※本記事は2017年6月の記録になります。
本記事は、時系列としては軽井沢からバスでやってきた下記の記事の続きになりますが、関連はないのであまり意識していただく必要はありません。
横川駅とその周辺
レンガ貼りのゲートや瓦ぶきの屋根など、レトロ感を表現した横川駅。
駅弁として有名な「峠の釜めし」で知られるおぎのやのお店。
のどかな空気が流れる駅前の様子。
かつて、軽井沢へ向かう列車が通ったはずの橋。
しかし、その線路にはどっしりと車止めが置かれ、その向こうはホーム間の渡り通路になっていました。
最後尾(横川方の先頭)には電気機関車が連結され、「ELレトロ碓氷」のヘッドマークが。現在は「ELぐんまよこかわ」として運転されていますが、横川駅には転車設備がないため、こうして両側に機関車を連結して運転されます。
磯部駅 - 横川駅間は急な上り勾配区間ではあるが、通常の運転(D51 498牽引時)では電気機関車およびディーゼル機関車は無動力でD51 498の単独運転である。 (「機関車牽引による臨時快速列車」より)
とのことで、補助動力ではなくあくまで片道の牽引のためのようです。
かつては、両側に蒸気機関車を連結していたこともあったそうですが、
蒸気機関車を2台使用することによる運行費用の肥大化や、沿線の安全上(特に、鉄道ファンや一般客の撮影マナーの劣化)の問題から、この日以降は再び片道のみ「SL」として運行する形態が継続している。(同上)
あらまあ……。
連結されていたのはレトロ調の客車で、これが列車名の由来になります。
先頭部の蒸気機関車。磨き上げられた漆黒のボディが美しい。
今にも動き出しそうに、時折煙を上げたりしています。が、発車時間はまだ先。出発前のイベントが用意されていました。
和太鼓の演奏を堪能する
ホームの蒸気機関車の先で、安中総合学園高校の和太鼓部による演奏が始まりました。
「飛翔天龍」。龍が駆け上っていくような、太鼓メインの力強い演奏でした。
メンバーが入れ替わって「上州」。地域の自然や風土を表現したかのような、柔らかい笛のメロディが心地よい曲でした。
最後は全員で踊るように華やかに演奏する「弾打」。駅長さんも隣で手拍子を打ち、とても楽しい演奏でした。
http://www.annakasogo-hs.gsn.ed.jp/old%20school/club/drum.htm
上記の部活動の紹介ページを見ると、月に何度かどこかの駅で演奏をしているようなので、タイミングが合えば楽しんでいただければと思います。
SL+レトロ客車のゆったりとした旅
横川を出ると、SLらしいゆったりとした速度で進んでいきます。発車当初はこんなにのどかな風景でしたが、山を下るにつれて沿線に建物が増え、やがて高崎周辺の市街地に進んでいく風景の変化は見ごたえがありました。
ボックス席で他のグループとの相席ということで、窓側ではあったものの、なるべくおとなしくしていたのであんまり写真は撮れてなかったりします。
SLや旧型客車にノスタルジーを感じるかというと自分の場合はそうでもなく、非日常の乗車体験としてこういうのもありかな、という感じで乗っています。なので感想がそっけないかもしれないのですが、その辺はちょっとご容赦をいただければと思っています。
高崎駅へ到着し、あとは帰路についてこの日の旅行は完了となりました。
乗車中、「撮り鉄」について考えてみた
珍しい列車が走るたびに話題になる(話題になるということは問題が起きる)「撮り鉄」の話。
このD51+旧型客車という絶好の素材に乗っていると、車窓に撮り鉄の方を数多く見かけ、その中で1つ確信したことがありました。
それは、問題を起こす人だけがルール違反をしているわけではない、ということ。
よく、「こういう奴のせいで撮り鉄全体が白い目で見られる」という意見を見るのですが、実は多くの人が大なり小なり何らかのルール違反をやっているんじゃないかな、と思うのです。
例えばこんな人を見かけました。
- 上下線の間隔が開いたカーブで、その隙間に三脚を立てて撮影している人(これはかなり論外かと)
- 線路沿いの柵の外側に立ち、三脚を柵の内側(線路側)に立てて撮影している人。けっこういました。
- 踏切の通行の邪魔にならないようにしているつもりか、横に一歩、線路内にズレて撮影している人。これもけっこういました。
- 個人の敷地内と思われる、広がる畑の真ん中、細いあぜ道に三脚を立てて撮影している人。これもよく見ました。許可を取っているなら問題ないのですが、作物を踏まなければいいという話ではないです。
その中で、たまたま問題になってしまったごくわずかな人と、運よく問題にはならなかった数多くの人がいる、ということなのではないかと感じています。
普通の211系電車に乗っていたらこんなことはわからない話で、こういう見聞を得られたことが、実は今回の収穫だったかな? という気もしました。