君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

特急同士の接続

今回はこちらの動画について。先日、話題を掻っ攫った3シリーズ同時公開のうちの1つですね。

関連動画として、以下の3作もご視聴の後、続きをご覧ください。
【A列車で行こう9】NADAHAMA Future Story vol.03 - ニコニコ動画
【A列車で行こう9】NADAHAMA Future Story vol.04 - ニコニコ動画
【A列車で行こう9】水神彩華鉄道 vol.05 - ニコニコ動画

おかげでその直前に公開したHRプロジェクト第14回が前座扱い未満になってしまいましたが、これはまあ私が作るのが遅かったせいですね。

3シリーズが渡神マップ(中間マップ)を介した直通ということでしたが、私の立ち位置としては、渡神マップには直接はかかわっていません。
特急列車や普通列車の設定をいただいて、それを若馬鉄道側マップに反映させていくというのが仕事だったわけです。

動画だけだと関連がわかりにくいという感想も見られましたので、後々の説明の便宜上も含めて、私が把握している限りの路線図を作成しました。あくまで私が勝手に把握している限りなので、お三方に言わせればいろいろと違っていたりするかもしれません。

中央の黄色の部分が、各社塗装(水神色・公鉄色・若馬色)共通運用とされている区間。そして、点線で特急列車の経路を示しています。
左側の点線囲みの部分(神立〜八方高原間)が、この記事の主題となります。

この区間ですが、須賀平駅を境に大きく2つに分かれます。
「アンド式水田」に代表される北側の平野地帯と、長大なS字(どころではない)カーブや2度のスイッチバックを含む壮絶な峠越えとなる須賀八(須賀平〜八方高原間)です。北側は短絡線として開業した元第3セクター線、須賀八は国鉄時代に景虎線として開業した路線、というのが、それぞれの路線の形状に色濃く反映されています。

特急同士の接続

今回の一連の動画で話題になったのが、渡神マップの「塩留」駅での特急の同時入線シーン。上の路線図で見ると分かるとおり、3方向に路線が分岐する駅で、それぞれの方向から同時に特急が進入してくるようになっています。いや、見事な演出でした。

この特急同士の接続、見た目の演出という面もあるのですが、また、ダイヤ論?的に言えば以下のような説明も可能ではないかと思っています。

この駅を経由する3つの特急のうち、小城野温泉〜八方高原間の特急「かえで」は少し異色の存在です。それは何かというと、都市を経由せず、観光地同士を結ぶ特急であるということです。
一般的に、特急列車の類型は以下の2つになります。

  1. 複数の都市間を結ぶ特急
  2. 大きな都市と、観光地・空港など、特定の目的地を結ぶ特急

列車によっては、上記1・2の両方の性格を持つものもありますが、いずれにしても、より大きなニーズに応え、集客力を高める観点で、都市を発着するというのが王道パターンと言えます。
一方、特急かえでの経由地には、都市と呼べるような大きな街はありません。発着する小城野温泉も八方高原も、駅名からして観光地型ですし、途中経由する塩留にしても須賀平にしても、小さな街ではあっても都市といえるような雰囲気はありません。
しかし、塩留で特急列車の乗り継ぎができれば、小城野温泉や八方高原と、南灘・緑浜といった都市と呼べる駅とを結ぶ特急として位置づけることができます。
特急列車同士の乗り継ぎというのは、近鉄で一番先進的に行われていますが、JR西日本JR四国JR九州の一部の駅でも、特急料金を通しで計算することで乗り継ぎができる制度が設けられています(東の方はありましたっけ?)。

塩留駅の場合、特急料金はどういう扱いになるのかと考えましたが、ここは3社の境界駅なので、いずれにしても通しの計算にはならないですね。

さて。実はここまでが前フリで。

塩留駅の同時入線が目立ちますが、特急同士の接続といえば、若馬鉄道の「須賀平」駅でも、それを意識したダイヤを組んでいたりするのです。

具体的に言うと、1つは三毛猫旅客鉄道の舟橋中央方面からやってきて須賀平止まりとなる185系車両の特急(まだ名前が登場していないのでそこは伏せておきます)と、動画中にチラチラ登場していたオレンジ色の特急「とがみ」を接続させ、舟橋中央・虎島〜八方高原間の乗り継ぎを可能にするというものです。最初の頃はこのまま八方高原まで続行させる案もあったのですが、途中にスイッチバック構造の駅ができ(2:1の時はなかったのですが)続行運転が不可能になったので、こうした措置をとっているのです。
絶景街道の動画で2つの特急を連続退避する駅がありますが、この続行している特急同士が、須賀平駅で乗り継げるようになっているわけです。そのため、須賀平駅では同一ホームで平面乗換えができるよう、多少強引にダイヤを組んでいるところもあったりします。
また、小城野温泉・塩留から来る特急「かえで」から、虎島・舟橋中央という都市圏へ向かう特急に乗り換えることもできます。残念ながら階段移動になってしまいますが。

須賀平駅の場合は、神立まで2つの路線の列車が共用しているため、綺麗に同時入線・同時発車とはいきませんが、特急乗り継ぎの重要度で言えば唯楓や塩留に劣らないものがあります。

つまり、観光地同士を結ぶ特急「かえで」も、それ単体ではあまり需要がないように見えて、こうして都市を発着する特急とうまく接続を取ることでその役割を充分発揮できるのではないかと思うのですね。

……という、ダイヤ担当の勝手な妄想でございました。

余談その1

2:1モードの時は、それなりに現実性のあるダイヤを組もうと、初発・終発の時間帯、ラッシュの時間帯、一日の列車本数といったところに結構気を遣っていたのですが、1:1になると、単純に考えて駅間の所要時間が倍増なので、もうそれどころではないですね。
朝は4時ごろからバンバン列車が出て行きますし(さすがに夜はそんなに遅くならなかったような)、単線の中では1日5往復程度を確保するのがやっとだったりしますし、今回初めて1日まるごとのダイヤを組んでみて、2:1との違いをすごく感じましたですね。そういったところも楽しかったです。

余談その2

今回路線図を作成していて思い出したのですが、若馬鉄道の南北には三毛猫旅客鉄道、白猫旅客鉄道という鉄道会社があり、それぞれ元国鉄が分割民営化したという設定なのですよね。あ、三毛猫の方は明確にそういった記述はないのですが、たぶんそうでしょう。
一方、直通先の公営鉄道は、総急との対比からしておそらく国鉄を模した存在だと思われます。
この2つの世界がつながることによる矛盾?をどのように解決するのか、あるいはそれはそれとして放っておくのか。そのあたりもファンとしては気になるところですね。