東日本大震災以降、一部区間で運転見合わせが続いていたJR常磐線ですが、9年の年月を経て、今年3月14日に全線での運転再開を迎えることになりました。
常磐線(富岡駅~浪江駅間)の運転再開及びおトクなきっぷの発売等について(水戸支社)
http://www.jrmito.com/press/200117/press_02.pdf
常磐線全線運転再開について(仙台支社)
https://jr-sendai.com/upload-images/2020/01/202001174-1.pdf
常磐線の現状についておさらいをしておくと、まず上野~いわき間には特急ひたちが運行されています。
いわき~富岡間は普通列車のみ運行。
富岡~浪江間が最後の不通区間となっており、両駅間を直行で結ぶ代行バスが運行されています。
浪江~仙台間は仙台側の701系、719系、721系といった車両で普通列車が運行されています。
このうち、いわき~富岡間の一部列車には、かつて特急「スーパーひたち」として上野~仙台間を駆け抜けた651系特急車の4両編成が起用されています。
常磐線特急としてはE657系に置き換えられ、今は高崎線系統の特急「スワローあかぎ」や「草津」、そして伊豆方面の観光列車「伊豆クレイル」として活躍していますが、常磐線としては最後の編成になります。
651系で運行されている列車は、2020年2月時点では、以下の4列車となっています。
- 673M列車 いわき発 10:27→富岡着 11:09
- 672M列車 富岡発 11:28→いわき着 12:10
- 683M列車 いわき発 16:13→富岡着 16:54
- 682M列車 富岡発 17:04→いわき着 17:46
651系と合わせて、全線運転再開に向けたE657系の試運転の様子も見れればと思い、日帰りで常磐線を訪ねることにしました。
朝、東京駅から特急ひたち1号に乗り、いわき駅で乗り換えて久ノ浜駅へ。
久ノ浜駅から南側に30分ほど歩いたところで、海岸沿いを走る673M富岡行き列車を撮影しました。新しくできた国道6号線のバイパス道路で、海側に広めの歩道がある、なかなかいい条件の場所です。
晴れてはいるものの雲が多く、めまぐるしく陽が射したり翳ったりといった天気でしたが、列車が来たのはあいにく翳ったタイミングでした。
もっとも、陽が射しても逆光の時間帯で、それを知りつつあえて海が大きく入る場所で撮ろうとしていたので、照ったら照ったで別の悩みをかかえていたような気がします。
その後、久ノ浜駅近くで常磐線をオーバークロスする道路上から、672Mのいわき行き列車を撮影。
ここでは、手前に久之浜の町並み、奥に特徴的な断崖や海を入れるような構図にしてみました。列車が来る直前に陽が射してくれたので明るい写真となりました。
この時、同じ場所に別の年配の方も撮影に来ていました。地元の方だそうで、震災の時には津波に襲われた海側で大きな火災が発生したこと、北側の高台にある真新しい住宅地に移転したことなどを話してくださいました。
私はこうして町の風景を主体に撮りましたが、その方は線路沿いに降りて行って編成写真を撮られたようです。
昼間は広野駅・富岡駅へ試運転列車を見に行った後、夕方のいわき発の683M列車は木戸駅から南側の田園で撮影しました。
実は夕陽が照り付けていたのですが、車体の色を綺麗に出したかったので、だいぶカラーバランスをいじっています。
その後、木戸駅に戻って最後の682Mいわき行きに乗車。すっかり日が暮れていました。
651系の車内。リクライニングシートを一部回転させてボックスシート状にしてあるのですが、それを元通り前向きに回転させて座っておられる方も結構見受けられました。
いわき駅で下車し、特急ひたちに乗り換えて帰宅。
651系がいわき~竜田間(当時は竜田から北が運転見合わせ中)の普通列車として起用されたのは2017年。3年ほどの短い運用となりそうです。
その頃の乗車記は下記の記事に書きましたので、あわせてご覧いただければと思います。
この日帰り旅行の2日前、仙石線を訪ねた後に常磐線ルートで帰宅した際にも、651系を撮影していました。
こちらは富岡駅に停車中。駅の横の高台から撮ってみましたが、手前に電柱がたくさん立っていたり、木々の間から見える隙間が狭かったり。発車するまでに即興で構図を考えてみますが、なかなかいいアイデアがありません。
というわけで、手前の木を前ボケにして撮ってみたりしました。
この時、どうせならもうちょっと構図を考えて撮りたいと思ったのが、再訪するきっかけなのでした。