大阪市住吉区にある住吉大社は、「住吉っさん(すみよっさん)」と呼ばれる大阪を代表する寺社の1つで、初詣になると全国有数の人出があることでも知られています。
私は大阪出身ではあるのですが、初詣で行ったことはありませんでした。というより、たぶん七五三で連れられて行って以来行ってなかったと思います。
今回、帰省の間に少し時間があったので詣でに行くことにしました(厳密にいうと初詣は別に済ませていたのですが…)。
急行も臨時停車する南海電鉄・住吉大社駅
鉄道での最寄りは住吉大社の西側にある阪堺電気軌道の住吉鳥居前電停、そして南海本線の住吉大社駅になります。
東側からの場合、南海高野線の住吉東駅からもアクセスできます。
午後3時過ぎに南海本線で住吉大社駅に着いてみると、これから詣でる人、初詣を終えて帰る人が駅に溢れていました。
乗車してきた難波発和歌山市行きの普通車。車内は首都圏の朝ラッシュ時のような混雑で、降りる人、乗車する人がとても多く、なかなか発車できません。
こちらは難波方面に向かうホーム。見る限り、溢れんばかりの人がホームを埋め尽くしています。
通常、この駅には普通車しか停車しないのですが、毎年正月三が日だけは日中の急行(空港急行)が臨時停車しています。
住吉大社の目の前には阪堺電軌
住吉大社駅の東に隣接して、廃止された阪堺電軌の住吉公園電停があります。
電停としては機能していないはずですが、駅舎はそのまま残り、売店も営業しているようです。
阪堺電軌は大阪都心部の天王寺駅前と恵美須町を起点とし、このすぐ北側にある住吉停留所で合流して、一方は住吉公園、もう一方は堺市内の浜寺駅前へ向かっていましたが、住吉公園電停は2016年1月末に廃止。その理由は住吉-住吉公園間の線路が老朽化しており、補修費用の捻出が困難とのことでしたが、すぐ隣には住吉鳥居前電停があるので、経営が苦しい(堺市から補助を受けている)中では無理に維持する必要もなかったということでしょう。
少し東に向かうと、もう住吉大社は目の前です。
鳥居の目の前を路面電車が横切っていきます。この付近に住吉鳥居前電停があり、先ほどの住吉公園からは、普通に歩けばものの1分程度で着きます。
位置関係の参考として付近の地図を貼っておきます。
住吉大社の境内へ
鳥居をくぐり、色とりどりの露店が立ち並ぶ中を進んでいきます。
まっすぐ進むと住吉大社を象徴する「反橋」があるのですが、その手前一帯に露店が広がっていて、その中には茶屋風に日射しがしのげる休憩スペースが用意された店まであります。
この朱塗りの丸い橋が「反橋」になります。
実は、大阪にいた頃は「太鼓橋」という通称の方で呼ばれていたため、「反橋」と呼ぶことはこの日初めて知りました。
さらに奥へ進むと2つ並んだ本宮が。第3本宮、第4本宮とのことで、第1・第2本宮はまたさらに奥にあります。
その左側にはお札お守り授与所があるのですが、屋根の下にずらっとお札・お守りの一覧が掲出されています。
うさぎは住吉大社で神の使いとされていて、この辺はなるほどという感じ。
しかし、ずっと見ているとこれでもかというぐらいのラインナップ。交通安全とか家内安全とか商売繁盛とか一般的なものに混じって、朱色で強調された「ランドセル守」、夫婦円満の「裸びな」、追突防止ステッカー、釣人守護の釣人守、台所の神様……
個人的には、ITセキュリティ守とかあれば買っていたかもしれませんが、
それはムリな願いだ…
神の力を超える願いはかなえられん
ということかもしれません。
第2本宮、第1本宮を訪ね、そのあとは露店を少し冷やかして住吉っさんを後にしました。
なお、露店で買って食べたもののゴミ箱は、境内の出口側にしかないので、参拝前に買って内側に進んでしまうと始末に困ることになります。参拝を済ませてから露店を楽しみ、境内を出る時にゴミ箱に捨てていくのがおすすめです。
帰りは阪堺電軌で天王寺へ。天王寺駅前付近の軌道は最近になって緑化され、片方では再開発が進みつつも、もう片方では昔ながらのアーケード街が残り、阿倍野ならではの情緒が感じられるように思います。
住吉大社は、何しろ「駅前すぐ」というのがいいですね。これだけの名所で、駅や電停からすぐの場所にあるというのはなかなかありません。ピーク時さえ外せば、気軽に訪ねることができるのではないかと思います。