君と、A列車で行こう。

鉄道とシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」を中心に綴るブログ。当面、東北地方太平洋沿岸の訪問をメインにしています。

札沼線の最終運行繰り上げ/理性と自制心で家にとどまろう

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石狩月形駅に停車する札沼線新十津川行き列車。2018年10月6日撮影

(4月16日追記)札沼線北海道医療大学新十津川間の最終運行は、さらに4月17日(金)に繰り上げとなりました。

今年5月7日での廃線が決まっていたJR北海道札沼線北海道医療大学新十津川間について、これまでの予定では前日の5月6日が最終運行となっていましたが、一般向けの最終運行日を4月24日(金)、沿線の町民向けのラストラン運行を4月27日(月)に実施すると発表されました。

trafficnews.jp

新型コロナウイルスの感染防止策として、当初検討されていた4月25日(土)への繰り上げでもなく、土日を避けた日程での最終運行となりました。

JR北海道ニュースリリースは下記URLで公開されています。

https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200415_KO_SassyouLine.pdf

この中で、とても重要な内容があります。

 2 町外からの来場自粛のお願い

  • 「緊急事態宣言」により対象地域を中心に外出自粛の要請が出ていることを十分ご理解いただき、できる限り町外からのご乗車、来駅、沿線での写真撮影等をお控えくださいますよう、お願い申し上げます。

(略)

3 その他

  • 沿線4町の皆様のみでの「ラストラン運行」を4月27日(月)に行う予定です。
  • 沿線4町の皆様中心で札沼線とお別れするため、当日につきましても、町外からの来駅、沿線での写真撮影等をお控えくださいますよう、重ねてお願い申し上げます。

「あくまで要請であって強制力はない」「自分一人ぐらいならいいだろう」と思われるかもしれません。でも、鉄道ファンがみんなそう思って集まってしまったら意味がありません。

今、我々が相手にしているのは人ではなくウイルスです。今一番に考えるべきは、「他人の言葉を都合よく解釈して自分の欲求を満たす」ことではなく、極力感染リスクを下げ、感染拡大を抑えて、すでに始まっている医療崩壊をさらに悪化させない、ということです。

遠く離れたところから静かに見守る。とっておきの写真や映像は地元の人に任せる。そういった理性、自制心を発揮していただくようお願いを書きたいと思います。

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新十津川駅前のイベント(2018年10月)。秋の3連休で束の間の賑わいを見せていた

3月29日、桜が満開の首都圏にまとまった雪が降った日には、東京・埼玉・神奈川で知事による外出自粛要請が出ていたにもかかわらず(千葉は「都内との移動自粛要請」だった)、雪と桜をモチーフにした鉄道撮影に出られた方が多数いたようです。

4月7日に首相による「緊急事態宣言」が出され、必要最低限の移動以外は行わないよう要請された地域でさえ、その後に甲種輸送を撮影しに出かけた方もおられたようです。

趣味の鉄道旅行・鉄道撮影は「不要不急」の行為です。

前提としてこの認識をお願いします(鉄道を見る・撮ることで生計を立てている場合については言及しませんが、それでさえ、今は行動を自制している方が多いようです)。

また、「一人で誰にも会わないように車で出かけたから問題ない」という言い訳も見かけますが、少なくとも知事による外出自粛要請が出ている場合、もはや個人の裁量で自由に判断していいレベルではない、ということを認識してください。

警戒レベルに応じた適切な行動範囲

地域によって異なりますが、今、適切な行動範囲は以下の3段階に分類されるかと思います。

(※2020/4/17 追記 以下の分類は、日本全国を対象とした国の緊急事態宣言が発出される以前の見解です。新たに13都道府県を対象とした「特定警戒都道府県」が設定されたこともあり、それも踏まえた分類の整理が必要と思いますが、少なくとも、もはや個人の裁量で旅行や、必要最小限以上の移動ができる余地はほぼなくなったと考えています)

  1. 国による緊急事態宣言の対象地域
    現時点では東京・神奈川・埼玉・千葉、大阪・兵庫、福岡の各都府県ですが、ここでは、生活のための必要最小限の移動にとどめることが求められます。
    可能な限り自宅にとどまり、やむを得ない仕事での外出や、付近の食事・買い物・通院や、身体を動かすための散歩などはOK(ただし、社会的距離を保つこと)、という程度のものです。
    その範囲の移動の中で、鉄道を見たり撮ったり、という程度は許容されると思います。

  2. 知事による独自の緊急事態宣言、行動自粛要請が出ている地域
    緊急事態宣言の対象地域でない場合でも、夜間外出自粛、県外との往来自粛など知事から具体的な行動自粛要請が出ている場合は、それに従うべきです。もちろん、自分の住んでいる地域だけではなく、仮に県外へ移動したいとしたら、経由地や目的地で出されている自粛要請についても同様に従う必要があります。

  3. 行動自粛要請が出ていない地域
    緊急事態宣言の対象ではなく、知事からも具体的な行動自粛要請が出ていない場合(自粛要請が出ていてもその対象外の場合も含む)は、十分な感染対策をした上での移動は個人の裁量で実施する余地があるかと思います。人によって考え方は違うと思いますが、私はそれに対して非を鳴らす理由はないと考えています。
    もちろん、知事に限らず、訪問先の各所で行動自粛要請が出ている場合はそれを尊重すべきです。今は、感染が持ち込まれることを恐れて、来訪自粛要請を出しているところがたくさんあります。今回の札沼線もその1つです。

危機に陥っている今、自分とみんなの命を守るために。

こういったことを書いた理由は、いわゆる「葬式鉄撮り鉄のモラル問題」を気にしているということもありますが、それ以上に、「自分と他人の命がかかった話」だということです。

新型コロナウイルスを巡る日本国内の状況は、すでに危機的というよりまさに危機に陥っている状態です。

東京では救急搬送もままならずに患者がたらいまわしにされ、大阪では医師や看護師が着用する防護服が不足し、大阪市長が雨合羽の提供を呼び掛けるという事態になっています。それ以外の地域でも着実に感染者数は増加していっています。

headlines.yahoo.co.jp

www.nikkei.com

こんな中で我々ができることは、「できる限り状況の悪化を抑える」「そのために可能な限り家にいる」ことしかありません。

札沼線に限った話ではありません。鉄道ファンはとかく「今しかない」という状況にとても弱いものですが、今はそれよりも優先すべきものがあるということを念頭に、行動の自制をお願いします。

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JR常磐線、ついに全線運転再開 (4)新たなる日常、新たなる特急ひたち

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品川~仙台間での運転を開始した特急ひたち。公開した動画のタイトル画像から

東日本大震災による津波と、その後の原発事故によって寸断されたJR常磐線

2020年3月14日、あれから9年の月日を経てついに上野~仙台間の全線運転再開を迎えました。

3月13日から15日にかけて、富岡駅付近を中心にその様子を見てきましたので、順にお伝えしていきたいと思います。

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JR常磐線、ついに全線運転再開 (3)常磐線再スタートの1日

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常磐線の全線運転再開を歓迎する富岡町の方々。2020年3月14日撮影

東日本大震災による津波と、その後の原発事故によって寸断されたJR常磐線

2020年3月14日、あれから9年の月日を経てついに上野~仙台間の全線での運転が再開されました。

3月13日から15日にかけて、富岡駅付近を中心にその様子を見てきましたので、順にお伝えしていきたいと思います。

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JR常磐線、ついに全線運転再開 (2)常磐線代行バス・もう1つのラストラン

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富岡駅を出発する、常磐線代行バスの最終便。地元の方々がその最後を見届けた

東日本大震災による津波と、その後の原発事故によって寸断されたJR常磐線

2020年3月14日、あれから9年の月日を経てついに上野~仙台間の全線での運転が再開されました。

3月13日から15日にかけて、富岡駅付近を中心にその様子を見てきましたので、順にお伝えしていきたいと思います。

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JR常磐線、ついに全線運転再開 (1)651系のラストラン

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堂々たる樹木に復興の願いを託して。2020年3月13日、富岡駅付近で撮影

東日本大震災による津波と、その後の原発事故によって寸断されたJR常磐線

2020年3月14日、あれから9年の月日を経てついに上野~仙台間の全線での運転が再開されました。

3月13日から15日にかけて、富岡駅付近を中心にその様子を見てきましたので、順にお伝えしていきたいと思います。

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