君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

浜離宮恩賜庭園と東京の借景

※本記事の写真は2018年5月のものです。

首都圏エリアに住んでいると次第に忘れそうになってきますが、東京都心も日本の一地方なのです。というわけで、訪れた名所として紹介をしていきます。

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ゆりかもめと地下鉄大江戸線が通る汐留駅から約10分ほどのところにある浜離宮恩賜庭園。名前だけ聞くとちょっと近寄りがたい感じですが、東京都が管理する庭園の1つで、300円(一般・個人)の入園料を払えば誰でも気軽に入れます。

徳川将軍家の別邸、そして明治になってからは皇室の離宮となり、戦後に東京都に下賜された由緒ある庭園です。

しかもなんと、この日は5月4日、みどりの日ということで東京都が気前よく無料開放してくれていました。

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英語がいろいろおかしいのは目をつぶるとして……

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大手門から入場します。

この日に歩いたルートはおおむね下の図の通り。番号順に紹介していきたいと思います。

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浜離宮恩賜庭園内の移動ルート。Googleマイマップにて作成

1.大手門

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これは庭園内から外方向に撮影。石造りの美しいアーチ橋。

昔の橋は関東大震災で崩れ、その後に架けられた橋だそうで、やはり東京は近代の歴史を刻んできた地であるということを感じさせられます。

2.三百年の松

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徳川六代将軍の時代に植えられ、三百年続くとされる黒松。下から枝を支える支柱が何本も立っていますが、1本の松がこれだけ枝を広げて威容を誇っているわけです。

3.水上バス発着場

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東京湾に面した一角に水上バス乗り場があります。東京湾に出て日の出桟橋・お台場へ向かう便と、隅田川を遡って浅草へ向かう便があるようです。これもいずれ乗ってみたいです。この日はだいぶ行列ができていたりしたので見送りました。

4.水門付近

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東京湾に面した側。遠くに見える橋はレインボーブリッジになります。

このすぐそば(写真の右側)に水門があり、庭園内の池には東京湾の海水を引き込んでいます。海水の満ち引きのためにその時々によって違う景観が生み出される「潮入の池」と呼ばれています。

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汐留駅方向の写真。いいとか悪いとかではなく、「これが東京の借景だ」ということを改めて感じます。

5.海手お伝い橋付近

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そしてこれが東京の水鏡です。……というほど澄み切った水面ではないですが。

水面に映っているのは、超高級タワーマンションだとか。

右手に見える橋が「海手お伝い橋」。池を渡る橋を「お伝い橋」と呼ぶのですが、庭園内にもう1つメインのお伝い橋があるため、こちらを「海手」として区別しているようです。

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乱開発で景観を台無しにする東京はけしからん、などということを思ったりするわけではなく、美しく柔和な芝生と池と松、その向こうに見える直線的な高層ビル群、というコントラストは、東京独特の景観として尊重すべきものだと思うのです。

別の借景がお望みなら、京都なり、金沢の兼六園なり、別のところに行けばいいのですから。

6.御亭山付近

「御亭山」とは、ちょっと小高い丘のようになっている部分。

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池の中の小島(中島)にあるお茶屋が見えます。左手の方に、池を渡る「お伝い橋」の出入り口があるので、そこに向かって池の外周を進みます。

7.お伝い橋南側

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中島と池の両側をつなぐお伝い橋。中島のお茶屋は休憩所であり、抹茶・和菓子の販売も行っているということで、この辺がやはり最も人が多かったです。

橋を渡り切ったあたりで、職人さんが2人、暑い中、松の手入れをされていました。

8.鷹の御茶屋

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お伝い橋を渡り切った池の北側には、松、燕、鷹の3つの御茶屋があります。これは、江戸時代に存在し、その後戦災で焼失した御茶屋を、創建当時の工法で復元しようとしているものです。

鷹の御茶屋はその中で最も新しく、この訪問時の2週間ほど前、2018年4月20日から公開されたものです。なので新築できたてほやほやの鮮やかな姿なのでした。

 

園内にはもう少し見どころはあるようだったのですが、この後は月島にもんじゃを食べに行くというミッションがあったのでここで退園。

それほど派手な場所ではありませんが、江戸時代からの由緒ある庭園と、高層ビル・マンション群の借景という、いかにも東京らしい景観を堪能できる場所として面白いのではないかと思います。