船越では冷たいやませが吹く曇り空でしたが、宮古駅で下車したら、予想外にすっかり見事な青空でした。

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駅に併設して三陸鉄道の留置線があり、レトロ列車がたくさん留置されていました。

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今はJRと三陸鉄道が駅舎を共用していますが、その向かって右手には、以前の三陸鉄道の駅舎がありました。おそらく、釜石~宮古間を移管した時に変更されたのでしょう。

JRの横並びに三陸鉄道の駅舎、というのは盛、釜石、久慈と共通ですが、ここには三陸鉄道の本社があり、こじんまりとした他の駅舎と比べると、建物はひときわ大きいものでした。

まずは以前から食べてみたかった、宮古ご当地グルメ「瓶ドン」をいただきます。

「瓶ドン」とは、牛乳瓶のような瓶の中に魚介類や海藻類などの食材を詰め込んで提供され、それをご飯に開けて食べるというもの。その体験感、何が入っているんだろう、というワクワク感が楽しみで、一度食べてみたかったのです。

瓶ドンを提供する店は宮古市内にたくさんあるのですが、駅前広場に面してもいくつかあります。

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こういうご当地グルメは、早く行かないと店が混雑してしまうというのは別の場所でも経験しているので、11時前の早い時間ですが、さっそく入店。「蛇の目本店」さんは10:30から開店していました*1

注文したのは「瓶ドンおまかせ(大)」。やってきたのがこちらです。

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大小2つの瓶に溢れんばかりに(というか溢れてますが)詰め込まれた食材の数々。

2本まとめて白飯にぶちまけ、ほどほどに醤油を回しかけていただきます。食材を1つ1つ確認してみると、ウニ、イクラ、タラ、カニ、エビ、タコ、ホヤ、カズノコ、マグロ、ホタテ……予想以上に多種多様でした。

小鉢には白身魚の唐揚げの甘酢がけ、小皿にはカズノコ、スジコ、小イカ、明太子。魚のダシの澄まし汁。どこをとっても魚介づくしです。

食材が美しく整えられた海鮮丼はそれはそれで素晴らしいものですが、瓶ドンは何しろ何が入っているかわからないワクワク感と、あらゆる魚介をまとめて味わう贅沢感が楽しいですね。

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11:30ごろ、店を出たら近隣の店も含めて行列ができていてびっくりしました。

大満足で浄土ヶ浜へ向かいます。

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路線バスに乗り、15分ほどで浄土ヶ浜ビジターセンターで下車。一部のバスは浄土ヶ浜の奥の方(奥浄土ヶ浜)まで向かいますが、とりあえず手前から奥に向かって進んでいくことにします。

浄土ヶ浜の海岸沿いを散策

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浄土ヶ浜は、宮古湾の湾口付近にある三陸有数の景勝地。前述の通り、宮古駅から路線バスで10数分というアクセスの良さが素晴らしいです。

ビジターセンターのバス停の近くから、さっそく宮古湾の風景が見えてきます。

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眼下には通路があり、人が歩いていくのが見えます。

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浄土ヶ浜には遊覧船が運航されていますが、残念なことに来年1月11日で運航休止とのことで、最後の夏の記念に、8月31日までの間で岩手県民・宮古市民向けの割引が行われています。

プレスリリースを見ると、震災も含めて、ジリ貧に追い込まれていった事情を垣間見ることができます。

みやこ浄土ヶ浜遊覧船事業の終了について
http://jodo-yuransen.jp/wp-content/uploads/pr2020-0722-2.pdf

とりあえずここで乗船券を購入。次の出航まで時間があるので、海岸沿いに散策していくことにします。

海岸沿いにはビジターセンターのエレベーターで降りることもできますが、すぐ横にも通路があります。木立の中を進む気持ちのいい道です。

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少し歩くと、静かな入り江に佇む遊覧船。

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その手前の浜辺では、波に向かって小石を投げる子どもたちがいました。

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先の方から人の名前を呼ぶアナウンスが聞こえてくるので、短いトンネルを抜けてそちらに行ってみます。

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広い浜辺に出ると、そこはマリンハウスでした。少し先に「青の洞窟」という海蝕洞があり、そこをボートで進む人向けの案内だったようでした。

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浄土ヶ浜の景観の特徴として、白い岩肌の尖った小島が海側に連なっている点があります。

この辺でのんびりしていると、そろそろ出航の時間になってきたので遊覧船へ。

遊覧船にはすでに多くの人が乗り込んでいて、甲板部分はいっぱい、2階席も空いてなさそうだったので、1階席に乗り込みます。

遊覧船にて、なぜかひたすらウミネコを撮影

遊覧船の座席は、前後の列を1列ずつ空け、5人並びの席は中央を使用禁止にする形で感染対策を行っていました。

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その分、一便の収容力は減るし、運行回数を増やせばコストが嵩むわけで、遊覧船の休止はコロナがとどめだったのかな……と考えてしまいます。

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ここでは「うみねこパン」を売っていて、ちぎって投げるとウミネコが飛んできて食べていくので、ウミネコの姿を間近に見ることができます。宮城県の松島などでもおなじみのイベントですね。

出航するとさっそく窓の外にはウミネコの群れが。

きっと外から見ると凄い群れなんだと思います。

当然、船から見える景観についてガイドがあるのですが、それを一応耳に入れつつも、群がるウミネコをひたすら撮り続けていました。

オートフォーカスは追尾優先モード。ピントを決めず、動く被写体を見つけてピントを合わせてくれるモードになります。

そして、素早い動きを写し止めるため、シャッタースピードは1/1000秒に設定。

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最初はなかなかうまくいかなかったのですが、群れの中で、船に合わせて飛んでそうなウミネコを見つけて連写していくと、だんだんいい感じで撮れるようになってきました。

これまで、何度か飛んでいる鳥を撮ろうと試したことはあったのですが、いずれも飛ぶのが速すぎてなかなかうまくいきませんでした。でも、遊覧船に合わせて飛ぶ鳥は相対的な速度差が小さいので、比較的撮りやすいのではないかと思います。

というわけで、ひたすら撮りまくったウミネコの写真を列挙しますので、気になったものがあればクリックしてご覧ください(全部見てくださいとは言いません)。

なお、写真はそれぞれ適度にトリミングをしています。

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上の3枚は、鳥が大きくなるようにかなりトリミングをしていますが、オートフォーカスがバッチリ捉えているのがわかると思います。そこまで高性能というわけでもないカメラとレンズで、ここまで精細に撮れているというのは凄いと思いました。

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下側中央のカットは、顔にピントが合ってないのですが、逆に羽の美しさがくっきりと描けているのもまたいいと思います。

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全部左向きに飛んでる絵なのですが、羽ばたき方の瞬間瞬間、撮る角度、背景の様子、他のウミネコがいるかどうか、といったことで全然違った絵になるのがとてもダイナミックで面白いと思います。

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横を飛んでいるウミネコはみんなエサを狙っているのですが、撮ろうと思ってカメラを向けると、その途端に落ちていくエサを見つけて急降下したりするのもまた面白いです。

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上の3枚は、左上から右下への雲の連なりの中を飛んでいる様子が面白かったので、鳥は小さめにトリミングしました。

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遊覧も終わりに近づくと、うみねこパンが尽きたのか、周囲を飛ぶウミネコの姿も減ってきたので撮影は終了。

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カヤックの体験をしている人たちの横を通り過ぎつつ、興奮しっぱなしの40分間の遊覧は終了となりました。

オープンしていた海水浴場。奥浄土ヶ浜

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遊覧船を下りて、先ほど訪ねたマリンハウス付近を抜けて先に進むと、何か幾何学的な岩肌が見えてきます。

その先は海水浴場となっている奥浄土ヶ浜でした。

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この前日、4連休の初日にオープンしたらしく、見ての通り多くの人が浜辺で思い思いの時間を過ごしていました。

この看板もたまたま手前に人がいない時に撮れたのですが、後から次々と記念撮影の人がやってきて、別のカットを撮るどころではありませんでした。

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この浜は砂浜ではなく、小石の浜辺になります。小石というと、南の大船渡市に「小石浜」という場所(三陸鉄道の「恋し浜駅」のところ)があるのですが、もしかしたら、三陸のリアス海岸の入り江は波が穏やかで浸食作用が弱く、だから砂浜ではなく小石として形が残っているのかな? などと考えたりしました。

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こちらには、先ほどのマリンハウスと似たような建物ですがレストハウスがあります。

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レストハウスの展望スペースから撮影。この景観を「極楽浄土のごとし」と評されたことが由来だそうですが、確かに他にはなかなか見ない、何か別世界のような景観だと感じます。

天気も曇って来たし、ちょうどこの辺が奥浄土ヶ浜で、宮古駅に戻る路線バスの最終便が出る時間だったので、それに乗って帰ることにしました。

わずかな青空が見えた日、宮古を代表するご当地グルメ景勝地を堪能した一日になりました。

3日目に続きます。

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*1:ところが2日後に行くと店の都合で11:00開店に変わっていたので、その辺は注意しておく必要があるかもしれません。