君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

初夏の三陸ウニ丼紀行 (4)気仙沼のシンボル・安波山を行く

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気仙沼のシンボル・安波山からの気仙沼湾の眺望

6月18日に都道府県を跨ぐ移動の自粛要請が終了し、(もちろん感染対策には注意を払いつつも)気兼ねなく旅行ができる季節がやってきました。

夏といえば三陸名産のウニ。沿岸各地では競ってウニの口開けをアピールして販売を始めています。

さっそくウニ丼目指して三陸へ向かい、初日・2日目と南三陸さんさん商店街でウニ丼を堪能しつつ、周辺を巡ったりしていました。

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最終日の3日目は残念ながらウニ丼の話はありませんが、巡ったところを順に紹介していきます。

気仙沼の裏山へ

気仙沼市街地の裏山的な場所に、安波山という標高239mの山があります。

昨年(2019年)5月、初めて気仙沼を訪ねた日に行ってみたのですが、もう夕暮れ時で薄暗くなってきていたので、中腹の駐車場から少し登ったところですぐに下山。

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2019年5月、初めて気仙沼を訪れた際に撮影

気仙沼を一望できる風景がまた見たくて、いつか再度登ってみたいと思っていたところでした。

南気仙沼駅で気仙沼線BRTのバスを待っていると、先にやって来たのは気仙沼から来た柳津行き。

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柳津行きが出発したところに入れ違いにやって来た気仙沼行き。これに乗って気仙沼駅に出ます。

気仙沼駅からはタクシーに乗り、安波山の中腹、5合目ぐらいに相当する駐車場へ。徒歩で行けないわけでもないのですが、登山という行為そのものが目的ではないので、できるところは省エネしていきます。

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駐車場からすでに、気仙沼湾の様子がよく見えています。

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これは少し陸側の町並み。3月まで気仙沼線BRTが通っていた県道26号沿いの一帯。左上には高台に移転した気仙沼市立病院も見えます。

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さらに西側の山あいの風景。気仙沼市というより、もう一関市のエリアに入っているのかもしれませんが、住宅地が点在する風景となだらかな波のような山の形が、海側に劣らずいい景色だと思います。

さて、ここからは徒歩で登っていきます。山頂までは「安波山公園」として整備されています。

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駐車場から登る人を出迎えるのが「りゅうの階段」。整備された階段の両側に竜の形のオブジェが配置されています。

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道中、いろいろなオブジェや装飾があって賑やかです。「市民に親しまれている山」という感じです。

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前回、5月に訪れた時は桜やツツジが咲いていましたが、この時期に見られたのはヤマボウシヒメジョオン、アザミといった花々でした。

登っていくと、途中「ひのでのてらす」というテラスがあるのですが、枝分かれで違う方向に進んだらしくスルーしてしまい(後で紹介します)、たどり着いたのは「ほしのてらす」というテラス。

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うっかりテラスの写真を撮り忘れていましたが、山道から3mほど高いところに階段で昇る形でテラスが設けられています。

安波山の施設名は基本的に全部ひらがなです。

小学生が遠足で登るような山なので、子供向けを意識しているのでしょう。

「ほしのてらす」からの眺め

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ほしのてらすからの眺め。駐車場からよりも高いところから見下ろしている雰囲気になります。

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内湾地区と鹿折(ししおり)地区の間に見える丘は、気仙沼市が整備中の復興祈念公園だそうです。

いろいろ風景は撮ったのですが、最初は日が雲に隠れていたので、後で日が出た時の写真をご紹介します。

ニホンカモシカ登場

ほしのてらすでのんびりしていると、下の方の茂みでガサガサと物音が。

他の登山者の方かな……と思って何気なく見てみると、そこにいたのは鹿でした。

動物の種類は詳しくないのですが、後で調べたらカモシカニホンカモシカ)のようです。

少し前に、山のふもとにある気仙沼市役所付近で、カモシカに襲われて怪我をした人がいるというニュースを見ていたので、いても不思議はないのですが、実際に見ることになるとは思いませんでした。

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こちらに気付いたのか、最初は警戒するようにじっと見ていましたが、動かないとわかると周囲の葉っぱをのんびりと食べ始めました。

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やがて茂みの中へ去っていきましたが、こうやって距離を取って見ていると可愛いですね。野生のカモシカに近づく勇気はないですが……

改めて「ほしのてらす」からの眺め

カモシカを撮っていたらそのうち日が照ってきたので、改めて周囲の風景を撮ってみました。

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この2枚は気仙沼魚市場付近。巨大な魚市場と岸壁に並ぶ漁船に、日本有数の水揚げ港であることを感じさせられます。

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気仙沼湾の最奥部で再整備が進められている内湾地区。防潮堤と一体化した施設や、海側の空間を活かした広場に特徴があります。対岸の大島との間を結んでいたフェリーは、昨年春に道路橋(気仙沼大島大橋)が架かったことでその役割を終え、気仙沼湾の遊覧船として再スタートを切っています。

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鹿折地区の災害復興住宅。付近はすっかり整地されたものの、空き地が目立つ風景は、復興がなかなか思うように進まないもどかしさを感じさせられます。

まあ、昔は平屋建てが立ち並んでいたはずの場所にマンションをたくさん建てて住民を集約してしまったら、残った土地は誰が使うんだということも感じるのですが……。

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三陸自動車道気仙沼湾横断橋と、奥に見えるアーチ橋が気仙沼大島大橋

遠目に見ると何気ない風景なのですが……

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画像を等倍で見てみると、気仙沼湾横断橋の接続部分になにやら人が集まっているように見えます。

ちょうどこの頃、接続が完了した記念式典が開かれていたようでした。

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安波山から見る、気仙沼線BRTと大船渡線BRT

かなり小さいのですが、気仙沼付近を走るBRTも見ることができます。

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気仙沼線BRTの赤岩港~南気仙沼間。どこにバスがいるのかと言われそうですが、左下のカーブする道路のところにいます。

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気仙沼湾を左上に大きく入れるとこんな感じ。ヘッドライトがなければバスとわからないですね……。

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これは南気仙沼駅付近。右下に南気仙沼駅の円筒形駅舎が見えます。

この駅付近を歩いていていつも思うのですが、こうしてみるとやっぱり林立する電柱がとても目立つなあ、という感じ。建物が少ない分、さらにそう感じるのかもしれません。 

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こちらは大船渡線BRT。八幡大橋(東陵高校)~唐桑大沢間、国道45号を進むところが見えます。

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八幡大橋(東陵高校)駅付近。この辺は車が多くてとにかく遅延が発生しやすいのです。そのため、上り気仙沼行きの場合、気仙沼での乗り継ぎ時間はだいぶ余裕を見て設定しているようです。

せっかくなので山頂へ

ほしのてらすは8合目に相当するようで、それならついでなので山頂まで行くことにしました。

鉄道の乗りつぶしのために、特に用はなくても思いがけない発見に期待してとりあえず末端の終着駅まで乗っていく、あの感じです。

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ほしのてらすから山頂へも、階段が整備されているので楽に進めます。

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山頂に到着。といっても、山頂を示す表示はなにもないのでやや肩透かしな感じもしますが、まあ大きな山でもないですからね。

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山頂にあるオブジェは、地球の絵なのですが南半球がかなり拡大された不思議なもの。

図面に置かれた黒い点の集まりなどを見ると、もしかしたら遠洋漁業と関係があるのかな? などと思うのですが、詳しいことはよくわかりません。

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山頂からの眺め。微妙な違いではあるのですが、気仙沼湾の外側の海の広さに奥行き感があり、その辺が低いところからの眺めとは違う感じがします。

下っていくときに、カモシカが茂みの中で葉っぱを食べてるのを見つけましたが、撮ろうとしたらすぐに見えなくなってしまいました。

途中、登る時はスルーしていた「ひのでのてらす」へ。

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地面には、日の出の方向の表示があります。

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「ひのでのてらす」の少し下には、簡易式ながらトイレも設置されていました。

下りは徒歩で町に降り、気仙沼駅へ。

11:56発の盛行きにギリギリ間に合い、陸前高田へ向かいました。

次の鹿折唐桑までの間、大船渡線BRTは安波山の麓を走ります。カモシカがバスの直前を横断していきましたが、この区間は狭い路地との交差点が多く、30km/hほどでゆっくり進みますので、轢いてしまうこともありません。

陸前高田に着いた後の話は次回に続きます。

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