君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

第1回「快速電車、郊外から都市へ」投稿しました。

【A列車で行こう9】HRプロジェクト-第1回「快速電車、郊外から都市へ」 by 片翼の人 ゲーム/動画 - ニコニコ動画

以下、この動画の制作について、長々と書いていきます。
(隠すほどのネタもないですが一応ネタバレ注意)

まずはBGMについて

今回は、かちゅおペアさんが制作されたオフコースのカバーを2曲、使用させていただいています。

正確に言えば許諾を取っているわけじゃないのですが、ニコ動で初出の作品に関しては、ニコ動のレゾンデートルとしてフェアユース的な二次創作カルチャーがあることと、コンテンツツリー機能で親子の関係を示すことができるので、まあありなのかなと思っています。

私がボカロ曲を聴く時の基準は、まず声に惚れるかどうか。イントロでどんなにカッコいい演奏が流れても、ボカロの声が入った瞬間に萎えたらそこで終わりです。

で、今まで、一番受け入れやすかったのが巡音ルカの声でした。自分でも作品を作り、また、BGMとして巡音ルカの楽曲を多用してきたのはそんな理由です。

一方、初音ミク楽曲って、あまり、声に惚れた曲ってのがないのです。ところが、かちゅおペアさんの作品は、演奏データもボカロの調声もとても丁寧に作られていて、すんなりと耳に入ってきたのでした。レベルがとても高くて、なぜ数百再生でとどまっているのか全然信じられません。

そんなわけで、いつか使わせていただければと思ってマイリストにストックしておいて、今回その機会ができたという次第です。

なぜオフコースなのか。今回の主役となる117系電車のデビューが1979年で、221系の登場により新快速の座を追われだしたのが1990年。オフコースの活動の中でも、「さよなら」「Yes-No」等の数々の名曲が生まれたのが、それと重なる時期でした。つまり、80年代テイストというのを表現してみたかったのです。

……という、もっともらしい言説は実は比較的後付けの理由で、実際のところは、最初の空撮プレビューにこの曲を乗せてみたらピッタリはまり、そして、途中の区切りとなる早井灘駅のところで曲がきっちり終わるという、尺的にもちょうどよかったことが最大の理由なのでした。

「縦浜特快」という題材について

はるラピの中でも、支線である「縦浜線」は少し不遇な存在でした。
第20回にしてようやく登場、それも特急運転開始の前座として簡単に紹介されただけでした。その後も、第22回の各駅紹介で出てきた程度。通勤快速的な存在である「縦浜特快」についても、ほとんど触れることができませんでした。

そんなわけで、今回、きちんと紹介したいというのがありまして、冒頭の空撮プレビューも縦浜線部分を紹介するものになっていますし、走行シーンに挿入したカットインでも、縦浜線部分は街の風景を重視したカメラワークとなっています。

そして縦浜特快には117系を使用しているわけですが、A21Cの時には、215系ベースの改造車を使用していました。
その215系ベースの改造車は、朝夕の快速の増発用に使われた編成で、A9ではほとんどが原型の215系に置き換えられているのですが、この縦浜特快だけは117系となっています。
それはなぜかというと、本線は10連対応ですが縦浜線内は8連までとなっていて、215系は5連・10連しか組めなかったためです。
コメントでも指摘がありましたが、A21Cの時には、各駅停車用の車両と同じ遅い速度設定であまり使えない子だったのですが、A9では100km/hを超える速度が設定されていて、快速車両として充分使えるものになっていたのです。

現実の路線に例えるとしたら、縦浜線=草津線、早井灘=京都、岩井園=大阪……のような感じでしょうか。草津線に追いやられた117系が、直通の通勤快速として1往復だけ大阪にやってくる……みたいな。

オープニング

フリューゲルホルンが茫洋と響くイントロに乗せて、山の向こうから太陽が昇っていきます。なんとも美しい朝焼けです。

で、ここでバラしてしまいますが、なんとこれは逆再生です。
つまり本来は日が沈んでいく夕焼けなのです。

ゲームをプレイ中に偶然見えたこのシーンがとても美しくて、動画に使いたかったのですが、朝に運転する列車の冒頭が夕焼けではちぐはぐ。そこでこういう手法をとった次第です。


その後のプレビューは、今回の主人公となる117系を起点に、縦浜線内を空撮で紹介するもの。今回のプロジェクトで縦浜線を扱うのはおそらく最初で最後になると思いますので、じっくりご覧いただければと思っています。
最後に遠くの都心方面にカメラを向ける部分は、曲とのあわせ方にいろいろ試行錯誤しましたが、カッコいい形に収まったと満足しています。

路線図

これは完全に尻手黒川鉄道シリーズの真似となっております。
ただ、見ていてどちらからどちらに行くのか、直感的にわかりにくいことがあったので、マークを動かすことで方向を提示しています。

左下の時刻カウント

これは、AviUtlのスクリプト機能で実装しています。
テキストボックスに、以下のように入力します(30倍速時)

<?
--タイマー初期状態
Hour = 5
Minute = 58
Speed = 0.5
Movie = 1.5
--時間計算
Time = Hour * 60 + Minute + obj.time / 2 * Speed * Movie
--表示(時:分)
mes( string.format("%01d:%02d", Time/60%60, Time%60) )
?>

Hour、Minuteが初期値(最初に表示する時分)、Speed、Movieが、それぞれA9のゲーム内速度、AviUtlでの再生速度になります。
Speedは、A9での倍速値をそのまま設定。Movieは、パーセント値となっているAviUtlの「再生速度」を、100で割った値になります。
今回は、5:58からカウントを開始し、ゲーム内速度は0.5倍で録画、AviUtlで再生速度を150に設定しているため、上記のような設定になります。

スクリプト中の「obj.time」というのが、このテキストオブジェクトが表示されてからの時間を示しているようで、カウントを続けている間はオブジェクトを出しっぱなしにする必要があります。表示を一時的に消すときには、他のオブジェクトをかぶせる、透明度を100に設定する、などの手段を採ることになります。

この部分は、ザイルのつぶやき AviUtl拡張編集でタイマーを表示してみるを参考にしました。ありがとうございます。

吉木駅のホーム用途の紹介

これ、入れていいかどうかちょっと悩んだのですが。
つい、「[1]のりば 主に特急 早井灘・岩井園方面」とか表示したくなるのですが、あまり情報をたくさん出しても視聴者が消化する時間を取れないので、それぞれのホームに主にどういう方向で出入りするか、だけを出した簡潔な表示となっています。

コメントで指摘がありましたが、なぜ早井灘駅でやらなかったかというと、吉木駅はプロローグにつづいて2度目の登場になるためです。早井灘駅や終点の岩井園駅については、次回以降のどこかで似たようなことをやるのではないかと思います。

ちなみに、私は走行シーンについては、原則として時間の巻き戻しはしないことにしています。
上で紹介した尻手黒川鉄道や、新風鉄道水神支社シリーズでは、複数視点の映像を充分に提示するため、巻き戻しを多用しておられるのですが、個人的にはそこで少しひっかかりを覚えるので、自分が走行シーンを作る際には、スムーズに視聴できることを優先したいと考えています。

最後のA21Cの映像

【A列車で行こう9】小勢市 No.8 “各駅紹介2” by eXpresser ゲーム/動画 - ニコニコ動画で、最後にA21Cの映像を紹介していたのを見て、ああこれいいなあ…と思いましたので、真似をさせていただきました。この動画は、イントロにもA21CとA9のシンクロがあったりして、とても見ごたえがある動画でした。
BGMの残り尺が3分ほどで、収まるかどうか不安だったのですが、予想に反して普通に撮ったら2分半で収まりました。A21Cの時間進行はやっぱり早い。それを、88%ぐらいの再生速度で流しています。
ただ、垂れ流しではなくて、せめて駅名表示を補足するとかすればよかったかな…というのはあります。

コメント返答

尺が余ってどうしようかと悩んだ末に「コメント返しで埋めてしまえ」という安易な理由だったなんて言えない……。
コメント返しをやるかやらないかは基本的に自由ですし、このシリーズもどうしようか考えていたのですが、今回やった以上、次回以降も続けていくことになると思います。